オメガがアクアテラシリーズに新作の追加を発表したのは、東海岸でやっと太陽が昇ったころだった。これらの新作は、スモールセコンドダイヤルが6時位置にあるという1つの小さくも重要なディテールを除いて、ほとんど同じ外観だ。これはアクアテラシリーズにとって初めての試みであり、さらにサイズ、カラー、素材などさまざまなオプションが用意され、大々的に展開されている。
新しいオメガ シーマスター アクアテラ スモールセコンドには、41mmと38mmの2種類のサイズがある。このモデルは、ステンレススティール、ツートンのセドナ(ローズ)ゴールド、フル18Kセドナゴールドなど、考えられるあらゆる構成で提供されている。ダイヤルにはマザー・オブ・パールにダイヤモンドのインデックスがセットされているものもある。今回我々が実機で見ることができたのは、ブルーグレーのダイヤル、ツートンのセドナゴールドケース、ブルーのラバーストラップを備えた41mmモデルと、ダイヤモンドをセットしたダイヤルとブラックレザーストラップを備えたグリーンダイヤルの38mmモデルだ。
4つのムーブメントがこれらのスモールセコンドウォッチに動力を供給する。そのうちの2つは、18Kセドナゴールド製のローターとテンプを採用した“ラグジュアリーキャリバー”と呼ばれるものだ。
シーマスターシリーズは、もともとオメガのダイバーズウォッチではなかったことを忘れてはならない。1950年代にシーマスター300が発売されるまでダイバーズウォッチではなかったのだ。オメガによれば、シーマスターシリーズはシンプルで無駄のないデイリーユースウォッチとしてスタートした。アクアテラは、多くの意味でその理想を現代に具現化したものだ。だからこそ、スモールセコンドのデザインが導入されたことに、私は特に衝撃を受けなかった。シーマスターにはスモールセコンドを採用した歴史的な前例がある。比較的最近でいえば、オメガ シーマスター 1948 リミテッドエディションだ。しかし、これをカムバックなどと呼んではいけない。
結局のところ、この時計はアクアテラを購入する人に選択肢を提供するものだ。「スモールセコンドがついていれば...」と考えていた人がいたかどうかは分からないが、いずれにせよ、選択肢があることは良いことである。
ただ、どちらの時計も私を驚かせるものではなかったが、良い面もある。ダイヤルレイアウトは、どちらの時計にもしっくりくるようだ。2021年のダイヤルカラーとしてグリーンは言うまでもなく、この38mmのバリエーションはとても印象的だった。私はダイヤモンドがセットされた時計を身に着けることはないが、「絶対にないとは言い切れない」という考え方のため、試してみたのだ。グリーンダイヤルはフラットかつ滑らかで、控えめなデザインだ。背景からダイヤモンドが飛び出していても、すべてが一体感のあるものになっている。特に気に入ったのは、スモールセコンドダイヤルの外側にダイヤモンドがあしらわれている部分だ。それはまるで……氷のようだ。このモデルを手首に着けてみたが、正直に言うと全く嫌ではなかった。
もう一つのモデル、41mmのツートンカラーの方(今話している方だ)は全く別の時計のように感じられ、この2つのモデルにおける3mmの違いは見た目にも圧倒させられるほどだ。セドナゴールドのツートンカラーケースに、ブルーダイヤルとブルーのラバーストラップを合わせたこのモデルは、箱を開けたときに思わず不意を突かれた。このカラーコンビネーションを期待していたわけではないが、特にちょっとしたデザインの工夫に気づいてからは、その魅力に引かれたのだ。オメガらしく、ダイヤルには精密なレーザーエングレーブが施されており、個性的で深みのあるデザインに仕上がっている。日付表示については誰もがひと言あると思うが、私はこの日付表示が視覚的な面白さを加えていると思う。たとえそれが大きくても。
スモールセコンドを備える4つのムーブメントは、いずれもMETAS認定を受けている。41mmシリーズ(4つのSSモデルと18Kセドナゴールドのツートンカラーモデルを含む)は、オメガのコーアクシャル マスター クロノメーター Cal.8916を搭載している。また、18Kセドナゴールドモデルは4種類あり、ラグジュアリーなCal.8917を搭載する。どちらのムーブメントも、オメガのCal.8900をベースにしているようだ。SSとツートンカラーの38mmモデルにはCal.8802が、フルゴールドモデルには18Kセドナゴールド製ローターとテンプを備えた(Cal.8917と同じだ)Cal.8803が搭載される。
スモールセコンドダイヤルは、総体的に人生の1秒1秒が過ぎていくのを見守る一つの手段に過ぎない。このインダイヤルは、死の定めを意識させると同時に、ダイヤルデザインをよりミニマルにしている。インダイヤルが搭載されたことにより、コーアクシャル マスター クロノメータームーブメントであるということを損なうことなく、“Co-Axial Master Chronometer”の文字がダイヤルから消えた。しかし、この時計には“Omega Seamaster”の文字が残っている。そして、この短い人生においては、それだけあればいいのだ。
基本情報
ブランド: オメガ(Omega)
モデル名: シーマスター アクアテラ スモールセコンド(Seamaster Aqua Terra Small Seconds)
直径: 38mmもしくは41mm
ケース素材: SS、セドナゴールドとSSのツートン、もしくは18Kセドナゴールド
文字盤色: ダークグリーン、ライトグリーン、リネンカラー、追加のホワイトMOP(38mm)。ブルーグレー、シルバーブルー、シルバーベージュ(41mm)
インデックス: アプライド、またはダイヤモンド(MOPダイヤル)
夜光: あり
防水性能: 150m
ストラップ/ブレスレット: ブレスレット、ラバーストラップ、またはレザーストラップ
ムーブメント情報
キャリバー: 8802/8803(38mm)、8916/8917(41mm)
機能: 時・分表示、6時位置にスモールセコンド、デイト表示
直径: 26mm(8802/3)、29mm(8916/17)
パワーリザーブ: 55時間(8802/3)、60時間(8916/17)
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万5200振動/時
石数: 35(8802/3)、39(8916/17)
クロノメーター: METAS認定
価格・発売時期
価格: 71万5000円〜393万8000円(41mm)、70万4000円〜485万1000円(38mm) 全て税込
発売時期: 8月発売予定
限定: 通常ライン
詳細は、オメガ公式サイトをクリック。
Photos: Tiffany Wade.
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