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Introducing クレドール 叡智II GBLT997 瑠璃色磁器ダイヤル

瑠璃色磁器ダイヤルを纏った、新しい叡智II。

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クイック解説

 セイコーのマイクロアーティスト工房は、時計愛好家の間ではよく知られた存在だ。同社の中でもごく少数の職人たちによって厳密な仕上げと手仕事が実践されている場所である。私は、2007年に工房を訪れたことを覚えている。当時の私はまだ、時計業界の新参者だったが、フィリップ・デュフォーという名前を知っているくらいにはなっていた。小さな工房に置いてある彼の写真を見つけたことで、私はスイスの中だけで行われていると思っていたこの工芸品の異文化間の可能性について考えるようになったのを覚えている。本当にスイスのフランス語圏だけのことだと思っていたから。

 マイクロアーティスト工房から生まれた製品の中で最も有名なのは、クレドールの叡智である。パワーリザーブ表示付きのシンプルなデザインで(叡智では文字盤に、叡智IIではムーブメント側に)、ごく小数生産で、セイコーの高級品に求められるシンプルながら高い完成度が特徴だ。最近取り上げた記事のとおり、彼らはグランドセイコーも手掛けている(詳細は記事「グランドセイコー 服部金太郎生誕160周年記念限定モデル SBGZ005とセイコー創業140周年記念限定モデル SBGW260」参照)。しかしクレドールは、私の心の中では、セイコーが時計の世界において何を成し遂げられるのかを最高の形で表現する場である。そして、発表されたばかりの見事なブルー文字盤の叡智IIは、クレドールを神格化するようなものである。現在、マイクロアーティスト工房では、グランドセイコーとクレドールの厳選された一部の時計のみが造られているわけだ。

 我々はすでに長きに渡って叡智IIについてお届けしてきた。これは2008年の初代叡智に続いて、2014年に登場したモデルである。オリジナルの叡智IIは、何度も近くで見て、ルーペの下でのチェックにも耐えられるよう設計されていた。コロナウイルスが蔓延する前、たまたま撮影のためオフィスに叡智IIが来た日があり、ジャック(・フォースター)は彼の大きなデスクトップモニターでいくつかの写真を編集していた。彼がズームインしていくと叡智IIの完璧な地板が続いていた。鮮明なブルーの文字、面取りされたエッジ、石の受けもそうだ。高級な仕上げが時計にとって何を意味するのかを理解する上で、私にとっては啓示的な瞬間だった。叡智IIのスプリングドライブCal.7R14は、目に見える欠陥は一切見られず、優れたカメラの非常に高い解像度での撮影にも耐えうる、世界でも数少ない時計の一つだろう。

ファースト・インプレッション

 これまでにもオリジナルの白文字盤の叡智IIについては、もちろん詳しくご紹介してきた。服部金太郎によって創業されたセイコーの、創業140周年(2021年)を記念して製作された今回のモデルは、手書きの瑠璃色磁器ダイヤルが特徴的だ。セイコーとクレドールが瑠璃と呼ぶ色に仕上げられている。おなじみのクレドールの“C”秒針や精密な時分針、アワーマーカーやクレドールの名前を手書きで表現している。

 叡智II Ref. GBLT997は、プラチナ950製のケースに収められており、サイズは直径39mm、厚さ10.3mmだ。叡智は知恵を意味する言葉だ。日本語が堪能な人に聞いたところ、“叡智”は美しい詩的な言葉で、深い知識を意味するそう。興味深いことに、日本の漢字には三つの書き方があることを教えてくれた。いずれも“知恵”や“知識”を意味するが、セイコーが日本語サイトで使っている“叡智”という漢字は、神に例えられるほどの偉大な知恵を意味している。

 ケースを裏返してみると、スプリングドライブ Cal.7R14を確認できる。叡智II同様に面取りされたエッジ、鏡面磨きが施された石の受け、青焼きされたねじなどは、セイコーの仕上げ技術の高さを視覚的に証明している。7R14は、他の時計に見られるような派手なバロック調の装飾はなく、レイアウトが比較的シンプルなため、ミスを隠すことは出来ない。

 このムーブメントの特徴の一つは、トルクリターンシステムだ。スプリングドライブは、繰り出し式の主ゼンマイからの機械的な力を利用しているため、パワーリザーブ最大時には必要以上のトルクで動作する。これは、取るに足らない量などではなく、約30%にもなる。7R14は、このエネルギーを回収してゼンマイの巻き戻しに利用することで、より効率性を上げ、60時間のパワーリザーブを実現した。主ゼンマイは、透かし彫りの桔梗をモチーフにしており、これはオリジナルの叡智IIと共通。9R02ムーブメントでは、同様のスプリングドライブキャリバーとも近しいものだ(しかし、こちらははるかに長い8日巻きのパワーリザーブを備えている)。

 純粋な美的レベルでは、この時計は歌っているように感じられる。信じられないほど深みのあるブルー文字盤と、白く光るケースの相対的な渋さがマッチし、独特の存在感を感じさせる。このマリアージュは、個人的に本当に惹かれるものがある。

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基本情報

ブランド: クレドール(Credor)
モデル名: 叡智II(Eichi II)
型番: GBLT997

直径: 39mm
厚さ: 10.3mm
ケース素材: プラチナ 950
文字盤色: ブルー
インデックス: 手書き
夜光: なし
防水性能: 3気圧
ストラップ/ブレスレット: クロコダイルストラップ


ムーブメント情報

キャリバー: スプリングドライブ 7R14
機能: 時、分、秒
パワーリザーブ: 60時間
巻き上げ方式: 手巻き
石数: 41
クロノメーター認定: 平均月差± 15 秒(日差± 1 秒相当)


価格&発売時期

価格: 600万円(税抜)
発売時期: 2021年1月22日(金)
 

詳細はクレドール公式サイトへ。