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かつては特定の用途のために作られた時計だったが、現代のツールウォッチの文脈はより曖昧になり、機能と耐久性の高い魅力を備えた幅広い時計を含むように拡大、進化してきた。
優れたツールウォッチとは、たとえ使う予定がなくとも、与えられたタスクに対して何らかのデータや価値を提供しつつ、あなたについていくことが可能なタフなものであるべきだ。ダイバーがダイバーズウォッチを必要とし、パイロットがGMTを必要とし、潜水艦に時計を装着して海底に進路を取った時代から、道具としての時計という考え方が定着してきました。
ツール・ウォッチ・オブ・ザ・イヤーにノミネートするにあたり、2022年はスポーティで超高性能な時計にとって素晴らしい年であったため、非常に簡単な選考で済んだ。実際、ダイバーズウォッチに関して言えば、防水性の必要性に関しては、2022年は少し飛躍していたかもしれないとも言える。とはいえ、オーバーサイズでオーバースペックなダイバーズウォッチ、チタン製の驚異的な時計、あるいは冒険的なスマートウォッチなど、ツールウォッチにとってビッグ・イヤーだったことは確かだ。白熱した投票の結果、真のモダンダイバーにふさわしい小型モデルが、僅差で優勝を果たした。
受賞者:チューダー ペラゴス 39
2015年の発売以来、ペラゴスにとって最初の大きな進化となったペラゴス 39は、スタンダードなペラゴスの魅力の多くを受け継ぎ、より幅広いユーザーとよりオーソドックスな手首に適応させたモデルだ。ペラゴスのラインナップへの追加モデルである本モデルは、既存の500m防水のトリオをしっかり補完しつつ、オリジナルのプロポーションと機能を、クラシックなチューダー・サブが好きだけれど現代風にアレンジしたいという要望に対する「ちょうどよい」カテゴリーにダウンサイジングした。
ペラゴス 39は、39mm径のチタン製ケースに、同色のブレスレット(T-Fitマイクロアジャスト付き)とブラックラバーストラップが付属。ベゼルはサテン仕上げで、文字盤はブラック、大きなホワイトマーカーにチューダーの特徴であるスノーフレーク針、日付表示はなしでペラゴスのサインはレッドで配されている。チューダー製マニュファクチュールムーブメントと200m防水を備えたこのモデルは、ペラゴスとブラックベイ 58の成功した要素の多くを融合した、非常に魅力的なパッケージであり、大衆にアピールするための進化なのである。
僕のように、フルサイズのペラゴスが似合う手首でない人は、39に一票を入れるべきだろう。
ペラゴス 39が十分な票を獲得したことにはまったく驚かない。興味深いのは、このレースがいかに接戦だったか、そしてそれがチューダーにとっての2022年という年について何を語っているのか、ということだ。
次点:GMTとグリーンダイヤル
次に票を集めたのは、わずかな差で並んだチューダー ブラックベイ プロで、正直なところ、僕にはそれがよくわかる。BBプロは、古典的なロレックスのスタイリングを持つ本格的なSS製の39mmフライヤーGMTであり、既存のブラックベイファミリーよりも冒険と旅行に適したものへとコレクションを拡大した。BBプロは2022年の初めにWatches & Wondersで発表され、それ以来、多くの手首に装着されている。今回、新型ペラゴスに敗れたはしたものの、ロレックスの新モデルよりも多くの票を集めるという快挙を成し遂げている。
そう、次に票を獲得したのはグリーンブラックのカラーリングで、リューズも日付表示も左側にあるロレックス GMTマスター II の新作126720VTNRである。Watches & Wondersで発表される前に、GMTマスターのこれほどの進化を予想した人はいなかったと思うが、左利きの人も、手の甲にリューズを近づけたくない人も、新しい126720VTNRは、非常に需要の高い時計の新しい仲間として人気があることが証明された。
また、ペラゴス 39のすぐあとには、スティール製でグリーンダイヤルを採用したシーマスター プロのもうひとつの素晴らしいモデルだ。3月にマイアミで開催されたイベントで発表されたこのシーマスター ダイバー 300Mは、ウルトラディープの陰に隠れてしまったかもしれないが、オメガが300Mの新しいカラーとバージョンをラインナップに追加し続けている事実は、この投票数が物語っている。特にグリーンのラバーストラップは格好の買うべきアイテムだ。
さらに深海へ
ロレックスやチューダー、そして他のスイスブランドだけでなく、日本とアメリカからも今年のツールウォッチにはエントリーがあった。グランドセイコーは、スプリングドライブムーブメントを搭載した43.8mmのチタンダイバー、SLGA015「ブラックストリーム」で、黒潮の海をイメージさせる華麗な文字盤パターンで票を集めた。200m防水とグランドセイコーの特徴的な仕上げにより、ツールウォッチの理想をエレガントに表現し、ハイエンドダイバーズウォッチにチタンを使用したひとつの例となった。
チタン製のダイバーズウォッチとはまったく異なる、Apple Watch Ultraも候補に上がった。従来の定義にとらわれなければ、ツールウォッチとしての特徴を多く備えていると言えるだろう。その多彩な機能とハイエンドなスペックは、冒険的な意図とダイブコンピューターとしての機能を兼ね備えている。睡眠記録や歩数カウントから、スルーハイク、スキー、ランニング、さらにはスキューバダイビングまで、あらゆる用途に対応する能力を持つAppleの最新トップスペックウォッチは、価格に対して最もツールらしい製品かもしれない。
もう少し伝統的な何かを探しているなら、ブライトリングはこの夏、彼らが長年ラインナップするスーパーオーシャンラインにツールウォッチテイストをミックスし、サイズ展開豊富に(36、42、44、および46mm。彼らは結局ブライトリングなのである)でデザインを提供している。スティール、ツートン、さらにはブロンズの選択肢から、これらの新しいスーパーオーシャンは力強いラグ、くぼんだダイヤル、過去からインスピレーションを得た、判読性の高いユニークな分針デザインが特徴だ。300mの防水性、ブライトリングの自動巻きキャリバー17、そして豊富なカラーオプションなどなど、最新のスーパーオーシャンがリストに選ばれた理由は難しいことではないのだ。
他にも日本製時計のオプションである、シチズン アクアランド JP2007-17Wは、北米では販売されていないが、僕はそれを指名する。この時計は2022年の僕の絶対的なお気に入りの時計のひとつであるため、ランキング上位に投票した。このリストにあるどの時計よりも、ツールウォッチとしての完成度が高いと思っている。ダイバーズウォッチに夜光ダイヤル、ケースサイドから突き出た水深センサー、そしてユニークでつけやすいのに大きくてごつい、アナデジらしい時計だ。しかし、僕はこの奇妙に身につけやすい、完全にオタクテイストな時計が大好きなのだ。もしあなたが、時計というより道具のように感じられるものが欲しいなら、この風変わりで愛すべきシチズンをおいて他にない。
フル装備の場合
最後に、2022年のツールウォッチレビューの締めくくりとして、タブーを無視することはできない。というか、それはふたつある。オメガ シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープとロレックス ディープシー チャレンジである。驚くべきことに、これらのディープダイバーズウォッチは、どちらも今年発表されたものなのだ。ウルトラディープは3月に6000m防水で発表され、ディープシー チャレンジは1万1000m防水を引っさげて11月に登場した。
どちらも腕時計というより潜水艦に近いかもしれない、巨大かつ、やりすぎなほどの技術的成果なのだ。このふたつの時計は、オメガとロレックスがダイバーズウォッチのアイコン、防水性(とそれをテストする能力)、海洋探査(過去と現在の両方)という点で成し遂げたことのトロフィーとしての役割を担っていると僕は考えている。
しかし、サイズ、価格、そして(Hodinkeeの編集者を含め)誰も水中でこれほど深く潜る必要がないことを考えると、このふたつの極端なダイバーズウォッチの順位がかなり深かったこと(深海)に驚きはない。しかし、このふたつのボトムタイマーは、ダイバーズウォッチにとって実に興味深い時代を象徴しており、どちらも2022年においての大きな発表となった。
ツールウォッチな一年だった
2022年を振り返ると、デジタル、チタン、ウェアラブル、あるいはまったくそうでないものなど、ツールウォッチの現代的なテイストによって、少なくとも部分的には定義することが可能だ。ツールウォッチには実に様々な形があり、そのコンセプトは、どんな時計でも冒険的な使用に耐える時代では少し飽きられているかもしれないが、このジャンルは魅力と規模の両方で成長を続けてきた。
2023年にチューダーがチタンとGMTの両方を同じ時計に搭載するのであれば、僕はそれに大賛成だ。
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