Introducing パルミジャーニ・フルリエ　トンダグラフ ローズゴールド 2020年新作

　パルミジャーニ・フルリエは、おそらくアメリカで（また日本でも）知る人ぞ知る、スイスで最も重要なブランドであり、その理由は明らかだ。同社は、一般的な時計購入者の嗜好に基づいて、ひと目見て気に入ってもらえるような時計を作る会社ではないのだ。

　通常パルミジャーニは、ほとんどの時計愛好家が求めるものとはかけ離れた、一種の優雅さと洗練をデザインに追求しているのだ。今日の時計愛好家たちは、多くがステンレススティールの何かを望んでいる者が多い。

　さらにパルミジャーニ・フルリエの時計の多くが非常に高価であるという事実も付け加えなければならない。つまり申し分のないほどの高級時計ブランドなのだ。しかし、創業者であるミッシェル・パルミジャーニは、地元の時計産業を救ったことで、フルリエの英雄とみなされている（NY Timesの記事を参照）。

　これら全てをひっくるめながら、パルミジャーニ・フルリエは、シンプルで複雑なデザインの非常に高品質の時計を淡々と作り続けている。そして彼らは、以前はSIHHとして知られていた、Watches & Wondersという展示会で、長年にわたり出展を続けているのだ。
　今年彼らの新作の中で最も高尚なモデルは、このトンダグラフのローズゴールドだろう。

　トンダグラフは、トゥールビヨン クロノグラフで、トゥールビヨンとしては興味深い珍しいブリッジがあり、左右に2本のネジで固定されている。時針と分針はスケルトン加工されており、9時位置のスモールセコンドは3時位置のクロノグラフ用30分積算計で相殺される。 直径43mm、厚さ13.4mmとやや大きいものの、文字盤側の要素の数と文字盤のギヨシェ装飾が、全体を意味のある構成とするのに大いに役立っている。

　この種の時計製造は、その歴史における先例に満ちている。そこには特に注目すべき点は何もない。時計に関して言えば、非常に高価である。最近では、2000万円もあれば、腕時計よりも心に響くものが多く買えるようになってきた。しかし、これはスイスの高級時計製造が決して安価なものではないということを伝えるものである。パルミジャーニ・フルリエは、パテック、ヴァシュロン、オーデマ ピゲといった御三家に代わる存在になることを目指して設立されたブランドだ。この20年間、パルミジャーニ・フルリエがその目標を完全に達成することができたとは思わないが、それは時計の品質を評価することとは全く別の問題だ。

　私はパルミジャーニ・フルリエが熱狂的な愛好家の間で話題になったことを覚えている年齢だ。パルミジャーニ・フルリエは、時計づくりにおける伝統的ブランドたちにも、十分に挑戦できる余地があると思われた時代だったのだ。
　パルミジャーニ・フルリエは、新進気鋭の企業ではないが、サンド・ファミリー財団から数十億ドルの支援を受けている。同社は、子会社（アトカルパ社、レ・アルティザン・ボワティエ社など）を通じて、業界に部品供給を行う最も重要なメーカーの1つだ。あなたが高級時計を手にするとき、その時計にパルミジャーニ・フルリエの関連企業が製造した何かの部品が使われているかもしれない。

　これらのことは彼らの時計を評価する上で必ずしも重要なことではないが、同時に私が非常に感心するのは、市場の風潮に合わせてあまり曲げようとしない会社の姿勢だ。彼らはパテック フィリップの5711の真似をしようとはしていないし、ポール・ニューマン・デイトナとなんとなく似ているような、パンダダイヤルの時計を生産しているわけでもない。確かにこれは、2000万円を超える時計だ。だがそれ自体のアイデンティティが、ずっと少ないものにだって費やしても良いのが腕時計という世界なのだ。

ブランド: パルミジャーニ・フルリエ（Parmigiani Fleurier）
モデル名: トンダグラフ（Tonda Tondagraphe）
型番: pfh236-1000200-ha1241 

直径: 43mm
厚さ: 13.4mm
ケース素材: 18K ローズゴールド
文字盤色: スレートグレー
インデックス: アプライド
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: エルメスのアリゲーターストラップ

キャリバー: PF354
 

機能: 時、分、スモールセコンド、トゥールビヨン、クロノグラフ、パワーリザーブ
直径: 29.9mm
厚さ: 7.6mm
パワーリザーブ: 65時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 29

価格: 2289万円（税抜）
発売時期: 発売中

詳細は、パルミジャーニ・フルリエ公式サイトへ。