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2ヵ月ほど前、サザビーズとジェラルド・ジェンタの妻イヴリン・ジェンタ氏が率いるジェラルド・ジェンタ エステートが、彼の最も有名な作品であるオーデマ ピゲ ロイヤル オークの50周年を記念し、ジェンタのオリジナルスケッチ100点を3回に分けてオークションで販売するというニュース(ジェラルド・ジェンタ個人所有のロイヤル オークが2022年5月にサザビーズで販売予定)をお伝えした。
そして今朝のことだ。2月24日、ニューヨークの午前7時過ぎに最初の「ジェラルド・ジェンタ:アイコン オブ タイム」(Gérald Genta Icon of Time)の31ロットが出揃い、販売終了した。最初のロットは、1972年にジェンタが紙に水彩で描いた「オーデマ ピゲ ロイヤル オークのオリジナルプロトタイプデザイン」である。最終価格は? 56万4500スイスフラン、約7000万円だった。
私がオンラインオークションを積極的に見始めたのは、残り10分くらいがカウントダウンされるころで、その時点で入札額は35万スイスフランに設定されていた。残り6分、4分となり5万スイスフラン単位で2回ジャンプした。そして、残り時間8秒時点で45万スイスフランだったところに、ブザーバータービッドが入り、結局ロイヤル オークプロトタイプスケッチは56万4500スイスフラン、約7000万円で落札されたのだった。
サザビーズが事前にエスティメートを発表していなかったため、どの程度の数字が予想されていたのか正確にはわからないが、最近のオークションの例に漏れず、これらの合計金額は間違いなく印象的だ。しかし、このデザインはオークションの最初のロットであり、100のデザインのなかで最も重要であるため、私はこのデザインがもっと高い金額を記録してもおかしくないと感じた。
今日のオークションには実際の時計は出品されず、個々のデザインに対応するNFTを伴うアート作品そのものが出品されたことを忘れてはならない。そして、サザビーズが5月にジュネーブで競売にかけるジェンタの個人的(注:物理的)なロイヤル オークのエスティメートと比較すると、今回の結果はその50万スイスフランというハイエスティメートを上回るものでもあった。
オークション後、オーデマ ピゲに確認したところ、無事プロトタイプの水彩画を落札することができたそうだ。また、APは、このデザインが、2020年に完成した同社のビャルケ・インゲルス設計の印象的なミュージアムに、まもなく展示されることも教えてくれた。ロイヤル オークのストーリーのなかで歴史的に重要な作品なのだから、そこに収まるのは自然な感じがする。ジェンタの作品は、これからスイスのル・ブラッシュにあるAP本社を巡礼する時計愛好家なら誰でも目にすることができるようになるわけだ。
このオークションは来月、香港(3月10日~24日)、ニューヨーク(4月13日~27日)と続き、「アイコン オブ タイム」オークション3部作が完結する。そして2022年5月、ジェンタの故郷ジュネーブで開催されるサザビーズによる年2回の「Important Watches Auction」で、ジェンタ個人のロイヤル オークが30万ドルから50万ドル(約3400万〜5700万円)のエスティメートで落札され、幕を閉じるのだ。
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「Gérald Genta Icon of Time」セールについては、サザビーズ公式サイトで詳しく紹介されている。
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