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大谷翔平選手は、2016年にセイコーのイメージキャラクターに起用されて以来、セイコーとのコラボレーションウォッチを数多く手掛け、また日常的にも同社の時計をいくつも着用しています。HODINKEEでも昨年末にドジャース入団発表に挑む大谷翔平選手が着用したグランドセイコーをご紹介しました。
史上最高額の10年総額7億ドル(約1015億円)でドジャース入りした大谷選手は、先月末、27日(日本時間28日)にニューヨークで開催された全米野球記者協会(BBWAA)ニューヨーク支部主催の「アワードディナー」に登場。ディナーのドレスコードはブラックタイということで、大谷選手は「BOSS」のアーカイブからネイビーのタキシードジャケットを着こなしていました。
大谷選手は普段通訳の水原一平氏を通して発言することが多いですが、この日のMVP授賞式では日本語なしで、2分6秒の全英語スピーチを披露し、出席した関係者やファンたち約600人から拍手喝采を浴びました。僕は大谷翔平選手のスピーチを見ながら常に彼の手首に注目していました(完全に職業病ですね)。そこにあったのはブラックダイヤルにブラックのレザーストラップの腕時計。キラリと光る感じからインデックスはゴールド色に見えました。
僕は気になってすぐにGetty Imagesにアクセスし、時計がよく写っている写真を探しました。するとすぐにニューヨーク・ヒルトン・ミッドタウンでポートレート撮影に応じる大谷選手の写真を見つけました。
この写真を見てすぐにどのモデルかがわかりました。昨年グランドセイコーから日本製腕時計の110周年を記念して発表されたSBGW295です。本作は、1960年に発売された初代グランドセイコー通称“ファースト”のオリジナルデザインを35mmから38mmにサイズアップして現代的に復活させたSBGW259を始めとするモデルの限定バリエーションで500本が作られました。
ケースにはグランドセイコーが得意とするザラツ研磨が施されたブリリアントハードチタンが採用され、ダイヤルは漆黒の漆と蒔絵によるGrand Seikoのロゴと12ヵ所のインデックスが特徴です。高蒔絵は金沢の漆芸家・田村一舟(たむらいっしゅう)氏が純金を用いてひとつひとつ手作業で描いています。
またストラップは、かつて武士の鎧兜を編み上げたのと同じ手法で裁断された、牛革と糸を平織りして耐久性を高めた生地、鎧織(よろいおり)が採用されており、日本の技術や伝統が細部にまでこだわり抜かれた1本です。
タキシードにドレスウォッチをあわせるのは王道ですが、僕はこれまでグランドセイコーをあわせるセレブリティはあまり見かけたことがありませんでした。大谷選手のシックなタキシードにこの漆黒のグランドセイコーファーストは本当にクールな着こなしですね。
大谷選手といえば、令和6年能登半島地震による被災地支援のため、ドジャースと共同で約1億4500万円の寄付を行いました。これは僕が深読みしすぎているだけかもしれませんが、金沢の職人が手掛けたモデルをつけているのはエールを送る意味もあるのかも…しれませんね。
All photos: Getty Images
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