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Introducing カルティエ 「カルティエ プリヴェ」「クロシュ ドゥ カルティエ」 新しい自社製ムーブメントを搭載 2021年新作

ベル型のクロシュは、カルティエの新しいパーティの華だ。

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クイック解説

ここ数年来、カルティエのプリヴェ コレクションは、愛好家たちのお気に入りの宝庫だ。プリヴェ コレクションは、カルティエの歴史上最もアイコニックなデザインを再考し、再発見するためのプラットフォームと言える。最近では、本当に素晴らしい タンク アシメトリック (かつてはロザンジュと呼ばれていた)が見事に復活したが、これは史上最もエキサイティングでシックなタンクウォッチのひとつであることは間違いない。しかし、それに先立つものとして、クラッシュに始まり、サントレやトノーなどがあった。プリヴェ コレクションの最新作は、前作に比べると知名度は低いかもしれないが、シックであることには変わりはない。また、クロシュは、熱心なカルティエファンの間では、熱狂的に支持されている。

Olivier Arnaud © Cartier

 「クロシュ ドゥ カルティエ」は1920年代にジュエリーウォッチ、つまりブローチウォッチとして誕生したと、カルティエはその独特なデザインについて説明している。このモデルの際立った特徴は、ベル型のケース(“クロシュ”はベルを意味する)の他に、ダイヤルを通常の位置から90°回転させ、XIIがリューズに隣接するようになっている点だ。服に留めていたブローチタイプの時計の多くがこの構造をもっており、時間を確認するために時計を持ち上げると、ダイヤルが正しい向きに見えるのだ。

 「クロシュ ドゥ カルティエ」は1921年に初めて腕時計となり(再びジュエリーウォッチとして)、1922年にカルティエはイエローゴールドで提供した。その後は、その魅力にもかかわらず散発的にしか登場せず(カルティエのアーカイブダイヤルを回転させることで、腕から外すと置時計として機能するようになった。2007年には再びYG製で100本限定の「カルティエ パリ コレクション プリヴェ」が発表された。そして今回、復活した「カルティエ プリヴェ」に登場したのだ。

プラチナにダイヤモンドがセットされた、スケルトンのCal.9626 MCを搭載した「クロシュ ドゥ カルティエ」。Olivier Arnaud © Cartier

 新作には、YGまたはピンクゴールド、プラチナの各バージョンに、手巻きムーブメントのCal.1917 MCを搭載したものと、スケルトンのムーブメントを搭載したものがある。これはCal.9626 MCで、このバージョンは発売時にはPGと、ダイヤモンド付き/無しのPtが用意されている。6つのモデルは全て、ダイヤルが通常の位置から90°回転している。つまり、ナイトテーブルやデスクに置いて、クロックとして時間を見ることができるのだ。

ファースト・インプレッション

 今の時代、「カルティエ  プリヴェ」に競合するものはないと思う。彼らが言うように、それはあるがまま存在する。しかし、そのあるがままの姿は、他に見られない高級時計製造の伝統と、デザインにおける卓越した知性の交わりを表すものだ。

 他のブランドがカルティエと同じことができないからといって、それを否定するべきではない。一例を挙げると、ジャガー・ルクルトは、カルティエにとって不可能であるだけでなく、むしろ推奨できないことを独自の方法で行っているし、その逆もまた然りだ。ランゲ、パテック、オーデマ......。どのブランドにも言えることだが、結局のところ、自社の立ち位置をよく理解し、なぜ人々が自分のところに来るのかを知っていることが重要なのだ。

 これは、ファンや愛好家に挑戦してはいけないということではない。しかし、それを成功させるためには、自分たちを定義するものが何であるかを真に理解する必要がある。カルティエは、「カルティエ  プリヴェ」において、この点を見事に理解していると思う(他のモデルでもそうだ。新しいマスト タンクウォッチは、意図も複雑さも「カルティエ  プリヴェ」とは似ても似つかないものだが、カルティエの真の歴史へ続くものであり、さらには、私たちが最近もっと必要としている楽しいものでもある)。

Olivier Arnaud © Cartier

 「クロシュ ドゥ カルティエ」は、ある意味、反逆の試みである。カルティエは確かに、日常的なラグジュアリー製品で利益を得ることができたろうし、その歴史の中では、生き残るために、あるいはより多くの顧客にアプローチするために、あるいは単に経済的な必要性から、まさにそのようなことをしてきたこともあった。しかし、「クロシュ ドゥ カルティエ」は違う。

 スペインにはホセ・ゴードンという人がいて、次の方法で牛肉を作っている -(牛本来の姿である)グラスフェッド(牧草飼育)だけでなく、生命への敬意と忍耐を反映した方法で熟成させており、利益を得られるようになったらすぐに製品を市場に出すようなことはしない。リシュモングループの稼ぎ頭であるカルティエが、「カルティエ  プリヴェ」で莫大な利益を上げているとは思えない。利益を上げているのは、第一にジュエリーであり、第二に(おそらく?)「ラブ」ブレスレットのような永遠に魅力的な商品であり、オランダの少年が親指で堤防の水漏れを支えた話のように収益を支えているのだと思う。

Olivier Arnaud © Cartier

 言い換えれば、必要とは言えないもので、確かにシニカルではない。しかし、それは美しく、自らの不条理さを心から受け入れることで、完全に愛すべきものであるだけでなく、デザインとしての必然性を感じさせるものとなっている。 「カルティエ  プリヴェ」全般、特に「クロシュ ドゥ カルティエ」について、カルティエの最盛期が終わったことを意味するのかは分からないが、ルイ・カルティエやジャンヌ・トゥーサンの下で起こった天才的なデザインの開花に比べれば、その最盛期は過ぎ去ったと言えるかもしれない。彼らはモダン・ジュエリーデザインにとって、絵画界のピカソやジャクソン・ポロック、建築界のミースのような存在だ。作品の中でそれらを扱うことも、回避しようとすることも、その意味に反発することもできるが、それらを無視すれば真剣に取り合ってはもらえない。

Olivier Arnaud © Cartier

 だが、私はそうは思わない。「カルティエ  プリヴェ」の爆発的な人気は、カルティエが良いものを見極めているからだと思う。こんなにたくさんの宝物をもっているブランドはないだろう。「クロシュ ドゥ カルティエ」は厄介だ。墓石のようにも見えるし、鐘のようでもあるが、そもそもそういう意味ではなかったかもしれない。時間は、私たちが限りある存在であることを思い起させるが、「クロシュ ドゥ カルティエ」が時間を具現化する方法は、私たちの中の何かが私たちよりも長く続くことを思い出させてくれる。そして、過去からの美しいものが我々を支えていると振り返ることは、最高のものがまだこれから来るかもしれないという希望のサインかもしれない。それは現在、我々にとって必要なことだ。

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基本情報

ブランド: カルティエ(Cartier)
モデル名: 「クロシュ ドゥ カルティエ」「カルティエ プリヴェ」(Cloche de Cartier, Cartier Privé)

ケースサイズ: 全て37.15mm×28.75mm
文字盤色: モデルによって異なる
インデックス: プリント。スケルトンモデルではムーブメントのブリッジがインデックスとなっている。
ストラップ/ブレスレット: モデルによって異なるブラック、グレー、ブルー等のアリゲーターストラップ。

Olivier Arnaud © Cartier


ムーブメント情報

キャリバー: クローズドダイヤルのモデルは手巻きの1917 MC、スケルトンモデルは9626 MC
機構: 時、分のみ
パワーリザーブ: 約38時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 19 (1917 MC) 、 25 (9626 MC)


価格 & 発売時期

価格: 320万7600円(1917 MC搭載のPG、YGモデル)、361万6800円(1917 MC搭載のPtモデル)、712万8000円(9626 MC搭載のPGモデル)、811万8000円(9626 MC搭載のPtモデル)、950万4000円(9626 MC搭載のダイヤモンド付きPtモデル)全て税込予価
発売時期: 2021年9月発売予定
限定:有り。1917 MC搭載の全モデル、世界で各100本。9626 MC搭載のスケルトンモデルは、PGとPtは各50本、ダイヤモンドをあしらったPtは20本。

詳細は、カルティエ公式サイトへ。