Introducing IWC　ビッグ・パイロット・ウォッチ43・スピットファイア

　今回は、2つのケース素材を使用したモデルが登場。スピットファイアのヴィンテージライクな美しさを、異なるデザインで表現している。ひとつはチタン製で、ブラック文字盤の外周トラックにはホワイトで描かれた数字、内側のトラックには小さなグレーの数字を配したミリタリーフリーガー風の文字盤レイアウトを採用している。

　もうひとつは、ブロンズのケースとグリーン文字盤（あと数週間はまだ2021年だ）で、数字をレトロタに配したよりオーソドックスなスピットファイアのダイヤルデザインを採用。両モデルとも、4つのマーカーにはエイジング加工された夜光塗料が施されている。ブロンズモデルにはないが、チタンモデルには針にも同様の夜光が見られる。どちらのモデルもチタン製クローズドケースバックにはスピットファイアの機体が刻印されており、さらに軟鉄製インナーケースがムーブメントを覆っているため耐磁性にも優れている。

　注目すべきは、小型の39mmオートマティック・スピットファイアとは異なり、IWCは43mmビッグ・パイロットでも6時位置の文字列を1ラインで維持していること。どちらのモデルにもスピットファイアのワードマークは見当たらないのだ。これらには標準的なビッグ・パイロット・ウォッチ43に搭載されているものと同じ、IWC製キャリバー82100を搭載し、60時間のパワーリザーブを備えている。

　標準的なビッグ・パイロット・ウォッチ43がいかに新しく刺激的であるか、そして発売時にはそうであったかという点で、今回のリリースは非常に興味深い。これほど早くこのモデルに改良を加えたことは驚くべきことだが、これが時計の世界の話なのだ。素晴らしいことに、この新しいスピットファイアはどちらも個性的でとてもクールだとおもう。

　私は2021年のトレンドであるグリーンウォッチにはまだ興味がないので、いくつかの理由からチタン製のブラックダイヤルのモデルに目がいく。ひとつめの理由はそのデザインだ。実物を見なくても、この時計が魅力的であることはわかる。確かに、歴史的な側面に大きく傾倒しているが、それでもバランスがいい。実際、IWCによると、この時計のデザインは古いオブザベーションウォッチからインスピレーションを得ているそうだ。同社がリリースで述べているように、「この時計のレイアウトは、パイロットや航海士が分と秒をひと目で読み取ることを容易にしました」とある。続けて、「飛行中に目視での天体観測などを行うためには、これらの情報が必要でした」。私はコール・ペニントンではないので（テレビでしか見たことないけれど）、この機能を試すことはできないが、デザインの背後にある考えを理解することはできた。

　このモデルを気に入ったふたつめの理由は、43mmとビッグ・パイロット・ウォッチとしては小ぶりながらも（ビッグ・パイロットの基準としては小さくとも、一般的には大きな時計だ）、大きなケースにフルチタンを採用したコンセプトである。大型のオニオンリューズも、軽量な素材で作られている。近い将来、このモデルを実際に手にして、その軽さを報告できることを願っている。

　もう1本に目を移すと、流行のグリーンだけでなく時計の世界で広く普及している素材であるブロンズが使われていることに気づく。IWCでは、銅、アルミニウム、鉄を含む化合物を用いており、標準的なブロンズ製ケースよりも50%も硬い合金になっているそうだ（本機はリューズもブロンズ製です）。ご想像のとおり、ケースとリューズは時間の経過とともに変色し、独自のパティーナ（色あせ）が生じる。もちろん、そういったことに興味がなければ、磨いて新品のように戻すことも可能だが、ブロンズ製の時計をお求めの方はこのパティーナを愛する人が多いだろう。グリーンはケース素材との相性がよく、色の変化とともにより美しく見えてくると思う。

ブランド: IWC
モデル名: ビッグ・パイロット・ウォッチ43・スピットファイア（Big Pilot’s Watch 43 Spitfire）
型番: IW329701 (チタン) 、 IW329702 (ブロンズ)

直径: 43mm
厚さ: 14.4mm
ケース素材: チタン（黒ダイヤル）、ブロンズ（グリーンダイヤル）
文字盤色: 黒、グリーン
インデックス: アラビア数字
夜光: あり
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: レザーストラップ

キャリバー: IWC 82100
機能: 時、分、秒
パワーリザーブ: 60時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 4Hz
石数: 22

価格: 113万3000円 (チタン) and 118万2500円 (ブロンズ) ともに税込
発売情報: 今すぐ
限定: なし、通常生産品