Introducing ゼニス　クロノマスター リバイバル シャドウ 2020年新作

　ヴィンテージにインスパイアされた時計のデザインという、漠然とした概念にアプローチする方法は無限にあることを証明するように、ゼニスの新作クロノグラフ「クロノマスター リバイバル シャドー」は、過去の2つのモデルのベストを融合させた、非常にモダンな仕上がりとなっている。クラシックな37mmのサイズを除けば、このリバイバル シャドーは、同社の過去のクロノグラフの中でもあまり知られていないダークトーンを取り入れて、コレクション性の高い（そして最近復刻された）A384をモノトーンで表現した。

　本機のインスピレーションの源は、1970年にゼニスが製造を検討していた、ブラックPVD加工を施したクロノグラフにある。その時計は、1969年に発表した画期的なコラムホイール・クロノグラフキャリバー「エル・プリメロ」の後に発表する予定だった新作のプロトタイプだった。それは、一般的には珍しい黒塗りのスティールケースが採用されていて、ゼニスはこの時計のプロトタイプを何度か製作したものの、商業的に生産されることはついになかった。(HODINKEEショップのチームが、1970年代にブラックPVD加工を施したゼニスの一例を入手（販売）したことは注目に値する。そのリストはここから見られる)。このプロトタイプこそが、リバイバル シャドウの元となったのだ。

　オリジナルモデルの幅が41mmであったのに対し、本機は37mmとなり、スティールではなくマイクロブラスト加工を施したチタンを使用して、ダークトーンを表現している。このルックスは文字盤にも引き継がれており、ブラックをベースにグレーのサブダイヤルを配し、明るいアプライドマーカーと針を備えた。針はロジウムメッキ、ファセットカットが施され、暗闇でグリーンに光るスーパールミノバSLN C1でコーティングされている。

　本機はモノトーンでありながら、判読性にも問題はなさそうで（写真を見る限りでは全く逆）、グレーとブラックのミックスは一般的なオールブラックモデルと比較しても、より高度な仕上がりになっていると感じられる。黒文字盤に黒ケースというコンセプトは、SSケースと同じくらい一般的だが、下の写真のような質感と温かみのあるグレートーンのケースは、より気の利いた存在感を放ち、ストラップの選択肢の幅も広がる。クロノマスター リバイバル シャドウは、ダークな外観をもちながらも、様々な競合モデルの中で埋もれないよう十分なコントラストを提供している。

　クロノマスターである以上ムーブメントには期待せざるを得ないが、本機には自動巻きムーブメント「エル・プリメロ」のノンデイトモデルを採用している。5Hzで時を刻む「リバイバル シャドウ」のエル・プリメロ 4061ムーブメントは50時間パワーリザーブを誇り、他のクロノマスターにも搭載されているものだ。エル・プリメロ 400を搭載したA384リバイバルと比較すると、ゼニスの高性能なクロノグラフムーブメントのデイトなしを採用したのは、とても良い選択だったと思う（僕は4時30分位置のデイト表示が好きではない）。1969年の通常よりも小さいサイズとゼニスの美しい（日付なしの）エル・プリメロ 4061の美学がマッチし、既に人気のA384をほぼ戦術的に活用できたモデルとなっている。

　価格は88万円（税抜）で、特に限定生産ではないとされている（日本への入荷時期はまだ時期未定）。クロノマスター リバイバル シャドーは、ブランドのアイコンであるエル・プリメロのもう一つのクラシックフォーマットとして、スティール製A384リバイバルシリーズに加えられた新作だ。

ブランド: ゼニス（Zenith）
モデル名: クロノマスター リバイバル シャドー （Chronomaster Revival "Shadow"）
型番: 97.T384.4061/21.C822 

直径: 37mm
ケース素材: マイクロブラスト仕上げのチタン
文字盤色: マットブラック、グレーのカウンター
インデックス: アプライドのバー
夜光: 針、インデックスにSLN C1
防水性能: 5気圧
ストラップ/ブレスレット: ホワイトステッチの入った、ブラックコーデュラ・エフェクトストラップ、ケースと同じ仕上げのチタン製バックル

キャリバー: エル・プリメロ 4061
機能: 時、分、秒、クロノグラフ、12時間積算計、30分積算計
パワーリザーブ: 50時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 5 Hz (3万6000振動/時)
石数: 31

価格: 88万円（税抜）
発売時期: 日本入荷未定
限定: 限定生産ではないが、限られた数 

さらなる詳細は、ゼニス公式サイトへ。