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ルーヴルを手首に纏う

クリスティーズとの提携により、ヴァシュロン・コンスタンタンは、一生に一度の刺激的な体験と、唯一無二の時計のデザイン体験を提供している。

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年に100以上もの時計レポート経験をもつ、我々HODINKEE編集チームを驚かせるには、多くのことが必要だ。クレイジーなアイデア? これまでにいくつか見てきた。しかし、ヴァシュロン・コンスタンタンがルーヴル美術館とクリスティーズと提携し、落札者がお気に入りの、パリの有名な美術館にある芸術作品が描かれたエナメルダイヤルをもつ、カスタムメイドによる一点ものの時計をオークションに出品した。そして、その収益をルーヴル美術館のコミュニティプログラムのために役立てるということを知ったとき、我々はそのメッセージを信じることができなかった。

 ここで少し時間をかけて、その概要の全てを消化しよう。

 ヴァシュロン・コンスタンタンの特徴的なレ・キャビノティエプログラムは、マニュファクチュールの複数の美術工芸部門を活用しており、時計製造と同じ屋根の下でジェムセッティングやエナメル加工などを行っている。このプログラムは、ここ数年の間にも、メカニック・ソヴァージュラ・ミュージック・デュ・タンRef. 57260 ポケットウォッチ(これまでに作られた時計の中で最も複雑な時計)など、いくつかの重要な名作を生み出してきた。

 しかし、この最新の時計は、“カスタム”や“アーティスティック”な時計の概念を、全く新しい次元に押し上げている。クリスティーズのオンラインオークション(12月15日まで)の落札者は、パリとジュネーブの両方を訪れて、ルーヴル美術館のコレクションの中から好きなアート作品を選び、それを時計のダイヤルにエナメルで再現し、自分だけの小さな傑作として受け取ることができる。時計自体は、プラチナ、ピンクゴールド、またはホワイトゴールド製の40mmケースをもつ3針時計で、エングレービングが施されたヒンジ式オフィサースタイルの裏蓋が特徴だ(自社製のCal.2460 SCも確認できる)。しかし、注目すべきは言うまでもなくムーブメントではない。

 もし、我々がオークションで落札したら、こんな芸術作品を選ぶだろう:

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サモトラケのニケ - 作者不明

 もし、わたしがルーブル美術館の芸術作品をあしらった時計を買うとしたら、私はルーブル美術館らしい(言い方が悪いが)作品を選ぶ。モナリザは間違いなく選ばない − 目立ちすぎるし − それに、誰が彼女に1日中見られていたいと思う? 何かインパクトが必要だとしたら、サモトラケのニケようなものが良いだろう。

 ルーヴル美術館を訪れたことがある人なら、大勢の中にそびえ立つ巨大な大理石の像を目にしたことがあるだろう。それは本当に美しく(素晴らしい時計のように)、そして、これほど驚異的なものが、どうやって手作業で作られたのだろうかと考えさせられる。勝利の女神を象徴するこのヘレニズムの像は、時計にぴったりだ。理想は、わたし好みの砂のような質感のグリザイユダイヤルをもつスティールのものを選ぶだろう。でも、この時計は貴金属でしか手に入らないので、 わたしはおそらくプラチナを選ぶと思う。

– カーラ・バレット


皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式 - ジャック=ルイ・ダヴィッド

 僕は最も分かりやすいものを求めると思います。僕の妻はフランス文学の博士号をもっていて、僕たちは長年パリで多くの時間を過ごしてきたのですが、ルーヴル美術館の絵画の中で、僕ができる限り見るようにしているのは、ジャック=ルイ・ダヴィッドの「皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式」です。この絵は、いつも賑わっている(正直言って、それほど素晴らしいものではない)モナリザの角を曲がったところにあり、上のギャラリーに飾られています。幅約9.8m、高さ約6.1mの作品で、ナポレオン1世がノートルダム大聖堂で皇帝として戴冠する様子が描かれています。

 ナポレオン1世よりも、むしろ自分自身に戴冠させたいとローマ法王に告げるために必要な大胆さを想像してみてください。“いや、ピウス7世、僕はこれを持っています”と。この作品を約38mmの時計のダイヤルに収まるように縮小するのはおそらく不可能ですが、ヴァシュロン・コンスタンタンの巨匠にはチャレンジしてもらいたいですね。彼らがそれを実現させることができれば、パリへのチケット代も節約できますしね。

– スティーブン・プルビレント


天文学者 - ヨハネス・フェルメール

 時計のダイヤルのために有名な芸術作品を丹念に再現することを依頼するとしたら、アーティストにとっては極めて困難な作業になるかもしれない。僕に主旨を少し曲げるチャンスを与えてくれるのであれば(ルーヴル美術館のコレクションには含まれていない我が子を食らうサトゥルヌスルがあるが)オランダの素晴らしい芸術家ヨハネス・フェルメールの天文学者をミニチュア化した作品に着手して欲しいと思う。

 オランダの黄金時代に活躍したフェルメールは、その信じられないような、写真のような光とディテールの扱いで知られている(どれだけ信じられないかを知りたい方は、ドキュメンタリー映画『フェルメールの謎 ~ティムの名画再現プロジェクト』を見て欲しい)。さらに言えば、天文学者という作品は、机に座っている天文学者を描いたゴージャスな作品であるだけでなく、美術鑑賞に適したジャンルでもある。画像のバランスによって、作品を台無しにすることなく、針を中央に配置することができる − もちろん、窓からの光が素晴らしいのは言うまでない。

– ジェームズ・ステイシー

ルーヴルコレクションへの入札は、12月15日午前9時(アメリカ東部標準時)に締め切られる予定で、このヴァシュロン・コンスタンタンによるカスタム体験は、落札推定価格で10万~30万ユーロ(約1265万〜3790万円)となっている。収益は、ルーヴル美術館の社会的・教育的プログラムにも還元される。詳細はこちらをご覧ください。