Introducing: ウブロ　クラシック・フュージョンオーリンスキ 40mm

クイック解説

　ウブロというブランドは、ストリートアートと時計の間に位置する。現代の重要なアーティストによって生み出された抽象的なコンセプトを、手首に装着できるものに変換しているのだ。クルズ=ディエズやサンブルーIIをご覧になれば、ウブロがいかにアートを時計に昇華させているかがお分かりいただけるだろう。このパターンを踏襲した最新の時計は、ポップミュージックのプロデュースも手がけるフランスの彫刻家、リチャード・オーリンスキーのアイデアによるものだ。

　40mmのクラシックフュージョンは、オーリンスキースタイルにリメイクされ、文字盤には彼の作品全体に見られるファセットが反映されている。ブラックとブルーの特徴的なカラーリングは、彼がよく使う色を彷彿とさせる。ムーブメント、リューズ、ストラップを除く時計全体がセラミック製で、機械で製造されたものではなく、まるで彫刻で作られたかのように見える。

ファースト・インプレッション

　クラシック・フュージョンは、80年代にカルロ・クロッコが貴金属とラバーストラップを組み合わせたことで、ウブロが現在のアプローチを確立したモデルだ（詳細は記事「ウブロ　クラシック・フュージョン 40周年記念モデル」参照）。しかし、新作のオーリンスキーは、クラシック・フュージョンのクリーンなデザインを活かし、遊び心のある質感で芸術的なタッチを加えているが、目立ちすぎたり、威圧感を感じることのない仕上がりだ。結局これはウブロであり、控えめな時計を作るブランドではないが、オーリンスキーのステルスなスタイルによって、その魅力をさらに高めているといえる。本モデルは限定モデルではないが、ウブロと人気アーティストとのコラボレーションにはよくあることだ。

　内部には、ウブロがイタリアの高級ブランド「ベルルッティ」とコラボレーションしたモデルにも採用したCal.HUB1100を搭載。SW300-1 をベースにウブロが仕上げた本ムーブメントは、スイス製レバー脱進機を眺めることができるオープンローターを備えている。インデックスと針は高度に鏡面仕上げが施されており、ファセットセラミックのマットな質感と相まってポップな印象を与えている。文字盤には夜光はない。また、クラシック・フュージョンの他のモデルに多く見られる日付表示もない。

　これらのディテールによって、文字盤の幻想的なファセットだけに集中することができるのだ。