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我々が知っていること
カルティエは、タンクの形状をより現代的にアレンジしたタンク アメリカンを発表した。確かに最新のタンクデザインではない(それは、この記事で紹介したタンク フランセーズのことだ)が、タンク アメリカンは、時計業界の大型化に対応するために1989年に発表されたモデルだ。
2023年の新作タンク アメリカンは、ミニ、SM、LMの3サイズ、計11本(ケースの仕様は下記参照)のラインナップとなる。どうやら2017年にA Week On The Wristで取り上げた、私のような中くらいの手首に最適なミディアムサイズが欠けているようだ。
タンク アメリカンではすべてのサイズにおいて、スティールとPGケースが展開され、ミニとSMサイズには、ダイヤモンドを敷き詰めたケース(WG製のミニサイズには、ブレスレットも)も用意されている。また、ミニとSMサイズのゴールドモデルは、ポリッシュ仕上げされたブレスレットへのアップデートもなされた。
新型タンク アメリカン LMサイズ、SS&PG。Antoine Pividori © Cartier
旧型のタンク アメリカンのように、ケースはポリッシュ仕上げとサテン仕上げが組み合わされていて、建築的で興味深いケースは健在だ。ミニのダイヤルはお馴染みのサンレイ仕上げだが、SMとLMサイズのタンク アメリカンは縦長のサテン仕上げとなっており、実物を見るのが楽しみでもある。カルティエは最近いくつかの時計にこのような処理を採用しているようだが、その効果は一般的にカルティエの伝統的なダイヤル装飾とは異なり、非常に印象深いものとなっている。
つまり、カルティエはタンク アメリカンのケースを改良し、その湾曲したケース形状と“ブランカード(フランス語で“担架”を意味し、タンクのケース側面が担架のハンドルに似ていることからその名がついた)”をほんのわずかだけカーブさせたのだ。また、このLMサイズには新型ムーブメント Cal.1899 MCが搭載されており、カルティエによれば、これまでの自動巻きムーブメントよりも薄型化されているとのことだ。その効果はケースサイズにも如実に現れている:ラージサイズのタンク アメリカンの厚みは8.6mmで、先代の9.5mmからさらに薄くなっている。なお、SMとミニのアメリカンは、いずれもクォーツムーブメントを搭載している。
我々の考え
SMサイズの新型タンク アメリカンのバリエーション。Antoine Pividori © Cartier
カルティエが、表向きはタンクの100周年を記念して、スティール製としては初のタンク アメリカンを発表したのは、2017年のことだった。タンク アメリカン自体は1989年に登場したばかりなので、正統派のタンクよりもずっと若く、その存在意義として“モダン性”や“男性的”といったキーワードが使われている。つまり、昔のタンク サントレをより大きく、より大胆にしたもので、そして明らかにアメリカ的なものが求められていた時代に向けたものだったのだ。
本モデルはタンク サントレからインスピレーションを得ているものの、ケースバックが湾曲しておらず、タンク アメリカンの湾曲したフロントはフラットなケースバックによって支えられている。これにより、カーブしたケースバックが手首を包み込むタンク サントレに比べ、タンク アメリカンはよりモダンな存在感を放っている。
スティール製とPG製のタンク アメリカン ミニ、そしてケースとブレスレットにダイヤモンドをあしらったWG製が新たにラインナップされた。Antoine Pividori © Cartier
早いもので20年を経て、再び薄型の時計が脚光を浴びている。ここ数年のカルティエの人気は、小型で薄型のドレスウォッチによるところが大きく、今回、タンク アメリカンをよりこの趣向に合うようにアップデートしたのだ。確かに、新しいタンク アメリカンは、タンクコレクションで最も大きなケースを持つものの、すべてがスリム化され、ほんの少し洗練されたように感じる。
アメリカンは、タンクコレクションをよりモダンにアレンジしたものであり、特にスティール製のタンク アメリカンは、カルティエのタンクのラインナップの中でも、より親しみやすく、日常的な選択肢のひとつとして最適に感じられる(日常生活防水も実用的だ)。このアップデートは、カルティエらしく、遠くから見ればほとんど違いに気づかないだろう。しかし、近くから見ると、ディテールやラインがほんの少し洗練され、思慮深くなっているように感じられるのだ。
基本情報
ブランド:カルティエ
モデル:タンク アメリカン
直径:28mm×15.2mm(ミニ)、35.4mm×19.4mm(SM)、44.4mm×24.4mm(LM)
厚み:6.5mm(ミニ)、6.8mm(SM)、8.6mm(LM)
ケース素材:SS、PG。WGはミニのみ(ケースとブレスレットにダイヤモンドバゲット付き)、ミニとSMにはケースにダイヤモンド付きのオプションあり
ダイヤルカラー:シルバー(ミニはサンレイ仕上げ、SMとLMはサテン仕上げ)
インデックス:ローマ数字
夜光:なし
防水性能:日常生活防水
アリゲーターストラップ:ミニとSMのゴールドモデルには同素材のブレスレットオプションあり
スティール製LMサイズのタンク アメリカンのサテン仕上げのダイヤルをクローズアップ。カルティエの新ムーブメント、Cal.1899 MCも搭載。Antoine Pividori © Cartier
ムーブメント情報
キャリバー:SM、ミニはクォーツムーブメント、LMはカルティエ自社製Cal.1899 MCを採用
機能:時、分
巻き上げ方式:自動巻き
※ムーブメントの詳細は分かり次第アップデート
価格&発売時期
価格:ミニ 112万2000円、ミニ PG×ダイヤ 219万1200円、ミニ PG×ダイヤ ブレス仕様 389万4000円、ミニ WG×ダイヤ ブレス仕様 778万8000円、SM 168万9600円、SM ダイヤ 281万1600円、SM ブレス仕様 460万6800円、LM 244万2000円(すべて税込予価)
発売時期:今秋予定
限定モデル:通常生産
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カルティエの時計の詳細については、公式Webサイトをご覧ください
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