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Introducing IWC パイロット・ウォッチ・クロノグラフ「トリビュート・トゥ・3705」

時計愛好家から人気を得る「ブラック・フリーガー」が、進化を遂げて現代にカムバック。

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クイック解説

伝説的なフリーガークロノグラフ・ケラミック(Ref.3705)へのオマージュを込めた2021年の新作、パイロット・ウォッチ・クロノグラフ「トリビュート・トゥ・3705」が世界一斉販売を開始する。

 遡ること四半世紀以上前、1994年に発表されたRef.3705。かつては世間の記憶から忘れ去られていたモデルであったが、現在は近年のIWCの歴史の中でも最も入手困難なモデルの1つである。そのトリビュート版となる「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ トリビュート・トゥ・3705」は、オリジナルのダイヤルデザインを正確に復元する一方、オリジナルで用いられたセラミックではなく、IWCが開発した画期的な先端素材セラタニウム®をケースに使用。また、ムーブメントには自社製の自動巻きクロノグラフムーブメント、Cal.69380を搭載。ブラックのカーフスキンストラップを備えたこの特別なモデルは、世界限定1000本のリミテッドエディションとなっている。

 IWCは、152年に及ぶ歴史の中で、ビッグ・パイロットやポルトギーゼ・クロノグラフに象徴される多くのアイコニックモデルを生み出してきた。しかし一方で、思いがけず脚光を浴びることなく見過ごされてきた時計、つまり隠れた逸品もいくつか存在する。そんなモデルの1つが、1994年に発表されたフリーガークロノグラフ・ケラミック(Ref.3705)だ。これは、IWC初のブラック酸化ジルコニウムセラミック製ケースを備えたパイロットウォッチだった。端正を極めるデザインで非常に革新的な素材を使用したモデルであったにも関わらず、当時、このクロノグラフが注目を集めることはほとんどなかったという。そして約1000本ほどを作られたものの、数年後には生産が打ち切られた。

1994年に発表されたフリーガークロノグラフ・ケラミック(Ref.3705)。

 Ref.3705がスポットライトを浴びるようになったのは、極々最近のことだ。忘れ去られていたクロノグラフは、インデックスや針の夜光は経年によって温かみのあるオレンジ色へとパティーナし、時を経ることでヴィンテージの魅力に開眼。ブログなどでRef.3705に関する記事がフォローされると、「ブラック・フリーガー」の愛称で親しまれるようになり、多くの時計愛好家の注目を集めた。IWCでディレクターを務めていたギュンター・ブルームラインも個人コレクションとしてこの時計を所有していたが、のちにオークションに登場し、5万3750ドル(約565万円)という驚くべき値が付けられた。
 そして、何よりRef.3705が際立っていたのは、当時としては極めて珍しいブラックセラミックをケースに採用していたこと。IWCが1980年代から培ってきた、素材に関する幅広い専門技術を証明するモデルだったということだ。

 パイロット・ウォッチ・クロノグラフ「トリビュート・トゥ・3705」(Ref.387905)では、ブラック・フリーガーへの敬意を表し、針やインデックスなどにオリジナルモデルを踏襲したデザインを採用している。3時位置に採用された曜日・日付表示もオリジナルに見られた特徴だが、搭載ムーブメントの変更に伴い、9時位置に12時間積算計、12時位置には30分積算計を配し、6時位置はスモールセコンドとなるなど、インダイヤルのレイアウトは変更されている。

 また、素材についてもブラックセラミックを先駆的に取り入れたRef.3705に倣い、「トリビュート・トゥ・3705」では、IWCの素材研究によるイノベーティブな先端素材であるセラタニウム®が採用されている。オリジナルではブラックセラミックの採用はケースに限定されていたが、本作ではケースのみならず、クロノグラフプッシャーやピンバックルにもセラタニウム®を使用する。IWCが開発したこの素材は、チタンのように軽量かつ堅牢でありながら、同時にセラミックのように硬く耐傷性が高いという、極めて優れた素材特性を有している。ケース部品は特別なチタン合金を機械加工した後、焼成炉で加工されるが、その工程の中で物質が変化し、素材表面がセラミックと同じ特性を帯びるという。

 世界一斉販売となる「トリビュート・トゥ・3705」だが、日本では店頭販売は行われることなく、フリーダイヤル(TEL:0120-05-1868 平日11:00〜19:00)からのみ、注文を受け付けるとのこと。なお、実際に手に取りたいという人のため、2月24日(水)からIWC心斎橋ブティックIWC銀座ブティックでは、実機を見ることができるという。

ファースト・インプレッション

 先日公開したHistorical Perspectivesの記事「フリーガークロノグラフ・ケラミック Ref.3705 希少な現代のIWCを振り返る」の中で、オリジナルモデルの特徴や詳細がまとめられている(前述のとおり、HODINKEEの記事もRef.3705が愛好家たちに注目されるようになったきっかけとしてひと役買っている)が、オリジナルのフリーガークロノグラフ・ケラミック(Ref.3705)と、新作のパイロット・ウォッチ・クロノグラフ「トリビュート・トゥ・3705」では、見るべきポイントは大きく2つある。

 1つは、搭載ムーブメントだ。オリジナルのRef.3705はETAのCal.7750をベースに、IWCが独自に手を加えて調整を施したムーブメント搭載していたが、パイロット・ウォッチ・クロノグラフ「トリビュート・トゥ・3705」では自社製のCal.69380が搭載されている。Cal.69380は頑丈で正確なコラムホイール式クロノグラフムーブメントで、IWCならではの双方向爪巻き上げ機構を備えた独自仕様。46時間のパワーリザーブを備えている。Cal.69380の方が高級仕様ではあるが、オリジナルが使用したETAのCal.7750を改造したものも決して性能面で大きく劣るようなところはない。ともあれ、この搭載ムーブメントの変更に伴い、オリジナルのRef.3705と「トリビュート・トゥ・3705」ではインダイヤルのレイアウトが異なっている。

 そして、2つめはサイズの違いだ。オリジナルのRef.3705が39mmであったのに対し、「トリビュート・トゥ・3705」では41mmとなっている。前述の搭載ムーブメントの違い、そしてこのサイズの違いに「トリビュート・トゥ・3705」に込められたコンセプトがよく表れているように思う。「トリビュート・トゥ・3705」は復刻版ではなく、モデル名にもあるようにRef.3705へのトリビュートを込めた、あくまでも現代の時計なのだ。

 ゆえにデザインこそRef.3705を踏襲しているが、ケースはセラミック以上の優れた素材特性をもつセラタニウム®を採用することで、より魅力的に。さらにリューズやプッシャー、ケースバックにもセラタニウム®を採用することで、人気の高いオールブラックウォッチとしての魅力をより完璧なカタチで表現している。また、41mmというサイズも現代のニーズに合わせたもので、クロノグラフとしてはベーシックな大きさだ。

 現代の時計として魅力的に進化を遂げつつも、先端を平たくカットした無骨な時針などは往年のモデルを知るファンにとっては魅力的なディテールといえよう。しかしながら、気になるのは夜光である。
 オリジナルのRef.3705が注目を浴びるようになったのには、時計自体の物珍しさもあったが、インデックスや針の夜光が経年によりパティーナし、ヴィンテージとしての魅力が増した面も非常に大きい。だが「トリビュート・トゥ・3705」で採用されているのは、グリーンに発光するベーシックなホワイトのスーパールミノバである。現行のパイロット・ウォッチコレクションにはインデックスや針にパティーナ風の夜光をもつモデルもあり、技術的にはパティーナの雰囲気を表現することは可能である。どのような意図からなのかは定かではないが、個人的にはオリジナルのRef.3705が注目を集めるようになった経緯を考えると、ホワイトのスーパールミノバではなくパティーナを表現した夜光を採用した方がよかったのではないかと思っている。 皆さんはどう感じるだろうか?

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基本情報

ブランド: IWC(アイ・ダブリュー・シー)
モデル名: パイロット・ウォッチ・クロノグラフ「トリビュート・トゥ・3705」
型番: IW387905

直径: 41mm
厚さ: 15.3mm
ケース素材: セラタニウム®
文字盤色: ブラック
インデックス: プリントのアラビア数字
夜光: 時・分針とアワーインデックスにスーパールミノバ
防水性能: 3気圧
ストラップ/ブレスレット: ブラックのカーフストラップ
追加情報: 耐磁性軟鉄製インナーケース


ムーブメント情報

キャリバー: 69380
機構: 時・分表示、6時位置にスモールセコンド(秒針停止機能付き)、クロノグラフ(12時位置に30分積算計、9時位置に12時間積算計)、3時位置に日付・曜日表示
パワーリザーブ: 46時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 33


価格 & 発売時期

価格: 140万5000円(税抜)
発売時期: 2021年2月24日より世界一斉販売。日本では、店頭販売は行われず、フリーダイヤル(TEL:0120-05-1868 平日11:00〜19:00)からのみ注文を受付。実機は、2月24日(水)からIWC心斎橋ブティックIWC銀座ブティックにて、見ることができる。
限定: 世界限定1000本

詳細は、IWC公式サイトをクリック。