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オメガ スピードマスター ムーンウォッチはブレスレット派か、ストラップ派か?

これは誰もが直面したことがあるだろう。さて、3861 スピーディの楽しみ方について紹介しよう。


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我々愛好家が時計の趣味に目覚めて以来、時計を購入する意思決定の木は無数に枝分かれしている。なかには隣人のフェンスを破って家の敷地内に侵入した者もおり、HOA(不動産管理組合)との戦いが勃発し、その年の残りの人生を台無しにしてしまうこともある。しかし今のところ、それは重要ではない。大切なのは時計を買おうとするときに何が起きるかである。店に入ったり、ECプラットフォーム(我々だ)を見たりすると、それがそう単純なことではないことに気づく。

 そう、熱狂的なファンたちがストラップをだれでも簡単に手をつけることのできる仕事にしたのだ。ストラップのオプションがあれば、1本の時計が100とおりもの時計に変化する。チューダー ブラックベイ GMTを買いたい? ならテキスタイルストラップ、レザーストラップ、スティールブレスレットから選ぶことができる。簡単な選択だと言われる前に、まずはそれぞれを見てみよう。どれも見栄えがいい。ひとつはカラフルなベゼルにコントラストを加えるもの、もうひとつはヴィンテージの魅力をもたらすもの、そしてもうひとつは純粋なツールウォッチであるものだ。

Speedmaster

オメガ スピードマスター 3861、サファイア風防。

 要するに、“ストラップ vs. ブレスレット”という古くからの議論が、ますます複雑になっているということだ。何十年ものあいだ、この議論の中心に立っている時計を挙げるとすれば、それは間違いなくオメガのスピードマスター ムーンウォッチ、別名ストラップモンスターだ。

 スピードマスターは、“アイコン”という称号を主張できる、数少ない腕時計のひとつだ。それは単に認知度が高いだけでなく、“アイコニック”であるという事実以上の意味を持つ。つまりスピーディは、歴史に名を刻んでいるのだ。NASAの宇宙計画全体のタイムラインや、レーシングクロノグラフから月面着陸のパートナーになるまでを、いちいち説明する必要はないほどに。先週、ワシントンD.C.にある国立航空宇宙博物館を訪れた際、そこにはジェミニ計画で使われたゴードン・クーパー(Gordon Cooper)のスピードマスターが堂々と展示されていた。その時計はエネルギーにあふれていて、適切な文脈で見ることでそれがより強くなった。

Cooper Speedy

ゴードン・クーパーのオメガ スピードマスター。Image: courtesy of The Smithsonian

 クーパーの時計は薄いミラネーゼ風ブレスレットにつけられていた。特に現代のシーマスターがミラネーゼの所有権を得た昨今だと、これは私があまり目にすることのないオプションだった。“すごい。スピーディが1965年に認定されたとき、この時計はジェミニ計画の一部だったんだ”という高揚感が落ち着いたあと、私はストラップのオプションについて考え始めた。

 HODINKEEの一部であるスピーディは、会社のアイデンティティの中核を担っている。というのもヴィンテージ、モダン、その中間を問わず、スピードマスターをつけている同僚を数え切れないほど見てきたからだ。私がこれまでに会った人のなかで、この時計を所有している人の共通点があるとすれば、誰もが同じつけ方をしていないということだ。確かにブレスレットよりストラップがつけられたスピードマスターを多く見てきたが、私がこの趣味に興味を持つようになったのは、モダンなスピードマスター 1861のブレスレットが、その超90年代的な美学により、必ずしも垂涎の的ではない時代だったからでもある。

 ただし2021年、オメガがスピードマスター 3861(コーアクシャル脱進機を備えたマスター クロノメーター認定仕様にアップグレードされたムーブメントを内蔵していることから、この名がついた)を発表して、スピードマスターコレクションに数年ぶりの大きなアップデートを加えたことで状況が一変した。

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生産終了となったスピードマスター 1861の隣(右)に置かれた、スピードマスター 3861(左)。

 2021年のリリースでは貴金属のオプションもいくつか登場したが、この議論の目的のために、今回はSS製のスピードマスター 3861に限定する。それから2022年にムーンシャイン™スピーディが発表されたが...これはダメだ。

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スティール・オン・スティールのスピーディ
Speedmaster

オメガ スピードマスター 3861、ヘサライト風防。

 新たなスピードマスター 3861がもたらしたのは、本質的にブレスレットやストラップを購入する際の計算をより難しくすることだった。それはなぜか? というのも新しいスピードマスターのブレスレットは、後継モデルよりもはるかに優れており、おそらくこれまでに作られたスピーディのブレスレットのなかで最高のものだからだ(フラットリンク派には悪いけど、私は自分の意見を主張する)。

 では、この新しいブレスレットを調べてみよう。これはジュビリースタイルを思わせる5リンク構造で、42mmのスピードマスターなのに40mm(ファースト オメガ イン スペースを思い浮かべる)の時計に近い形で手首にフィットする。古いブレスレットはそれ自体が魅力的ではあるが、少し出っ張るきらいがあり、サイズが大きくなったように感じられる。

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アップデートされた5リンクブレスにつけられた新しいクラスプ。

 新しいスピードマスターのブレスレットも5リンクデザインを採用しているが、こちらは新鮮さと同時に時代を超越したものを作り出した。まず20mm幅からクラスプ側の15mm幅までテーパーがかっている(旧モデルは実質的にはテーパーがない)。クラスプは実際、デザインがより成熟していると感じる部分だ。さらに“OMEGA SPEEDMASTER PROFESSIONAL”と書かれたサテン仕上げのSSクラスプではなく、上部にオメガロゴを一体化させた、シンプルなストライプ模様が入っている。

 SSブレスレットは、やり過ぎになる可能性も十分にあった。オメガが過剰な設計をしていた別世界もあったかもしれない。しかしツイントリガーのエンクロージャーから、腕毛を巻き込まないという事実まで、すべてがうまく機能している。

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オメガ スピードマスター 3861、ヘサライト風防。

 この記事では、時計を何につけるかという難しい決断をどう下すかについて書いているため、まるでまだ選び足りないかのようにスピードマスターのブレスレットにもふたつのバリエーションがあることを指摘しておくべきだ。ヘサライトスピードマスター、すなわちプレキシガラス風防を持つスピードマスターを選択した場合、ブレスレットはすべてのリンクにサテン仕上げが施される。一方サファイア風防のバリエーション(サファイアでできたシースルーバックもある)を選ぶと、センターとスモールリンクはポリッシュ仕上げになる。ただ全体的な感触と装着感は、どちらのモデルも同じだ。


ストラップ、ストラップを忘れないで
Speedmaster

オメガ スピードマスター 3861 ヘサライト風防の、ブレスレットバージョンとナイロンストラップバージョン。

 現在のスピードマスターのラインナップには、SSモデル用のふたつのストラップオプションも含まれている(貴金属を選ぶとラバーも争いに加わるが、ここではできるだけ複雑にならないようにしたい)。最初の選択肢は、私がかなり過小評価されていると思うもの、そうナイロンストラップだ。上の部分は布製のテキスタイルで、下の部分はレザーでできている。また別のブラックパーツをもうひとつ加えることで、時計にほどよいコントラストが生まれ、SSとの組み合わせよりも文字盤がもう少し輝くようになる。

 これはすべてのオプションのなかで最もステルス感があると思う。レザーとDバックルによりラグジュアリーな雰囲気をもたせながら、かつてのベルクロストラップ(詳しくは後述)をほうふつとさせる、ツール的な要素も備えている。私はこれをリュクスなNATOと考えている。

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オメガ スピードマスター 3861、ヘサライト風防。

 しかしここからがおもしろく、また混乱もするのが、このテキスタイルオプションは現行のヘサライトスピードマスターにのみ提供され、102万3000円と(税込)いうエントリーレベルの価格が設定されているのだ。SS製ブレスレットのヘサライトはもう5万5000円かかる。

 また、サファイア風防付きのスピードマスターでのみ販売されているレザーという選択もある。これは最もクラシカルな感じがする。クロコダイルレザーストラップがブレスレットと同様に時代を感じさせる1861 スピーディとは異なり、この滑らかなステッチ入りストラップはモダンな要素をもたらしている。ブラックレザーストラップは、SSブレスレットに取って代わるストラップとして最適だ。オメガはこれをより高価なバージョンのムーンウォッチに限定している。間違いなく、このオプションのスピードマスターを誰よりも多く見てきた。

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オメガ スピードマスター 3861、サファイア風防。

 ブラックストラップのオプションは、税込で117万7000円だ(SSブレスのサファイアスピーディは税込で123万2000円) 。たとえ限定モデルでないとしても、この価格は理にかなっている。これがドレス用スピーディ、つまりブラックタイのムーンウォッチなのだ。正しいブラックタイウォッチは何かを語る前に、タキシード姿のバズ・オルドリン(Buzz Aldrin)がスピードマスターを着用している写真を探してみて欲しい。

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混乱を解く
Speedmaster

オメガ スピードマスター 3861、サファイア風防。

 ではまとめよう。現行のオメガ スピードマスターにはブレスレット、ナイロンストラップ、レザーストラップの3種類が用意されている。サファイアバージョンのブレスレットはポリッシュ仕上げがされているが、ヘサライトバージョンは完全にサテン仕上げだ。ナイロン製のオプションは、ヘサライトスピードマスターでのみ購入できる。対してレザーはサファイアスピードマスターでのみ購入可能だ。

 しかし、オメガがそれ以上の選択肢を提供していないとは思わないで欲しい。お好みのスピーディを見つけたら、オメガのNATOストラップ、さらにはNASAスタイルのオメガのベルクロストラップ(ムーンスウォッチに付けられているものに似ている)へと帰ってくることができる。もちろんスピードマスターにはどんなストラップを付けてもいい。それこそがおもしろさの半分だ。個人的には時々、単色で統一された時計の外観をレベルアップしてくれる、HODINKEEのトープリードストラップにつけている。ただこれは私の場合だ。スピードマスターは、何を作ってもストラップモンスターと呼ばれることがある。ゴードン・クーパーもミラネーゼブレスレットをつけていたし、もっと遊べるのだ。

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オメガ スピードマスター 3861、サファイア風防。

 これは何を意味するのか? どのスピードマスターを買うべきか、私は正確に言うべきではないだろうか? でもそんなことできなかったし、これからもするつもりはない。よくこんなアドバイスを耳にする。“ブレスレットの時計は必ず買って、ストラップはあとから買ったほうがいい”。確かにそれはいいアドバイスだと思う。しかし、ブレスレットを装着するつもりがない場合は? 5万5000円節約すれば、さらにいくつかのストラップが買えるかもしれない。

 すべては個人の好みだ。また、オメガはストラップとブレスレットの選択を難しいものにしているが、むしろ選択肢があることで、一生モノの大きな買い物について少しでも真剣に考えることができる。ナイロンからレザー、サテン仕上げのSS、ポリッシュ仕上げのSSまでどれも間違いはない。私個人としてはSSブレスレット派だ。しかし、この決断をみんなはどのように行うか知りたいので、以下のコメントで教えて欲しい。

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