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Auctions 知られざるヴィンテージアイテムに焦点を当てた新しいオークションをランク形式で紹介

サザビーズで開催される“Rough Diamonds”オークションでは、前衛的なジュエリーウォッチや奇抜なデザイン、たくさんのダイヤモンドが出品される。今回はそれらの聖杯から異色な存在まで、ランク付けをした。

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2024年はオークションがもう少し楽しくなる年かもしれない。数週間前、サー・エルトン・ジョン(Sir Elton John)の豪華なコレクションについて話したが、今度はサザビーズが別の種類の時計オークションを開催する。

 4月8日にジュネーブで開催されるWatches & Wondersと同日に、初の“ラフ ダイヤモンズ(Rough Diamonds)”オークションが開催され、セールタイトルにふさわしい24本のヴィンテージウォッチが出品される。ダイヤモンド、ジュエリー、リングウォッチ、クルマの形をした小さなオーデマ ピゲなど、たくさんのものが登場した。

 サザビーズのセールス・ディレクターであり、“ラフ ダイヤモンズ”オークションのキュレーターを務めるマノン・ハギー(Manon Hagie)氏は、「人々はモダンウォッチや、スポーティなスティールウォッチに少し飽き始めていました」と語る。オークションの目標は、過小評価されているものや前衛的なものに焦点を当てることであり、価格帯もさまざまで2000ドル(日本円で約30万円)から10万ドル(日本円で約1515万円)と説明した。ラフ ダイヤモンズセールは、高級雑誌も発行している謎めいた若い“ウォッチコレクター集団”、ヘイストアウト(Heist Out)と共同でプロモーションされる。

 このセールでは、パテック、オーデマ ピゲ、ピアジェ、カルティエなど、誰もが知っているブランドが出品されるが、時計自体は少し異色だ。当初、ハギー氏はこのセールのために時計を探し出すのは大変だったという。

 「多くの時計は、さまざまな国から調達しなければならず、そのほとんどは個人からのものでした」と同氏。ハギー氏によると、セールのための最初のピースを手に入れることが一番難しかったが、彼女が言うには年配の女性からの出品が決まってからは、アイテムが増え始めたという。また最初の委託品が、ジルベール・アルベール(Gilbert Albert)がデザインした時計、それと揃いのネックレスと指輪というヘッドライナーであると判明したときにも助けとなってくれた。

 私はこの奇抜なジュエリーウォッチの傾向が一過性のものであることを心配している。ただ同時に、これらの時計のいくつかは本当に自由で楽しいので、あまり気にしていない自分もいる。

 いつもと違う種類のオークションのため、今回はプレビューも異なるアプローチで行おう。“聖杯”からちょっと変わった“異色の存在”まで、全24点をランク付けした。


聖杯
sotheby's rough diamonds sale vintage jewelry watches

ショパールのバングルとジルベール・アルベールがデザインしたパテックのセット。サザビーズのラフ ダイヤモンズセールのハイライトのほんの一例だ。

ジルベール・アルベールがデザインしたユニークなパテック フィリップと揃いのリング&ネックレス: ハギー氏によると、この作品は、アルベールがパテック フィリップのデザインを担当していた1960年代に、賞の展示会用に特注で作られたものだそう。ブレスレットは奇妙な形状のリンクで、エナメルと奇妙な真珠が輝いており、まるで世界で最も豪奢な魚の群れが生息する水槽の底のように見える。お揃いのネックレスとリングがアクセントだ。エスティメートは3万~5万スイスフラン(日本円で約505万~840万円)。

ショパール カフウォッチ ガーネットダイヤル: ハギー氏は、私たちが話をしたある日、これが彼女のお気に入りだと教えてくれた(しかし、それは毎日変わるとのこと)。これはスペイン人デザイナー、オーギュスタン・ジュリア=プラナ(Augustin Julia-Plana)によるもので、ガーネットのストーンダイヤル、手作業でのエングレービング、金粉をまぶしたトゥイズラー(に似たもの)がブレスレットとして機能し、磨き上げられたストーンボールは、豪華で美味しそうなキャプテンクランチのベリーのように見える。エスティメートは1万5000~3万スイスフラン(日本円で約255万~505万円)。


購入希望
vintage jaeger-lecoultre watches

ヴィンテージジャガー・ルクルトのリングウォッチと、JLCキャリバー101を搭載したエルメスのブレスレット。

ダイヤモンドセットのピアジェ、コーラルダイヤル: デザイナーのジャン=クロード・ギュエ(Jean-Claude Gueit)の大胆な手腕によるこのゴールドピアジェは、私が“ああそうだ、今年はサントロペで夏を過ごすんだ”というように、“夏”という言葉を動詞として使うような、どこか別の世界で身につけられるような気がする時計である。エスティメートは5000~1万スイスフラン(日本円で約85万~170万円)。

オーデマ ピゲ “バロック”アクアクリスタル: 変形したのど飴のような時計がたまらない。エスティメートは6000~1万2000スイスフラン(日本円で約105万~205万円)。

シトリンをセットしたジャガー・ルクルト リングウォッチと、JLCキャリバー101を搭載したエルメス ブレスレットウォッチ: 私はヴィンテージJLCが大好きだが、このふたつの60年代の時計はどちらも、この激動の時代におけるCで始まる某ブランドと同じくらい注目されるべきかを示している。エスティメートはそれぞれ3000~5000スイスフラン(日本円で約50万~85万円)と、2000~4000スイスフラン(日本円で約35万~70万円)。

オーデマ ピゲ コブラ“ロイヤル ハンジャル”: 今年の初め、ブランドのヘリテージ・ミュージアム・ディレクターであるセバスチャン・ヴィヴァス(Sebastian Vivas)氏と話をしたとき、彼はブランドアーカイブから過小評価されているデザインとしてコブラに言及した。それはジェラルド・ジェンタがロイヤル オークの1年前にデザインしたもので、メッシュブレスレットとスリムなケースが手首にフィットする。エスティメートは5万~10万スイスフラン(日本円で約840万~1685万円)。

オーデマ ピゲ “バンブー”: ピュアな80年代、私はオーデマ ピゲのバンブーが大好きだ。ジャクリーヌ・ディミエ(Jacqueline Dimier)によるデザインは、もっと評価されるべきである。エスティメートは8000~1万2000スイスフラン(日本円で約135万~205万円)。

ヘキサゴンシェイプのピアジェ ラピスダイヤル: エスティメートは8000~1万スイスフラン(日本円で約135万~170万円)。


ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ
audemars piguet car watch

ブルネイのスルタンの子どもたちのためにつくられたカーウォッチ。レゴでは物足りなかったのだろうか!?

エメラルドをあしらったクルマの形のオーデマ ピゲ: この“おそらくユニーク”(オークション用語のなかで私が最も嫌いな言葉のひとつ)な個体は、伝説的なデザイナーのジャクリーヌ・ディミエ(Jacqueline Dimier)とエマニュエル・ギュエ(Emmanuel Guiet)によってオーデマ ピゲのためにデザインされたもので、おそらくブルネイのスルタンの子どもたちのためにデザインされたものだ。もしあなたがスルタンの後継者なら、レゴやバービーは合わないのだろう。エメラルドを散りばめた蓋を開けると、マザー オブ パール文字盤が現れる。間違いなく、どの子どもも喜ぶだろう。エスティメートは4万~8万スイスフラン(日本円で約675万~1345万円)。

ダイヤモンドをふんだんにあしらったホワイトゴールドのオーデマ ピゲ: ディミエとギュエが何を考えていたかはわからないが、クレオパトラとマーク・アンソニー以来の豪華なデュオからの、もうひとつのマッシュアップである。最初はクォーツだと思っていたが、実際にはオーデマ ピゲの極薄手巻きCal.2003を使用しているので、“L.S.D.”(おそらく彼らが使用していたもの)へ昇格した。エスティメートは4万~8万スイスフラン(日本円で約675万~1345万円)。


異色の存在

カルティエ タンク アシメトリック “ミラノ エディション”: このカタログのなかでひときわ異彩を放つ、限定生産されたモダンカルティエ。なぜ“ラフ ダイヤモンズ”なのかは不明だ。エスティメートは4万~8万スイスフラン(日本円で約675万~1345万円)。


もし私がレッドカーペットを歩くならば
vintage patek and vacheron bracelet watches

もし私がティモシー・シャラメ(Timothée Chalamet)のようなタイプで、レッドカーペットによく出入りしていたら、喜んで身につけるであろう時計のひとつだ。

70年代のWG製パテック オニキスダイヤル: 少し派手になってきた。1970年代製のパテックの大胆なデザインは、ノーチラスですら控えめに見える。それが人気の理由かもしれない。私の好みではないがもしあなたの好みであれば尊敬しよう。エスティメートは8000~1万6000スイスフラン(日本円で約135万~270万円)。

ゴールドのヴァシュロン・コンスタンタン、タイガーアイダイヤル、シャルル・ド・テンプルブレスレット: レッドカーペットにふさわしいレトロフューチャーなブレスレット。エスティメートは4000~6000スイスフラン(日本円で約70万~105万円)。

ピアジェのWG製カクテルウォッチ: アメーバー型の蓋を開くと、とても小さな文字盤が現れる。エスティメートは8000~1万2000スイスフラン(日本円で約135万~205万円)。

バングルタイプのパテック フィリップ 4239: 冷静なピカソが金の延べ棒を成形してブレスレットにしたような、クールでキュービックな作品。エスティメートは1万5000~3万スイスフラン(日本円で約255万~505万円)。

ヴァシュロン・コンスタンタン “アトン”: エスティメートは1万~2万スイスフラン(日本円で約170万~340万円)。


控えめなもの
boucheron gold vintage watch

ドライバーズウォッチとタンクの中間に位置する、金無垢のブシュロン。

金無垢の1970年代製ブシュロン: 今回のラフ ダイヤモンズセールの時計の多くは、豪華で贅沢な祖父母が所持しているような感じがする。日焼けした革のような肌をした祖父母は、ゴールドのアクセサリーをたくさん身につけながら1日1箱タバコを吸い、93歳になってもなぜか元気だ。しかしゴールドブシュロンを中心としたこれらの時計は、選択肢のなかでも比較的地味な部類に入る。ここでは、ドライバーズウォッチと細長いタンクスタイルのケースが組み合わされている。エスティメートは5000~1万スイスフラン(日本円で約85万~170万円)。

パテック フィリップ 4138 ブレスレットウォッチ: エスティメートは1万~1万5000スイスフラン(日本円で約170万~255万円)。

DLCコーティングのピアジェ ポロ デイデイト: エスティメートは5000~1万スイスフラン(日本円で約85万~170万円)。

ジェイドとラピスを使ったピアジェ ブレスレットウォッチ: エスティメートは2万~3万スイスフラン(日本円で約340万~505万円)。


やりすぎ!
rolls royce corum watch

コルムのロールス・ロイスウォッチ。私はホイール付きのロールス・ロイスが好きなんだ。

ピアジェ ベータ21: ここ数年、何度かピアジェを褒め称えてきたが、ベータ21は私には合わない。ピアジェの超薄型技術とジュエリー製造のノウハウを融合させた、より優れたヴィンテージピアジェのデザインがいいのだ。エスティメートは1万~2万スイスフラン(日本円で約170万~340万円)。

ジェラルド・ジェンタ パーペチュアルカレンダー: エスティメートは2万~4万スイスフラン(日本円で約340万~675万円)。

コルム ロールス・ロイスウォッチ: ホイールとサンルーフ付きのロールス・ロイスが好きだ。エスティメートは5000~1万スイスフラン(日本円で約85万~170万円)。