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Introducing ノモス・グラスヒュッテ ラムダ グラスヒュッテ時計産業175年限定モデル 2020年新作(編集部撮りおろし)

かつてのゴールドモデルがステンレススティールで登場。

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クイック解説

 ノモス グラスヒュッテのラムダコレクションは、これまで貴金属、すなわちゴールドを使用してきた。ブランドが作る時計の中で最も高価なものではないにしても、確かにハイエンドであることは間違いない。今日、全てが変えられた。ある意味では。

 ノモスは、グラスヒュッテの時計製造175周年を記念して、ステンレススティール製の新しいラムダコレクションを発表した。新作を構成するカラーバリエーションは全部で3種類、ホワイト、ブラック、ブルーの3色のダイヤルがあり、それぞれ175本の限定モデルだ。これはアニバーサリー年数に合わせている。私は以前、今年はダイヤル交換の年だと言ったことがある。 ノモス グラスヒュッテはさらに一歩進め、今回の新作でケースの交換を行った。

ファースト・インプレッション

 ノモス グラスヒュッテは、様々な意味でバウハウスデザインの理想の上に成り立っているブランドであり、ラムダコレクションはそのコンセプトをより良く表現している。しかし興味深いのは、ラムダが長い間、ノモスがその手頃さで知られる通常の価格設定とはかけ離れた価格だったことだ。今回の新モデルでは、限定的ではあるが、手頃といえる価格が設定された。これらの約40mmのモデルは、オリジナルの42mmラムダ(39mmモデルもある)を基に、ケース素材の変更を除けば、ダイヤルは(完全にとはいえないまでも)実質的に同じものとなっている。 

 製品の位置付けとしては、ノモス グラスヒュッテはこれらの時計をより高級時計製造の流れに沿ったものと考えている。その多くはムーブメントに関係しているが(詳しくは後述)、これらの時計の全体的な美しさと、それらを作るために使用されている素材にも関係している。それぞれのダイヤルは、高光沢なエナメル調のラッカーで作られている。本当に高光沢なのだ。これらの時計は、無骨なもの、道具のようなもの、スポーティなものと見間違えることはありえない。ノモスの他のモデルが、そのような外観を連想させるだけのものであるのに対し、このデザインはバウハウスのデザインモチーフに完全に傾倒している。これらのSS製ラムダのバリエーションによって、このブランドはより低価格で、より "高級な時計作り "への新たな道を示した。

 ドレスウォッチと呼ぶには躊躇するが、この時計は確かにやや高級な、いわば知的な装いによく似合う。そのスタイリングは非常にミニマルな印象を与え、「全体は部分の総和に勝る」という格言に新たな意味をもたらしているようだ。ダイヤルの右側にある「Gangreserve 84 Stunden」の文字は、まるでバウハウスのヴィンテージデザインのポスターから直接引っ張り出してきたようだ。堂々とした目立つパワーリザーブのインダイヤルの影で、シンプルなスモールセコンドダイヤルがデザインに大きなコントラストを与え、ラムダコレクション全体の特徴となっている。

 前述したように、ノモス グラスヒュッテの時計は値打ちの物の代名詞だ。ラムダは、様々な意味合いでノモスの時計群の中で異例の存在だが、ジャックがかつて言っていたように、単に良い時計を作りたいというブランドの意思の現れなのだ。そして、彼らはそれを実現した。箱からこの時計が現れると、すぐに“素晴らしい時計”の魅力を感じたのを覚えている。

 今日では、素晴らしい時計には様々な種類がある。 ダイバーズウォッチ、パイロットウォッチ、レーシングクロノグラフなどだ。しかし、ラムダはより古典的な素晴らしい時計の魅力をもっている。ラムダの機能は時間を伝えることだが、他の時計よりもクールにそれを行う。これはダイヤルへのミニマリスト的アプローチから生まれた副産物だ。また、このデザインは身に着けるという点でも汎用性に優れている。とはいえ、必ずしもショートパンツでビーチに行くときに着けるわけではないが、いや、私は絶対にそんなことはしないだろう。

 3つのダイヤルバリエーションは、全て非常に保守的だ。特に最近のクールハンティング×NOMOS LEsのような明るい色使いの時計が続々と登場した年にあっては。私は、今回のモデルの中ではホワイトダイヤルが最も見やすいと思っている。ホワイトダイヤルにブラックの文字が映え、様々な照明条件の下でも見やすくなっている。ブルーとブラックのダイヤルは光沢があって反射しやすく、針、インダイヤル、ダイヤルのテキストの細いデザインと組み合わせると、ホワイトダイヤルの方がずっと読みやすいと感じる。その点、しかし、ホワイトダイヤルはブルーとブラックよりも大きく見えてしまう。ホワイトカラーのもつ特性のためだ。

 この時計には、通常生産されるゴールドケースのラムダと同じムーブメントが搭載されている。それが、クロノメーター規格に準拠した自社製手巻きキャリバーのDUW1001だ。このキャリバーは84時間のパワーリザーブを誇り、手巻きの時計としては極めて優れている。しかし、これは私たちがここで話題にしている高級時計に相応しいムーブメントであることを覚えておいてほしい。スワンネック微調整機構、サンバースト仕上げを施したロジウムメッキの3/4プレート、手作業で面取りとポリッシュ仕上げを施したエッジ、6つのゴールドシャトン、チラネジテンプ、そして手彫りのテンプ受けを備えている。そしてムーブメントには “mit Liebe in Glashütte gefertigt”、つまり "グラスヒュッテ謹製"とある。

  ノモス グラスヒュッテ によると、今回のリリースは、ブランドCEOがグラスヒュッテにおける時計製造175周年をどのように祝いたいかと尋ねられたときに、生まれたものだという。彼はパーティーをする代わりに、この3つの時計を作成することを選択した。私はゴールドも好きだが、これはSSケースにぴったりなデザインだと思うので、とても良い選択だと感じている。もし、あなたが以前にノモスのラムダに知的好奇心をそそられたなら、この限定モデルはデザインとムーブメント構造の面で同じ価値を与えてくれるが、その全てをもちながら価格は220万円から85万円に抑えられている(共に税抜)。前述したように、これらの新しいノモスのラムダはそれぞれ175本限定であり、おそらく長く市場にとどまりはしないだろう。 

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基本情報

ブランド:  NOMOS Glashütte(ノモス グラスヒュッテ)
モデル名:  Lambda (ラムダ)
型番: 960.S1 (ホワイトダイヤル), 960.S2 (ブラックダイヤル) 960.S3 (ブルーダイヤル)

直径: 40.5mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: ホワイト、ブラック、ブルー(ラッカー)
インデックス:  プリント
夜光: なし
防水性能: 3気圧
ストラップ/ブレスレット:  レザーストラップ(ホーウィン社製シェルコードバンヘリ返しタイプ)


ムーブメント情報

キャリバー: DUW 1001
機能 時・分表示、6時側にスモールセコンド、12時側にパワーリザーブインジケーター
直径: 32mm
厚さ: 3.6mm
パワーリザーブ: 84時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数:  29


価格・発売時期

価格: 85万円(税抜)
販売時期: 10月下旬
限定: 世界限定各175本

詳細は、ノモス グラスヒュッテ公式サイトをクリック。

写真;カシア・ミルトン