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Second Opinions コンビ時計はダサい!?ゴールドとスティールは格好良い組み合わせだ

コンビ時計は80年代のウォッチメイキングの象徴となり、やがてショルダーパッドや破れたジーンズ、ジャズダンスと共に廃れていった。しかし、我々のライターの一人は、それらを愛することを止めなかった。そして彼は、スティールとゴールドの新たな夜明けが近づいていると言う。


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こだわり派の時計愛好家が嫌がるものは多いが、中でもツートンカラーのコンビメタルは、4時半位置の日付窓と文字盤上の大量のテキストと共に、すぐ名前が挙がるものだ。しかし、多くの人々が好まなければ、ブランドはツートンカラーの時計を作っていない(そして、それを作り続けていない)はずだ。そして私も「多くの人々」のひとりだ。

 私はコンビ時計、ジュビリーブレスレットのロレックス デイトジャストを着けて結婚をした。それはイエローゴールドの結婚指輪にぴったりで、祖父が残してくれた時計だった(詳しくはこちら)。私は今でもそれを愛用している。コンビ時計について、人は色々なことを言う。はっきりしないとか。時代遅れだとか。しかし、醜いとは言わせない。

 私の中では、これらの時計は実はかなりスタイリッシュだ。実際、時計の50%がゴールドで作られていても、機能的なメリットはないわけで、スタイルが重要なのだ。

 「これはあなたのおじいさんのものではない 」ということわざがある。しかしながら、コンビ時計の場合、たいがい当てはまる。ステンレススティールとゴールドの魅力的な組み合わせは、おじいさんたちが購買力のピークを迎えた1980年代が全盛期だったのだ。誰もが金無垢の時計を望んでいたわけではないし、買えたわけでもない。実際、金の時計は引退の象徴であり、何かの終わりを象徴していた。ツートンカラーは? それは、あなたが現役だということ、つまりまだこれからだということを示していたのだ。

 もしあなたが本当にげん学的になりたいなら(我々は皆そうだ)、世紀の変わり目には早くもツートンカラーの懐中時計を見つけることができる。ロレックスは1930年代から40年代にかけて「コンビメタル」の腕時計を作り始め、その過程でそれはロレゾールと呼ばれるようになった。1970年代には、オーデマ ピゲ、ロレックス、パテック、ヴァシュロンなどが一体型ブレスレットのスポーツウォッチを発表し、スイスの時計業界では冒険的なデザインの加速が見られた。1980年代には、ツートンカラーは人気の絶頂期を迎えた。

 コンビ時計は、「ワークハード、プレイハード(よく働き、よく遊べ)」の物理的な体現であり、基本的にはその10年間のマントラのようだった。

 今週、トム・セレックと『私立探偵マグナム』について取り上げたが、マグナムがロレックスのGMTマスター 16750に象徴されたのに対し、セレックが当時私的に愛用していた時計はツートンのロレックス デイトジャストだった。『マイアミ・バイス』のドン・ジョンソンもツートン派。リチャード・ギアは、まあ...お察しの通りだ。『アメリカン・サイコ』では、ウォール街の銀行家で連続殺人犯のパトリック・ベイトマン(クリスチャン・ベール演じる)が、滅多に見られないリネンダイヤルのツートンカラーを採用したロレックス デイトジャストを着用していた。

 あの映画がなくても、デイトジャストはツートンを代表するモデルだろう。他の時計(ノーチラス、ロイヤル オーク、オーヴァーシーズなど)とは異なり、この時計はツートンモデルによって定義されている。デイトジャストはツートンのジュビリーブレスレットにSSとゴールドのコンビケースで、80年代が発祥ではないが、その10年を定義するようになった時計だ。当時からルックスの良い時計であるだけでなく、今日のヴィンテージウォッチの中で最高の価値をもつ時計でもある。これらの時計は現存する時計の中で、最も評価されていない時計なのではないか? 敢えて言おう、そうだ。

 しかし、クラシックなコンビモデルはこれだけではない。ゴールドのベゼルとツートンのサントスブレスレットを備えたカルティエのサントスを例に挙げてみよう。ケースの角張ったフォルムに加えて、70年代のデザイン言語を象徴するブレスレットが、ステンレススティールとゴールド(そしてリューズにはブルーサファイア)に融合されている。誰もその時計が醜いと、私に納得させることはできない。

 コンビ時計はまた、いくつかの象徴的なスティールのスポーツウォッチの人気を浸透させ、それらに新しい命を与えた。多くのコレクターは、これらの時計はノー・ツートンルールの例外であると考えている。私は、ブルーベゼルとブルーダイヤルをもつコンビのサブマリーナー、そして有名なロレックス GMTマスター ルートビアのことを言っている。私がSS製のサブマリーナーやGMTマスターをしていないとき(たまたま両方を所有し、好きである)それらのコンビバージョンは素晴らしい選択肢になる。

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 スティールは安全な選択肢だが、ゴールドもまた安全な選択肢だ。 しかし、どちらも一種類の素材にこだわる必要がある。選ばなければならない。 コンビなら選ぶ必要が無い。両方の世界のベストなのだから。

 ツートンカラーの時計を身に着けるということは、現在知られているほとんど全てのトレンドに逆らっていることになる。ゴールドがトレンド。スティールもトレンド。金属は、時計界のスキニーとバギージーンズに相当している。流行って廃れる。今現在、2021年になっても、ソーシャルメディア上でスティール製のスポーツウォッチの画像が氾濫していると、ある種の誇大広告と群集心理に振り回されないわけにはいかない。しかし、それは過ぎ去るだろう。そして、コンビはまだ残っているはずだ。余白の中で、流行に流されずに試してみようというコレクターを待っているのだ。

 これを分かっているブランドもある。そして、彼らの最近のコンビ製品は、私のお気に入りのコンボがカムバックしつつあると思わせる。

 まず、数年前にブラックベイ クロノのコンビモデルをリリースしたチューダーは、黒のベゼルとダイヤルにゴールドとスティールを合わせた。次は、スティール/ローズゴールドのコンビケースとブレスレットの新しいルートビア ロレックス GMTマスターIIだ。あなたは既にそれがコレクターアイテムになりつつあると感じるだろう。そしてそれは、ツートンカラーによるところが大きいと。

 かつてこのバイメタルの構成につきものだったキッチュさは、徐々に魅力に変化しつつある。アメリカはついに、コンビウォッチが値する栄光を取り戻す準備ができたようだ。その証拠に、アメリカの新大統領を見るといい。(いくつかの他の時計の中から)ツートンのセイコー クロノ7T32-6M90をよく身に着けているのが目撃されている。こう話している間にも、大統領執務室でコンビ時計が動いているのだ。

 私がコンビ時計をなぜこれほど優れていると思うか説明するとき、よくコントラストの話を持ち出す。ツートンカラーの時計は、見ているだけで面白い。ルートビアGMTは、ソリッドゴールドのゴージャスな時計でありながら、ツートンではないとそのポップさを失ってしまう。ロレックスはまた、ツートンで有名なデイトジャスト オイスタークォーツを作ったが、基本的にレトロな上にレトロだ。私のお気に入りは、優れたコントラストとハンサムな外観の、ブルーダイヤルのモデルである。

 嫌いな人にはこれだけは認めよう:ツートンは写真写りが悪い。ゴールドがスティールに対して不愉快なほど黄色く見えることがあるし、お揃いのゴールド(またはシャンパンカラー)のダイヤルの場合、レンズを通して撮影すると全体が非常にくすんで見える。これがソーシャルメディア時代のほとんどの時期に人気が出なかった原因だろうか。ツートンはインスタグラムのために作られたものではない。昔ながらの方法で楽しみ方を教えてくれる。つまり、リアルな世界で。

 最後にもう一つ。誰もがトロピカルな時計が好きだろう? しかし、あなたのヴィンテージ・サブやGMTパティーナのマーカーや針が、好ましい黄色に変色すると実際にはどうなるのか? 時計は事実上、ツートンカラーになってしまうのだ。次回、ソーシャルメディアのフィードをスクロールするときには、熟成された蛍光塗料のショットであふれていることを忘れないように。ツートンはツートンなのだ。色々な形があり - その全てが等しく、独自に美しい。