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Introducing カルティエ 「タンク マスト」コレクション 1980年代のカラフルな「マスト」たちがカムバック

金色ではなく、全てのカラーで。

カルティエはRGBを駆使して、「タンク マスト」コレクションの3つの新しい時計を発表。1980年代に発売されたモノクロームの「マスト ドゥ カルティエ」へのオマージュとして、クラシックな「タンク」デザインをクォーツで再現した、モノトーンのカラフルなモデルだ。
*トップ画像: Maud Remy-Lonvis © Cartier

© Cartier

 ほとんどのブランドには、クォーツ危機をどのように乗り切ったかというストーリーがある(そうでないブランドは、思い出にありがとう)。カルティエの場合、そのストーリーは1970年代末に発表されたコレクションと密接に結びつく。そう、「マスト ドゥ カルティエ」だ。そこにたどり着くには、さらに遡る必要がある。1919年にメゾンがレクタンギュラーの腕時計を製造し、当時の伝統的なデザイン(ラウンドシェイプ)から離れ、今ではアイコニックなカルティエ「タンク」の誕生へとつながる。

カルティエ「タンク ノルマーレ」、1938年。

 それからの半世紀の間、カルティエはラグジュアリーという概念を体現していた。貴金属製の腕時計で知られるようになったのだ。それ以上に、カルティエへの旅は、それ自体が体験であった。
 しかし、時代は変わり、人も変わる。1940年代の消費者は、1970年代の消費者とは異なるわけだ。さらに、セイコーのようなブランドが、比類のない精度をもつクォーツ時計をわずかな価格で販売していたこともあり、最悪の事態を招いてしまった。その後、カルティエ家はメゾンを売却し、再編成して新たな道を歩むこととなった。

 ロベルト・ホック(Robert Hocq)氏とアラン・ドミニク・ペラン(Alain-Dominique Perrin)氏の新しい指揮のもと、「レ マスト ドゥ カルティエ」(フランス語で「これらのカルティエは必需品である」または「絶対に買わなければならない」という意味)が誕生。このモデルは、より財布に優しい(500ドルのタンクということ)カルティエをより多くの消費者に提供した。さらに、18Kゴールドやプラチナを使わない時計を初めて製造したのもこのモデルだ。

 このラインで最も人気があったのは、「マスト ドゥ カルティエ タンク ヴェルメイユ」ウォッチである。このラインには金無垢のケースはない。シルバーのケースにゴールドキャップ(ヴェルメイユの名の由来)を施し、貴金属の雰囲気を醸し出している。

マスト ドゥ カルティエ タンク ヴェルメイユ(1980年代)。

 当時の文字盤色は赤、青、黒の3色。これらのモデルが特徴的だったのは、(オリジナルのタンクのスタイルを踏襲しながらも)文字盤に真の意味でのミニマリストのアプローチを持ち込んだこと。このモデルにはマーカーがなく、全て色で満たされていた。針とマスト ドゥ カルティエのマーク、そして下部には "ドゥーブルC"(カルティエの意味)のスタンプがあるだけ。

 カルティエは、巻き戻しボタンを押して80年代に戻り、新たなカラフルな「タンク マスト」ウォッチを発表した(オリジナルのマスト時代を思い起こさせるコレクション名だ)。ヴェルメイユバージョンとは異なり、これらの時計はクォーツムーブメントを搭載しつつ、ケース全体がステンレススティールでできている。

© Cartier

 今回も同様にミニマルなスタイルが採用されている。実際、これまで以上にミニマルになっていると言える。ダブルCのアイコンと "must de"の文字は省かれた("must de "は文字数が多すぎたのだろう)。ダイヤル上にあるのは、カルティエロゴと時分針だけ(あと、忘れてはならないのは、下の方に小さくSwiss Madeと配されている)。

 今回の新作では、カルティエは3つのカラー ―バーガンディ、ブルー、グリーンの3色を用意。ラッカー仕上げが施され、金属文字盤のもつ豊かで深みのある表情を演出してくれそうだ。また、同色のアリゲーターストラップが付属する。

© Cartier

 カルティエでは、これらの時計のケースサイズを一般的に45mmのラージモデルと呼んでいる。ケースの形状からすると、とんでもなく巨大に聞こえるかもしれないが、腕に着けるときれいに収まる。しかし、この色とサイズの組み合わせがどのように機能するか、とても楽しみだ。厚みは6.6mmで、SS製ケースには、ブルースピネル(人工石)のカボションがセットされたリューズが付いている。

 この時計については、見ただけでは分からないことが多いのだが、それが重要なのだ。オリジナルのタンクや、80年代のモノクロームの「マスト ドゥ カルティエ」へのオマージュとして、この新しい「タンク マスト」は2021年に向けて色のパンチを効かせている。

Maud Remy-Lonvis © Cartier

カルティエ 「タンク マスト」ウォッチ: ケース 33.7mm x 25.5mm。厚さ6.6mm。サファイアクリスタル風防。クォーツムーブメント(8年寿命)。SSケース、ブルーのスピネル(人工石)のカボションがセットされたリューズ。3種類のラッカーダイヤル、それぞれボルドー、ブルー、グリーン。文字盤色に合わせたレザーストラップ。価格: 31万7900円(税込予価)。9月発売予定。詳細は、カルティエ公式サイトへ。