ADVERTISEMENT
いま街で最もホットなQ&A、The Conversationを今週もお届けしよう。今週は、HODINKEEの優秀な編集者たちが(冗談、みんな優秀だ)、過去2週間の目立ったコメントに答えてくれる。さて、サンダードームの超丁寧版とでもいうべきこのコーナーにどうか期待して欲しい。
カルティエは、「こんなのダメだ」と言う
ストーリー: カルティエ サントスで楽しむ1分間の至福の映像
コメント: 「専門家に質問したいのですが、時計のブレスレットとフェイスにあるネジについてです。これらに関してどんな経験がおありですか? 緩んだり抜けたりした報告はありましたか? あるいは機能的なものはありますか?」 - unce_turbo_997
レスポンス: ベゼルのネジは完全に機能的なものだ。ベゼルを固定するだけでなく、下の風防とガスケットに圧力をかけ、サントスの防水性を高めている。ブレスレットのネジは純粋に装飾的なもので、私見ではあるが、ツートンカラーのモデルでは完璧なアクセントになっている。ベゼルのネジをなくした時計を見たことはあるが、それはサントスではない。カルティエはブルーの243 ロックタイトを使って両方のネジを固定しているため、このネジがどこかへ行ってしまうことはまずないだろう。-マーク・ハックマン(Mark Hackman)
ホワイトアウト
ストーリー: ジェームズは、新しい白いダイヤルの時計を心のなかに迎える。
コメント: 「素晴らしい記事です、ジェームス。ほかのメタルブレスレットと比較して、ブレスレットの装着感はどうですか? 極地時計のラシュモア山に4つの時計を並べるとしたら、どれを選ぶでしょう? 極地時計のジョージ・ワシントンともいうべきエクスプローラーIIのRef.216570は、白地にオレンジのアクセントが特徴的で、エクスプローラーのなかで最も個性的なモデルです。また、視認性においてもラシュモア山の上にあるといえます」- ワイルドブルー94
レスポンス: B&Rのブレスレットについては、まだ実際に時計を触ったことがないので何とも言えないが(これは単なる紹介記事のため)、極地(白いダイヤルの)時計のラシュモア山というアイデアは興味深い。
僕のラインナップは、幸運にも所有しているエクスプローラーIIのRef.16570、スピードマスター アラスカプロジェクト、シルバー/ホワイトオパーリンダイヤルにブラックアクセントのパテック フィリップの初代5270g、そして短命に終わったオーデマ ピゲのロイヤル オーク 25554BAのホワイトダイヤルなどだろうか。4本の時計コレクションについて話すということだが…残りは3つだ。-ジェームス・ステイシー(James Stacey)
コードブレイカーズ
ストーリー: ローガンは、この新しいコード11.59のイントロで街(具体的にはル・ブラッシュ)に繰り出した。
コメント: 「APがネジを露出させない時計を作ったことは、本当にうれしかった…ケースバックを見るまでは。彼らはスチームパンクに抵抗することができないです。APのクラフツマンシップは、いつもどおり、洒落っけあふれるディテール、ディテール、とにかくディテールに現れています。しかし私は、スケルトンダイヤルにうんざりしているのです。年老いて目が悪いため、このようなデザインは、構造が見える一方で針や機能が判りづらくなっています。それがシースルーバックが人気の理由だと思っています」-オールドコサック
レスポンス: 洗練されたエレガンスにはそれに合う時と場所があるものだ。しかしそれはすべての時計が伝統的な3針ドレスウォッチであることを意味するわけではない。それならカラトラバを買えばいいのだ。ロイヤル オークはスポーツウォッチでもあり、コード 11.59はちょっとしたハイブリッドなのだ。コード11.59を発表したとき、APはタイム&デイトをほかの複雑な時計に混ぜてしまったことが、ひとつの失敗だったと思っている。もし、クロノグラフ、トゥールビヨン、ミニッツリピーターの3つのモデルだけに絞ったのであれば、このコレクションが当初のように混同されるのではなく、高級時計と複雑時計製造に焦点を当てたコレクションであることを示すことができたはずだ。とはいえ、コード11.59をAPの最も先進的なデザインと複雑機構のためのプラットフォームと考えるなら、私は鮮やかなブルーのブリッジとフライングトゥールビヨンを歓迎する。-ローガン・ベイカー(Logan Baker)
ローレライの名前に敬意を払うべき時が来た
ストーリー: 70年代のスポーツウォッチのディープカットとともに、B面をディスコの歌姫が楽しんでいる。
コメント: 「ノーチラスや ROは大成功を納め、なぜロレアートは失敗したのか、その理由を探ってみました。その原因は名前にあるのでしょうか? ジラール・ペルゴは、パテック フィリップやオーデマ ピゲに比べても、名前として不格好ではないはずです。おそらくロレアート(編註:イタリア語で大学卒業生、学士)は、ノーチラスやロイヤルオークほど名前として優れてはいないでしょう。なぜ、この時計を学士と呼ぶのでしょうか? 誰が学士の腕時計を欲しがるのでしょう? 海のような雄大なものと結びついたほうが、はるかに感動的なのに。ケリングに売却されたことも、助けにはならなりませんでした。この人たちは時計製造というものをまったく理解していない。GPとUNが不調になった瞬間に、彼らはそれらを捨てたです。グリーンダイヤルのロレアートは素晴らしい時計です。いつか十分に評価されることを期待しています」 - イエスマン
レスポンス: 結局のところ、これはブランドの認知度に帰結する。オーデマ ピゲとパテック フィリップはマスマーケットで認知されているブランドであり、ジラール・ペルゴは時計愛好家のあいだに存在するブランドである。私の友人であり、ローリーフェス(Rolliefest)の創設者であるジェフ・ヘス(Geoff Hess)が最近、ある時計が永続的な遺産として残るためには、ある基準を満たさなければならないと説明してくれた。それは、広く知られ、大勢のコレクターに瞬時に認識されること、デザインを称賛するような記憶に残るわかりやすいストーリーがあること、ほかのブランドがその時計をコピーしてくれること、などだ。私がこのロレアートに欠けていると感じるのは、広く知られたストーリーとデザインではないかと思う。また、ホールディンググループから独立して運営されている時計ブランドは、自分たちが伝えたいストーリーをコントロールしやすいと私は強く信じている。また、そのストーリーが発信元から直接伝わってくることで、顧客もより信憑性を感じることができるのだ。ロレアートの仮説はとてもおもしろい。この時計は、ダスティン・ホフマン主演の1967年の映画から名付けられたという推測もあるほどだ。そして、グリーンダイヤルのロレアートがスリーパー・ヒットであることは、私も同意見である。願わくば、我々がその言葉を広める手助けができれば幸いだ。 -マライカ・クロフォード(Malaika Crawford)
カスタマイズするか、しないか
ストーリー: Second Opinionsのエッセイのなかで、ニック・マリノはカスタムウォッチは素晴らしいものであり、もはやタブーではないはずだと論じている。クロイスター・ウォッチ・カンパニー(Cloister Watch Co.)はヴィンテージウォッチを愛情を込めてカスタマイズしているクーパー・ゼルニック(Cooper Zelnick)とともにTalking Watchesのエピソードを紹介しています。
コメント: 「今日論説を読んだばかりで、遅ればせながら(100件以上もコメントが)、この記事のなかであなたが見落とすべきではないと思われるコメントを残したいと思います。
まず、最も重要なことは、時計はジーンズでもAppleのガジェットでもなく(Appleはソフトウェアであるためにカスタマイズを許さないという意見もありますが、それはまた別の話)、時計には理由や伝統、歴史があるということです。昔からこのように作られてきたから、今もこのように作られているというように。21世紀の今、なぜこのままでなければならないのか、合理的な説明はできませんが、こうした価値観や手法は、ヨーロッパ人の精神に深く根付いているのです。傘の色からマカロンのレシピ、ダイヤルの数字まで、伝統と歴史は、なぜこれらの製品(とそれを作る会社)が何世紀にもわたって生き残ってきたのかに、大きく重い影響を及ぼしているのです。しかし、個性と消費の国であるアメリカに30年住んでいると、時計が自分のために作られたのではなく、自分より長持ちするように作られたものであることを受け入れるのは難しいことのように実感します。時計のデザインは、消費者の想像力に委ねられるものではないのです。それは、時計製造の長い伝統の産物なのです。
時計メーカーがパーソナライズを認めないもうひとつの理由は、真正性です。もしすべての人が自分の好みに合わせて改造できてしまったら、その製品が本当にオリジナルの製造者によって作られたものなのかどうかを確認することは、ほとんど不可能になってしまうからです。オークションハウスの専門家なら、あるユニークな時計が本当にそのメーカーで製造されたもので、購入者によって途中で改造されたものではないことを証明するのがいかにもどかしいことであるかを教えてくれるでしょう。パーソナライズを認めれば、模倣品が本物と見紛うほど簡単になるのです。ロイヤル オークなら何でもありというのなら、本物のロイヤル オークとは何なのでしょうか?
時計製造はファッションとは無関係であり、その対話に参加したこともないのです。時計は、科学的な物体であり、道具であり、芸術であり、私たちが守ろうとする遺産なのです」- ウィリアム・マセナ
レスポンス: まずはじめに、ウィリアム・マセナのような高名な時計職人が我々の話に参加してくれることは素晴らしいことだといいたい。たとえ意見が違ったとしても。ウィリアムさん、あなたのご意見に感謝したい。伝統と本物志向については、別のコメント欄の8ballさんが的確に指摘しているので、私は最後のポイントである“時計製造はファッションとは無関係”という主張に焦点を当てたいと思う。
失礼ながら(というか、本当に失礼だが)、この点に関しては、あなたの主張は不利かもしれない。腕時計は、実はファッションと切っても切れない関係にありmおそらく発明以来、ずっとそうであったはずだ。腕時計は、基本的には機能的な装飾品として身体に装着される麗しいものだ。洋服と同じように、流行り廃りがある。シャネルからグッチに至るまで、ファッションブランドによって生産されているのもポイントだ。
時計メーカー自身も、長いあいだ、自分たちのファッション性をアピールしてきた。アーカイブ・インスタグラマー、@adpatinaことニック・フェデロヴィッチ(Nick Federowicz)氏が提供するヴィンテージ広告をチェックしよう。
オメガの人々がファッションに興味がなかったのなら、1995年にシンディ・クロフォード(Cindy Crawford)をブランドアンバサダーとして選ぶことはなかったことだろう。ロレックスもスタイルに関心がなければ、ガーンライヒ(Gernreich)と提携することはなかった。APの広告が全体を要約しているように、時計は“自己表現の芸術”である。これが、我々の文化におけるファッションの役割に対する簡潔な定義でないとしたら、何がそうなのか私にはわからない。
とはいえ、私のエッセイとそれに続くビデオにまつわるすべての会話に感謝している。会話を始めること自体が目的であり、それを継続することがこの記事の目的なのだから。私自身も、純粋主義者が、工場出荷時のオリジナル時計に手を加えることに抵抗があることをよく理解しているつもりだ。しかし、我々はそれを止めるべきではない。
この趣味は楽しいものであるはずで、オーデマ ピゲが言うように、自己表現のアートであるべきだ。時計(あるいは洋服)に何ができて、何ができないかを決めるのは、誰にもできないことである。テイストは人それぞれ。たとえそれが自分でデザインしなければならないものであっても、好きなものを身につけようじゃないか。-ニック・マリノ(Nick Marino)
Shop This Story
HODINKEE Shopでは、ここで紹介したブランドの中古・ヴィンテージモデルを多数取り揃えています。こちらをご覧ください。
話題の記事
Business News LVMH、F1との10年間にわたるパートナーシップを発表
Introducing 国産初の腕時計にオマージュを捧げた、ポータークラシックとセイコー プレザージュのコラボモデル
Hands-On ノモス グラスヒュッテが新ムーブメント搭載のタンジェント 2デイトを発表