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Long Return:二人の戦友と銃弾を受けたチューダー、50年の時を超えた生還の物語 Part.1

二人の男と一本の時計。そして、全員が生き残った。

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※本記事は2019年9月に執筆された本国版の翻訳です。 

プロデューサーから記事公開に寄せて:このような奇跡の物語を、読者と共有できることを僭越ながら光栄に思う。"ロング・リターン:時を超えた生還"は、紛れもない時計の物語だが、何よりもまず、その時計が繋いだ2人の男性が主人公だ。登場人物は、バリー・ジョーンズ米海兵隊1等中尉、ロリー・マクラフリン米海軍3等衛生兵、そして1960年代のチューダー サブマリーナー Ref.7928だ。ジョーンズ1等中尉は、1968年8月にベトナムでの銃撃戦で銃弾を受けたとき、この時計を身に着けていた。それから約50年後、グレイソン・コルホネン、デビッド・オジェロと私は、幸運にも最前列でカメラを回し、ジョーンズ氏とマクラフリン氏がジェームズ・ステイシーの前で自分たちの物語を語る姿を目の当りにした。彼らの話が終わる頃、撮影現場には目を潤ませた人がいたとか。- ウィル・ホロウェイ 

時計には、純粋な機能性を超えて、より特別な存在としての瞬間を迎えることがある。その存在とは、私たちと特定の時間、特定の人々とを結びつけるものだ。 時計は、私たちの歴史の中で遠く離れた瞬間を今ここに結びつけてくれる。過去の決定的な瞬間への扉を開き、未来を約束し、私たちが価値観を共有する人間性を思い出させてくれるような経験を共にする不思議な力を宿す存在なのだ。 

バリー・ジョーンズ1等陸尉(左)、衛生兵ロリー・マクラフリン、ジョーンズのチューダー サブマリーナー Ref. 7928。 

 今回、2人の素晴らしい男性とひとつの忘れられない時計を紹介できることを大変誇りに思う。これは、チューダー サブマリーナーが、米海兵隊のバリー・ジョーンズ1等中尉と米海軍ロリー・マクラフリン3等衛生兵の間に、ベトナムの戦場と故郷での生活の間に隔てられた50年の時を超えて、永遠の絆を築くのに一役買ったという、信じられないような物語だ。 

1968年、ベトナムでチューダー サブを着用するジョーンズ1等中尉(右側膝をつく男性)。 

1968年8月の銃弾を受けた状態のチューダー サブマリーナー。左下のラグは衝撃でへこみ、ケースは変形し、風防とベゼルは失われ、針はダイヤルに焼き付いたかのようだ。 

 この物語では、2人の兵士の歴史を理解する上で、時計が重要な役割を果たしていることが分かる。それは、献身、友情、そして戦争という共通の経験を通して形成された断ちがたい絆だ。ありがたいことに、このような苦難は、私を含めた多くの人が経験することのないものである。私は、ジョーンズ氏とマクラフリン氏の物語を共有する機会を得たことに非常に感謝している。この地味なダイバーズウォッチが、二人が共に経験したことを表し、二人の絆を取り戻す手助けとなっただけでなく、二人の物語をより多くの人に伝えるきっかけとなったのだ。 

 これは強烈で時に残酷な物語だが、幸いなことに二人ともベトナムを生き延び、故郷で自分の人生を切り拓くことができた。このチューダー サブマリーナー Ref. 7928は、確かに身に着けるのは無理かもしれないが─ねじれて壊れているからだ─、彼らの絆を象徴する品として、また50年を隔てた再会のきっかけとして、ベトナムからの生還以降を歩んできたのだ。 

 私たちが話題にしたり所有したりする時計のほとんどは、このチューダー サブマリーナーのような魅力的で示唆に富んだ物語をもつことはないだろう。しかし、この時計は数少ない例外なのである。そして、ジョーンズ1等中尉とマクラフリン衛生兵も、並外れた男たちなのだ。

 "ロング・リターン:時を超えた生還" の撮影はグレイ・コルホネン、デビッド・オジェロ、ウィル・ホロウェイ、編集はデビッド・オジェロが担当した。