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Editors' Picks 10万円以下で買えるギフトに最適な腕時計5選

プレゼントに最適な腕時計として、自分が贈るとしたらどんな時計を選ぶか、税込10万円以下で厳選の1本をそれぞれセレクト。

ホリデーシーズン目前のこの時期に、まだギフトを準備していない? 大丈夫。安心して欲しい。HODINKEE Japanのメンバーが10万円以下で手に入る、おすすめのギフトウォッチを厳選してみた。普段使いに重宝しそうな機能派から、あらゆるシーンで活躍するジェンダーレスなモデル、そしてこだわりが詰まった変わり種まで、個性豊かな腕時計を紹介しているので、「まだ何も決めていない!」とお悩みの方は参考にしてはどうだろう。意外にも10万円以下の手頃な価格で購入できるコストパフォーマンスに優れた腕時計というのは、探せばまだまだあることに気付くはずだ。


佐藤 杏輔、エディター
モンディーン stop2go(ストップ・トゥ・ゴー)コレクション

 10万円以下の価格で時計を贈るとしたら、何がいいか。時計好きの方向けならきっと機械式がよさそうだが、必ずしも贈る相手が時計好きとは限らない。そんな前提で選んだのは、モンディーンのstop2go(ストップ・トゥ・ゴー)だ。

 その名が示しているのだが、stop2goはスイス国鉄(SBB)のすべての駅時計に採用されている、秒針が58秒でダイヤルを1周し、12時位置で約2秒停止したのちに分針が1分進み秒針が再び動き始めるという、ユニークな“stop2go”機能を腕時計で再現した名作である。この時計のムーブメントはクォーツ式。といっても秒針は一般的なクォーツウォッチのような1秒ごとのステップ運針ではなく、機械式のようなスイープ運針方式を採用している。

 そのユニークな動きはもちろん、駅時計に採用されているくらいなので視認性が高く普通に時計としても使いやすいところも魅力だ。またホワイトダイヤルモデルには、時針と分針の裏側に蛍光塗料(スーパールミノバ)が塗布されていて、日中にダイヤルに当たった光を反射して蛍光塗料に光をチャージ。暗所ではその光がダイヤルに反射し、長短針の外周が発光するという、これまた変わった仕様になっている。シンプルな見た目とは裏腹に、実はこの時計でしかない唯一無二の特徴を持った時計なのだ。

リューズレスデザインのため、時間合わせはケース側面(3時位置) にある窪みを付属のプッシュピンで押して操作する。パッケージも何だかかわいい。

 相手の好みを想像しながら選ぶのも楽しいが、せっかくプレゼントを贈るなら話のネタになるもの、それでしか味わえないものがいいと筆者は常々思っている。その点、この時計は申し分ない。何しろ、“stop2go”機能はこの時計でしか採用されないのだから。ちなみにオススメしたい理由はそれだけではない。ファーストモデルは2016年に登場したが、2023年バージョンではリューズのないケースデザインが採用され、より“駅時計”感のある見た目になったのだ。

 さらに従来の41mmサイズ以外に34mmサイズが新たにバリエーションとして加わった。41mmモデルは男性がつける分には問題ないが、華奢な女性が(男性でも細腕の人は)つけるのは難しいだろうと懸念していたが、この新サイズの登場でそうした心配もなくなった。それだけでなく、例えばペアで贈るという選択肢もできるようになったのである。これは贈り物にぴったりじゃないか!

価格: 40mmモデル(レザーストラップ仕様)は9万9000円、34mmモデルは9万1300円(ともに税込)
そのほかの詳細は、モンディーン公式サイト


牟田神 佑介、エディター
セイコー 5スポーツ  GMTモデル

 人に物を贈るときは、どうせならそのプレゼントで何か新しい発見をして欲しいと思っている。その人が普段飲まない種類のお酒を送ってもいいだろうし、どこか遠い地へのトラベルギフトを送るのもいいかもしれない。自分では買わなかったかもしれないが、意外とよかった、なんて声を聞けると気持ちがいい。だから、10万円以下でプレゼントしたい時計、というテーマが発表されたとき、この時計が頭をよぎった。2022年に発売された、セイコー 5スポーツ SKX Sports Style GMT モデルだ。

 この時計はセイコーが海外向けに発売した逆輸入モデル、SKX007のデザインをベースとしたGMTウォッチで、直径42.5mm、厚さ13.6mmのケースに収められている。SKX007で1分刻みでドットが配されていた回転ベゼルはツートーンの24時間表記に変更され、視認性の高い赤いGMT針が堂々とセットされた。長らく愛されてきたSKXのデザインを壊さずに、GMT機能を搭載した采配は素晴らしい。いい意味でクセがなく、万人に受け入れられるルックスに仕上がっている。

 搭載しているムーブメントは、Cal.4R34。パワーリザーブは41時間で、GMT針を動かして第2時間帯を調整できる“Caller(コーラー)”GMT機能を搭載している、もちろん、時針単調整機能を備えた“Flyer(フライヤー)”GMTと比較する向きもあると思うが、この時計は上記の内容を5万2800円(税込)のパッケージで提供しているのだ。GMTウォッチとは何かを経験する初めての1本としては、十分だと思う。

 旅行需要の拡大を見越してなのか、今年は特にGMTウォッチのリリースが多かった気がする。この時計をセレクトしたのは、僕自身その流れを受けて気になっていたからかもしれない。だが、すでに3針、クロノグラフ、ダイバーズとある程度のカテゴリを揃えていて、次の1本に悩んでいる誰かに渡すなら、タイミング的にもなかなかいい選択肢なんじゃないかと思ったのだ。もしこの年末、数年ぶりの旅行を検討している友人が周りにいたら、さりげなくこの時計を贈ってみたい。それがどこか遠い地への後押しへとなるのであれば、僕はうれしい。

価格: 5万2800円(税込)
その他の詳細は、セイコー公式サイト


松本 由紀、アシスタント エディター
シチズン NJ015 “ツヨサ”シリーズ

 私が選んだのは、今年の9月に日本上陸を果たした(5月にアメリカで先行発売していた)シチズンコレクション NJ015 “ツヨサ”シリーズだ。10万円以下でプレゼントに最適な時計という切り口を聞いたとき、パッと頭に浮かんだのがティソ PRX 35mm(調べたらギリギリ10万円を超えていた)とこのシチズン NJ015だった。どちらもいわゆるブレスレット一体型SSウォッチで、特に意識はしていなかったが、このジャンルしか浮かばなかったあたり、最近気になっているんだと思う。

 本モデル最大の魅力は6万3800円(税込)~という、大変リーズナブルな価格だ。ブレスレット一体型の3針機械式時計のなかで、最も手ごろだと言えると思う。先ほど名前を挙げた同カテゴリのティソの価格は、シチズンのおよそ1.6倍する(もちろんその分パワーリザーブ、防水性などはティソのほうがスペックは上だ)。

 アメリカではブラック、ブルーダイヤルのベーシックなカラーもあるが、日本ではグリーン、イエロー、ライトブルー、ブルーグラデーションダイヤル、そしてブラックダイヤル&コンビの5種類のみが展開している。手ごろな機械式時計を探している時計初心者にはプレゼントしやすい値段だし、時計愛好家には個性的なカラーウェイで遊べるセカンドウォッチとしてもおすすめしやすい。
 この記事でも語られているとおり、“誰かがこれを初めての機械式時計として手に取ったら、カジュアルでもそしてよりドレッシーなシーンでも、当然のように活躍している姿が目に浮かぶ”。

 私のお気に入りはグリーンダイヤルだ。単に緑色が好きという理由と、イエローやライトブルーよりかは扱いやすいのではと思ったからだ。もちろん、手に取りやすい価格なので何本購入してもいい!

価格: SSモデルは6万3800円、コンビモデルは6万6000円(すべて税込)
その他の詳細は、シチズン公式サイト


和田 将治、Webプロデューサー/エディター
バルチック エルメティック ツアラー

Photograph by Mark Kauzlarich

 近年、マイクロブランドの台頭によって、10万円以下の価格帯でも非常に魅力的な選択肢が増えてきました。時計愛好家やマニア向けだけでなく、機械式時計のエントリーモデルとしても手に取りたくなるブランドやモデルが増えているのはとてもうれしいことです。今回僕が選んだのは、2017年のキックスターターのプロジェクトを機に本格始動したフランス発の時計ブランド、バルチックから今年新たに発表されたエルメティック ツアラーです。

 バルチックは、1940年代〜1960年代のヴィンテージウォッチからインスピレーションを得たモデルを展開することで知られるブランドです。これまでセクターダイヤルのクロノグラフ、本格的なダイバーズウォッチからマイクロローター搭載のドレスウォッチまで幅広く手掛けてきました。エルメティック ツアラーは、ヴィンテージエレガンスを追求した同社初のフィールドウォッチです。

 ケースは直径37mm、厚さ10.8mmのスティール製で、ラグ・トゥ・ラグ(全長)も46mmと非常に着けやすいサイズ感です。リューズがケースと一体化したデザインとなっていることもこの時計の快適性を上げてる要因のひとつです。防水性能は150mを備えており、仕事へ行くときや子供を公園に連れて行くときのような日常使いから本格的な冒険まであらゆるシチュエーションで使える1本です。

Photograph by Masaharu Wada

 内部には、Miyota製の自動巻きCal.9039を搭載しています。パワーリザーブは約42時間と短いですが、信頼性の高いムーブメントです。バルチックが手頃な価格で手に入れることができる理由のひとつでもあります。巻き上げ効率は悪くないため、普段使いにおいてはそれほど心配する必要はなさそうです。

 カラー展開はグリーン、ブルー、ベージュ、ブラウンの4色(個人的にはベージュがお気に入りです)。文字盤の外周にはブラックにホワイトのレイルウェイトラックが印刷されたチャプターリングが配されています。チャプターリングと内側のダイヤルの両方についているスティールのベベルは、光を受けた時にキラッと光り絶妙なアクセントになっています。また、アプライドインデックスは夜光塗料で作られているため、とても明るく発光し、明るい場所でも暗い場所でも高い視認性を誇ります。

 ストラップは、ダイヤルと同色のトロピックストラップが付属。純正のビーズ オブ ライス ブレスレットも装着可能なので、あとから買い足して楽しめるのもポイントですね。

 エルメティック ツアラーは、バルチックが得意とするヴィンテージスタイルのデザインを全体的にとても使いやすいパッケージにまとめられたモデルです。きっと誰に贈っても喜ばれる1本になると思います。自分に贈ってもいいですよね。

 本モデルについての詳細はマークのハンズオン記事「新しいバルチック エルメティック ツアラーが、遅れつつも今年最高のリーズナブルウォッチのひとつに加わる」をご覧ください。

価格: 9万7900円(税込)
その他の詳細は、HMS Watch Store公式サイトへ。


関口 優、HODINKEE Japan編集長
LAARVEE(ラーヴィ) PEA001

 最近、めっきり腕時計が高くなった。慣れとは恐ろしいもので、100万円ですら安いと感じてしまうこの感覚麻痺は、他業種の人にはまったく理解されないものだろう。ああ、いやだ。一方で、僕はG-SHOCKラバーでもあって、毎月に近い勢いで手元に来る時計なのだが、いつだって心は新鮮なものを求めているわけで、最近入れ込んでいるのがこのLAARVEEだ。

 時計好きならば必ず目にしたことのある時計のデザインを巧みにオマージュし、こんな時計があったらなというイメージを具現化。LAARVEEは中国を拠点とするデザインユニットによって2021年に設立されたブランドで、この秋、日本上陸を果たした。ブランドとしてローンチコレクションとなるPEA001は、各国で完売が続いたそうで、日本ではKITH TOKYO、GR8、UNITED ARROWSのみで展開されているようだ。

 LAARVEEという名はフランス語の「C'est la vie」に由来しており、悩みを忘れて人生に起こるすべてをただ楽しむ、という意味が込められているそうだ。彼らがローンチモデルに選んだPEA001は、人によってはけしからん!と感じる向きもあるだろうが、個人的にはこうしたオマージュは大歓迎だ。加えて言えば、デザイン自体を思いつくことができたとしてもこの形状を工業製品として製造することは、想像するよりも遥かに困難だろう。そして、このデザインを具現化するために工夫が凝らされているのが分かるのだ。

 実際、ケース自体はやや縦長のオーバルに近い形状なのだが、それに被せるベゼルに流線を設けることで、時計全体が歪んでいるような錯覚を起こさせている。アルミベゼルは位置によって幅も異なり、印字される文字まで歪ませているあたりにこだわりを感じる。ガラスはもとより、文字盤もこの形にして見た目上のブレをなくしている。よくここまでパッケージできるものだと感心し、ダメ押しのように気づくのがこの時計が機械式であることだ。ミヨタ製の自動巻きを搭載しており、LAARVEEというブランドが単なるクォーツ製のファッションウォッチを作っているわけではないという、事実を再確認させられるのだ。

 彼らは優れた機械式時計を作っているわけではないし、そんなつもりもないだろう。日々過ごす上で楽しい気持ちになる装飾品をプロデュースしているのであり、よりエモーショナルなプロダクトにするための要素のひとつとして機械式という選択をしたのだと想像する。ひとつ伝え忘れていたのがこの時計の40×45mmというサイズで、縦長の形状もあってお世辞にも手首への収まりがいいとは言えない。ただ、そんなことよりもワクワクを与えてくれるこの時計は、気持ちをシェアすることのできるギフトとして最適だと思うのだ。

価格:7万1500円(税込)
その他の詳細は、LAARVEE公式サイトへ。