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Hands-On チューダー ブラックベイ ブロンズ スレートグレー文字盤

チューダーが発表した近年最高のスポーツウォッチのひとつに、スレートグレーバージョンの文字盤が加わった。

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チューダー ブラックベイ ブロンズのダイバーズウォッチが世に出てから約3年になるが、その間我々が目にしてきたバリエーションは、文字盤がマットブラウンでベゼルインサートがブラウンのオリジナルバージョン、スイスに拠点を置くリテーラーのブヘラを通してしか入手できない、青い文字盤とそれに合わせた青いベゼルインサートのバージョン、そして2017年の「オンリーウォッチ」のために一度だけ作られた文字盤とベゼルインサートがカーキグリーンのレフトハンドバージョンの3つである。
さて、この度我々は、ブロンズケースに収まったブラックベイの最新版を目にする。ご覧のとおり、美しいスレートグレー文字盤と、それに合うベゼルインサートが採用されている。素晴らしい外観であり、これはバーゼルにおいてチューダーの予想外のヒット作となった。

我々がこれまで目にしてきたブラックベイ ブロンズモデルの中で、おそらくこれが最強の訴求力をもつ本流となると私は思う。ブラウンやブルーのバージョンも素晴らしかったが、悪くとらないでもらいたいのだが、それらは、その色調のせいで訴える力に限界があったように思うのだ。 我々がここで目にしている新たなスレートグレー文字盤は、ただただ率直に素晴らしいと言える。
スティーブン(Stephen Pulvirent)はこの腕時計を初めてバーゼルから紹介した際に、多大な称賛の言葉を並べたてた。私にはこのスレートグレーバージョンは、強い日差しでできたような絶妙なグラデーションが、適度に年月の風格を帯びた黒い文字盤のように見えるのだ。縁をゴールドで囲んだ目盛表示やインデックス、ゴールドの印字に、これほどしっくりくる文字盤の色もないだろう。そして真新しい状態のブロンズケースも素晴らしいと思うのだが、このケースが年月を経るごとに文字盤と同じように風格を帯び、ますますよくなっていくのが容易に想像できる。

これまでのブロンズバージョンのブラックベイと同じく、我々が目にしているものは43mmのケースに収まっており、これは私が着ける腕時計のサイズとしては大きいほうのリミットなのだが、もちろん却下するまでには至らない。ブロンズという素材には何かがあり、私にとって、大きなケースサイズの方がなぜかしっくりくるのだ。私の中では工具や器具と結びつく素材であって、上品なサイズのブロンズ腕時計というと、何か滑稽に感じてしまう。私はこの腕時計を、例えば一番お気に入りのチューダー  ブラックベイ フィフティエイトの、39mmサイズで見てみたいだろうか? ぜひとも。しかし私はこのブロンズ時計がほんのわずかでも今より小さくあって欲しいと思うだろうか? いや、別に。

ケースバックはシースルーではないが、だからといって中の機械について議論を飛ばすわけにはいかない。非常に精密な自社製自動巻きムーブメントのキャリバーMT5601を採用しており、70時間のパワーリザーブがあり、シリコン製ヒゲゼンマイを搭載している。この時点で、チューダーはある程度の垂直統合を成し遂げており、そのムーブメント作りは特筆に値する。もちろん、コレクションのなかには2824といったETAムーブメントに依存するモデルがあるが、チューダーは驚異的な速さでさまざまなサイズの時計にマニファクチュールムーブメントを加えてきている。

ケースはブロンズだが、ケース裏はブロンズ色のPVDコーティングで、ケースの他の部分とうまくなじんでいる。ブロンズケースをデザインする際に時計師がケース裏に別の素材を使うのは標準的なことだが、その素材がただのステンレスであることがよくある。これについて重箱の隅をつつくようなことを言わせてもらうなら、これは腕時計を外してじっくり眺めようとするときに、例えばシースルーバックからムーブメントを見るような場合に、視覚的に不快なものとなる。これはチューダーの腕時計であり、語るべきシースルーバックこそないが、しかしチューダーがブロンズケースに合うケースバックを作ろうという気になったことはうれしく思う。

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ストラップについては選択肢があるのだが、選ぶのが非常に難しい。スレートグレーの高級な布製ストラップと、ブロンズ製バックルのついたヌバックレザーストラップから選ぶのだ。どちらも外観は非常に異なるが、両者ともブラックベイ ブロンズの付属品以上のものになっている。私ならどちらを選ぶかと尋ねられると非常に困るのだが、敢えて選べと言われれば、おそらく布製のほうに傾くだろうか。 チューダーが調達してくる布製ストラップは、腕時計のストラップとして私が見てきた中では最高級品であったりするからだ。(我々は、フランスのリヨン郊外にあるチューダーのストラップ製作工場を昨年訪れた。こちらでその動画をご覧いただける)。

そしてもちろん、価格の問題がある。しかもそれが実に素晴らしいのだ。どちらのストラップを選んでも、39万9000円(税抜)で、チューダーのブロンズケースの腕時計が手に入る。そしてさらに、単なる自社ムーブメントというだけでなく、シリコン製パーツを用いたクロノメーター規格の自社製自動巻きムーブメントを搭載しているのだ。デザインに関しては、差し出がましくも私の感想としては、これまでのブラックベイの中のベストであると言わせていただきたい。 チューダーは本機に多くを詰め込みつつも非常に魅力的にまとめており、それに異議を挟むのは困難だ。

 ブラックベイ ブロンズのさらなる詳細についてはチューダー公式サイトへ。