trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble
June 22, 2021
Editors' Picks 1980年代の腕時計の中から編集部のお気に入り10選

Editors' Picks 1980年代の腕時計の中から編集部のお気に入り10選

ウォッチメイキング史上最悪とすら評される80年代を体現する、愛でずにはいられない素晴らしい腕時計の数々。

ADVERTISEMENT

一般的に1980年代のスタイルは絶望的にダサいとみなされてきた。そして、現在でもこの見解は、根本的には払拭はされていない。だが、一般的な見方にだって欠点はあるものだ。そう、世間一般の見解というものは、月並みで退屈な先入感に過ぎないかもしれないのだ。 1980年代のウォッチメイキングから生じる特異性には、何か、愛でずにはいられない要素がある。我々は、この時代の腕時計の個性と遊び心が大好きなのだ。
 思い切りの良い革新を愛するのは自然なことではないだろうか。1980年代製腕時計を時代遅れのひと言で片付けることもできる。けれど、この特定の時代の腕時計製造業界でなければ発現し得なかった特異な視点をもったタイムピースなのだと言ってしまうことも十分可能だ。そして、この後者こそが我々の好む視点である。

 今回ご紹介するのは、我々のお気に入りの80年代ウォッチ10選だ。このリストは、1980年代の美学を反映している腕時計に対する我々の偏愛に基づいている。ただの格好良い腕時計が挙げられているのではなく、ここで選ばれているのは、全てが、 象徴的な腕時計だ。熱狂的な創意の時代を体現する腕時計のリストなのである。


10. オメガ コンステレーション・マンハッタン コンビモデル (1982)
Omega

Image: Omega

 ツートンカラー(コンビ)以上に80年代的なものはあるだろうか? 私には思いつくことができない。オメガのコンステレーション・マンハッタンは、クォーツムーブメント搭載の、小さなケースに収められた、美しく壮麗な金属工芸品だ (ダイヤモンドが使われているモデルも!)。実際、腕時計全体から素晴らしい雰囲気が醸しだされている。ちょうどピアジェのポロのように、オメガのコンステレーション・マンハッタンは、「ジュエリーウォッチとテニスブレスレットのいいとこ取り」といったカテゴリにぴったりと収まる。ブレアとかそんな名前の高校生が居残りの罰を受けた後、この腕時計を身に着けてバックハンドでテニスをプレーしている姿を、わたしは何故か思い浮かべてしまう。もしあなたのインスピレーションにこの腕時計が合ったなら、良いお知らせ。コンステレーションはまだ入手可能だ。製品ラインへの復帰は遅れてしまっているものの、この時計はまだ現役なのだ。

 –カーラ・バレット (Cara Barrett)


9. シチズン アクアランド C0023 (1985)
Citizen

 ダイバーズウォッチは、1950年代終盤の登場以来そのほとんどの部分において、これといった変化も無いままだった。ところが、1985年、 シチズン アクアランド C0023が状況を変えてしまった。 このたった1つの腕時計によって、デジタル表示の水深計が標準的な機能となったのである。水深計自体はアクアランドよりも前のダイバーズウォッチでも実装されていたが、機械式のもののみで、精度は決して高くなかった。アクアランドの登場により、ダイバーたちはようやく正確な水深を計測できる信頼性の高い腕時計を手に入れたのだ。水深の計測値をより活かすために、この腕時計のストラップには、NDL(無限圧潜水時間)がプリントされている。アクアランドのような腕時計のおかげでダイビングが一層合理的になり、安全性が高まったのである。数多くの人々の生命がこの腕時計によって救われたと言っても誇張ではないだろう。

コール・ぺニントン (Cole Pennington)


8. ホイヤー/タグ・ホイヤー 1000/プロフェッショナル・シリーズ
TAG

 ホイヤー製のスポーツウォッチは1980年代に高い人気を誇ったが、幾多の変遷を重ねている。ホイヤーは、資産売却でSIHHからレマニアを獲得していたピアジェに買収され、 さらにテクニーク・アバンギャルド (TAG) に売却されて1985年にタグ・ホイヤーとなった。こうした混乱の中、ホイヤー、そしてタグ・ホイヤーは、クォーツ式と機械式のダイバーズウォッチを製作。1984年に発売された1000シリーズとして知られる製品である (1000シリーズの詳細については Calibre11を参照)。ジェームズ・ボンドといえばロレックスやオメガ(そして時折セイコー)だが、タグ・ホイヤーも1000シリーズで007の御用達となった。ティモシー・ダルトンが、1987年の映画『007 リビング・デイライツ』でこの1000シリーズ ( 全面蓄光ダイヤルモデル) を使用したのだ。

 ジャック・フォースター (Jack Forster)


7. セイコー スピードタイマー・クロノグラフ 7A28-7000 (1983)
Seiko

「リプリー」モデル7A28-7000を基にした2015年の復刻版SCED035。画像: クリスティーズ

 イタリア人カーデーザイナーのジョルジェット・ジウジアーロ氏は、1980年代にスバルSVX を手掛けたが、他にも特筆すべき日本ブランドと協業し、いくつものアイコニックな製品を世に送り出している。そんな製品の1つが、セイコーのスピードタイマー 7A28-7000だ。シガニー・ウィーバー演じる最高にイカした宇宙ヒロイン・リプリーが映画『エイリアン2』(1986)で使用したことで有名で、アナログのクォーツ式クロノグラフのムーブメントを初めて採用した腕時計でもある。クロノグラフ操作用のボタンは、ケースの右側に突き出た、SFチックなブロック形状の部品上に配置。セイコーは、このモデルをSCED035というモデル名で2015年に復刻した。つまり、並外れた生命力を特徴とするエイリアン同様、この腕時計の命脈は未だ尽きていないのだ。

–  コール・ぺニントン (Cole Pennington)


6. ロレックス  コンビのデイトジャスト (1982*)
Datejust

 皆さんがおっしゃりたいことはよく分かる。言うまでもなくコンビのデイトジャストは1980年代以前から存在していた (実際その20年以上前から)。だが、メインストリームに乗ったのはゴールドカラーのベゼルに施された縦方向の溝彫りと、ツートンカラーのジュビリーブレスレットの組合せがアイコニックとなった80年代なのだ。TVドラマ『私立探偵マグナム』の主人公が使用していたのはロレックス GMTマスターだったが、その役を演じた俳優のトム・セレック氏は、コンビ・デイトジャストをその頃も現在も変らず愛用している。1980年代の映画『アメリカン・サイコ』で、快楽殺人を繰り返すバンカーのパトリック・ベイトマンもコンビのデイトジャストを使用していた。
 長年にわたってこのモデルは「おじいちゃんの時計」といった位置づけだった。しかし、私の個人的な考えでは、この腕時計は今も昔も、「80年代であるにも関わらず」ではなく、「80年代的であるが故に 」昔と変らずクールなのだ(記事「ロレックス ツートンカラー デイトジャスト物語」参照)。使用者が、ウォールストリートの大物実業家であろうと、ボカラトン市在住の定年退職者であろうと、同様にクールな腕時計なのだ。

–  ダニー・ミルトン (Danny Milton)

ADVERTISEMENT

5. IWC ダ・ヴィンチ パーぺチュアル・カレンダー (1985)
IWC

 1980年代には「時計製造史上初」の事柄が数多くあった。IWCのダ・ヴィンチにもそうした、自慢するに足る「史上初」がひと揃いある。この腕時計は、リューズで調整可能な初のパーぺチュアル・カレンダーなのだ。 伝説の時計師クルト・クラウスによって1985年に設計された本機のモジュールは、バルジュー7750をベースとしている。だが、この時計の最も1980年代らしい箇所は、曲線基調のケースデザインと球根状のプッシュボタンだと私は感じている。過去の (そして現在の!) ダ・ヴィンチについて、さらにはジャックが1週間使用してみた感想を読むにはここをクリック。

–  カーラ・バレット (Cara Barrett)


4. ウブロ ファーストモデル、別名:ザ・カレント・クラシック・フュージョン(1980年)
Hublot

 まさに1980年代の幕開けに生まれたウブロは、なめらかで眩い虚飾に満ちたこの年代を腕時計という形にしてみせた。 カルロ・クロッコ氏によって設立されたこのメーカーの社名は、フランス語で舷窓を意味する。ウブロの腕時計は、スポーティなラバー製ストラップが取り付けられられた贅沢なゴールド製で、当時大きな話題を呼んだ。ロイヤル オークやノーチラスといった腕時計が形作ったスタイルと緩やかに共鳴していたウブロ クラシック・オリジナルは、高級時計の既成観念を覆しつつ、古風な高級時計のイメージを新たに解釈し直したものだった。クォーツ危機後の象徴的な腕時計として、ウブロはそのブランド性 (現在はLVMHグループの重要な一部となっている) の全てをクラシック・オリジナルという基盤の上に構築した。今日、これ以上1980年代を感じさせる腕時計はほとんど無い。ただし、このタイムピースが醸し出しているのは、ウォールストリート的ではなく、ヨーロッパのジェットセット的な1980年代性である。

–  ジェームズ・ステイシー (James Stacey)


3. カルティエ サントス・ガルベ (1987)

写真:Hong Kong Watch Fever

 ゴールドは良い。オリバー・ストーンの象徴的な映画『ウォール街』の1987年の公開は、カルティエのサントスがデザインを更新して再登場したのと同じタイミングだった。丸みを帯び、輪郭がより滑らかになった新しいサントスは、サントス・ガルベと名付けられた。技術的仕様はともかくとして、マイケル・ダグラスが欲にかられた投資家の役を映画で演じた際に (粋なサスペンダーと共に) 使用していたことから、この腕時計は「ゴードン・ゲッコー」サントスとして知られるようになった 映画に登場したサントス・ガルベはゴールド製で、(やはり金無垢の) 独特なサントスのブレスレット付きだ。もちろん、ゲッコーはありとあらゆる高級時計を好きなだけ装着することも出来たはずだが、年月を経た富裕さから滲み出る洗練と一夜成金のギラギラとした自信との、完璧な融合に成功したのはカルティエだけだったのだ。

–  ダニー・ミルトン (Danny Milton)


2. ロレックス GMTマスター 16758 (1980)
Rolex

 ロレックス GMTマスターの歴史の最初期からゴールドモデルは存在していた。 そのため、過剰なまでに贅を凝らした祝祭と化した1980年代に、ロレックスのカタログに最高のゴールド製GMTが載っていたのは当然のことだった。ロレックス GMTマスター Ref. 16758は、私見では、1980年代の比類なき ゴールド製ラグジュアリスポーツウォッチである。 スティール製の16750モデルの貴金属版として、 16758にはゴールド製ケースに止まらず、同じくゴールド製のジュビリーまたはオイスターブレスレット (レザー製ストラップのバージョンも存在した) という豪華な仕様が用意されていた。また、風防は、プラスチック製ではなくサファイアクリスタル製だった。週末を過ごすアスペンの別荘との往復で異なるタイムゾーンを行き来しなければならないような場合に、最適なのがこの腕時計だったというわけだ。

 ジョン・ビューズ (Jon Bues)


1.カシオ 電卓機能付き時計
Calc

写真: Wikipediaコモンズ

 機械式時計の複雑さの全てを合わせてみても、 可能なことは比較的限られている。パーぺチュアルカレンダー、クロノグラフ、ムーンフェイズ、その他の機能には数え切れないほどのバリエーションがあるが、それぞれは基本的には同じことをしているだけなのだ。他方、電子式の腕時計に可能なことは、表示に関するテクノロジーと、設計を行うエンジニアやプログラマーの創意工夫次第で無限の広がりを持ち得る。電子式の多機能クォーツ時計の出現以前には想像も出来なかったもの。それは計算のできる腕時計だった。そして、カシオの計算機付き腕時計こそが議論の余地のない王者だった。今日でもこの腕時計は依然として80年代デザインの代名詞であり続けている。「どこに行っても便利に計算ができる、手首につけたマイクロコンピューターとお考えください」と、当時の広告が提案していた。確かに、ベゼルが計算尺となっていた機械式腕時計でもある程度の計算は可能だった。だが、カシオの計算機付き腕時計は、プッシュボタンの便利さを数多くの多様な人々の手首にもたらし、そして、オタクであることは恥ずべきことではなく名誉なことなのだという価値の転換を高らかに宣言したのだ。

–  ジャック・フォースター ( Jack Forster)