trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Introducing ミン 20.01 シリーズ 2 アジェングラフ・クロノグラフ、「Special Project Cave」発の2021年新作

最新のミンの限定版は、何年もかけて作られたものだが、そのこだわりの開発過程は報われたのだろうか?

ADVERTISEMENT
我々が知っていること

ミンの新しい20.01 シリーズ2 クロノグラフは、2020年初頭に「20.01 S1コンセプト」の名で1点もののコンセプトウォッチとしてスタートした。この時計には、1996年にアジェノー社という複雑機構を得意する工房を設立した複雑機構のスペシャリストであるジャン・マルク・ヴィダレッシュ氏が開発した改良型アジェングラフ・クロノグラフキャリバーが採用されている。20.01 S1コンセプトに続いて、2020年後半にはモザイククリスタルを使用した8本限定モデル(7月に時間限定の「20.11モザイク」としてリリース)が発表され、先週同社はアジェングラフ・クロノグラフの限定シリーズとしては最大規模のものを発表した。

Ming 20.01 and Ming 20.01 Series 2

手前が新作の「20.01シリーズ2」、奥が前身の「20.01モザイク」。

 20.01 シリーズ2は、ミンのSPC(Special Projects Cave)のプロダクトだ。SPCは、珍しいコンセプトを探求し、プロトタイプを作成。場合によっては限定シリーズの時計を製造することを目的としたワークショップである。これまでのSPCプロジェクトには、ダイバーズウォッチ「アビス・コンセプト」や、オックス・ウント・ユニオールとのコラボレーションモデルの「Ouj Celestial III」などがある。

Ming 20.01 Series 2 dial closeup

 20.01 モザイクは、レーザーエッチングされたモザイク状の透明なダイヤルを採用しているが、新しい20.01 シリーズ2は不透明なモザイクパターンのダイヤルを採用。また、シリーズ2では、タキメーターとパルスメーターの目盛りが追加されている(タキメーターは、時速などの時間的な単位を測定し、パルスメーターは、脈拍によって1分間の心拍数を測定)。

Fabergé Visionnaire Agengraphe Chronograph, 2017

ファベルジェ社が2017年に発表したアジェングラフ・クロノグラフのオリジナルバージョン。

 シリーズ2に採用されているクロノグラフムーブメント「アジェングラフ」は、2017年に初めて発表されたオリジナルのものとは異なる。2017年に初登場したやや込み入ったムーブメントは、非常に革新的で技術的に高度なクロノグラフムーブメントとは結びつかないファベルジェ社から登場した。同社がアジェングラフを初採用したのは、「Visonnaire Chronograph」で、経過秒数、分数、時間を示す3本の中央クロノグラフ針と、時分を示す2本の周辺針を備えていた。

 アジェングラフは非常に珍しい構造をしている。多くのクロノグラフは、クロノグラフ機構が輪列の上に配置されているが、アジェングラフでは、クロノグラフ機構がムーブメントのほぼ中央に配置され、輪列と同じ平面上に配置されている(ドーナツの穴の周りにドーナツがあるような感じだ)。独自の水平フリクション・クラッチを採用。時針と分針が瞬時にジャンプする。また、従来のクロノグラフでは、ゼロリセットにハンマーとハートピースを使用していたが、アジェングラフではカムとスパイラルスプリングを組み合わせて使用している。最後に、アジェングラフのオリジナルバージョンは自動巻きだが、ローターはやはりこれまでの構造とは大きく異なり、ダイヤル側に備えられている。

Ming 20.01 Series 2, Agengraphe caliber seen through caseback

 ミンのためのアジェノー(ミン 20.01S2 アジェングラフ Cal. 6361.M)は、オリジナルよりもはるかにすっきりしたデザインだ。中央の3本のクロノグラフ針と時刻を示す2本の周辺針の代わりに、分針と時針、さらに秒と分を示す2本のクロノグラフ針の4本の針が、すべて中央軸に取り付けられている。クロノグラフのミニッツカウンターは瞬転式。また、ミンが採用したバージョンは自動巻きではなく、55時間のパワーリザーブを備えた手巻き式だ。サイズは34mm x 5.35mm、対して自動巻きバージョンは34.40mm x 7.30mmである。

 これは注文式の時計だ。リクエストは www.ming.watchで受け付けている。シリーズ2は50個の限定生産で、価格は3万5000スイスフラン(約430万円)、発送は2022年8月予定だ。

ADVERTISEMENT
我々が思うこと

 20.01シリーズ2は、かなり長い開発期間を経て完成したものだ。そのなかには、クラッチシステムの改良(ミンによると、よりスムーズに作動するようになっている)など、数ヵ月にわたって同ムーブメントに加えられた調整も含まれている。アジェングラフ・クロノグラフは、オリジナルの3+2本の針ではなく、4本の針を中央に配したモデルだが、これが初めてではない。例えば、H.モーザーは同じことをストリームライナー・フライバック クロノグラフで行い、100本限定で528万円(税込)で販売した。しかし、ストリームライナーは、オリジナルの自動巻きシステムを継承。ケースサイズは42mm x 14.20mmと、41.50mm x 14.20mmの20.01 シリーズ2よりもわずかに大きい。この2つの時計の厚さは髪の毛1本分の違いしかないが、装着感は大きく異なる。というのも、ストリームライナーではスティール製の時計に一体型ブレスレットを装着しているのに対し、ミンはチタン製のストラップを装着しているからだ。

Ming 20.01 Series 2 oblique dial view

 この2つの時計の美しさは、明らかに異なっている。ストリームライナーは、その名前から想像されるように、丸みを帯びたエッジと緩やかなカーブを多用しており、バイオモーフィックなケースとブレスレットのデザイン、高度なクロノグラフムーブメンにもかかわらず、驚くほど伝統的な外観と雰囲気を備えている。一方、ミン 20.01シリーズ2は、シャープなカーブを描くラグ、凹んだケースバンド、デザインの一部として意図的に使用された多くの夜光塗料、そしてもちろん、複雑で技術的要求の高いサファイアクリスタル(このモデルではモザイクデザインが刻まれている)など、今やひと目でわかる同社の意匠の組み合わせだ。また、ムーブメントには、DLCコーティングが施されたブリッジとプレートを採用。ホワイトメタル(通常はロジウムメッキだが、今回はポリッシュ仕上げのスティール製部品)とのコントラストを楽しむことができる。

Ming 20.01 Series 2, night, showing glowing luminous dial

 ある意味では、そのデビュー以来、私は常に、アジェングラフ・クロノグラフキャリバーは、そのいくつかの採用例において、問題を探すための解決策(実際にはいくつかの解決策)ではないかと考えてきた。多少なりとも伝統的なラインに沿って作られた現代の自動または手巻きのクロノグラフは、非常に優れた性能を毎日発揮することができ、数え切れないほどの製品がそうであるように、アジェングラフに比べて複雑さやルーブ・ゴールドバーグのようなエンジニアリングへの依存度はかなり低い。

 しかし、以前の技術的な解決策を繰り返すだけでは、現代の時計製造が今日あるようにはならない(ジャン・マルク・ヴィダレッシュ氏が二の足を踏んでいるように思うかも知れないが、同氏は何十年にもわたって時計製造の問題を考え続けてきた時計製造者で、もう私はは...そうではない)。さらに、私は垂直クラッチがスイスの時計職人の退廃と伝統的な技術の放棄の兆候であると考えているため、完全に客観的な評価をする立場にはないかもしれない。

 また、従来のクロノグラフとアジェングラフの技術的な違いは、恣意的なものではなく、従来のクロノグラフ技術よりも優れたものを提供することを目的としている点も特筆すべきだろう。例えば、アジェングラフのゼロ回帰システムは、通常のハンマーとハートピースを使ったシステムよりも少ない力で作動する。また、水平クラッチは、従来の歯とギアを使った水平クラッチよりも、より正確なクロノグラフのスタートを実現するように設計されている(これは、ほかの現代のクロノグラフに採用されている垂直クラッチ式の利点でもあります)。

Ming 20.01 Series 2, view through transparent caseback of Agengraphe movement

 私が思うに、ムーブメントに関していえば、これはクロノグラフ愛好家のためのクロノグラフだということだ。最もシンプルで複雑ではない技術的な解決策を求めているのではなく、時計製造における古くからの技術的な問題に対する新しい解決策が本質的に面白いと感じているからこそ、(両方の意味で)この製品を手に入れることができるのだ。それは、リモワに夢中になることと同じで、良くも悪くもない。しかし、もし経過時間を計測するための最も実用的な解決策にしか関心がないのであれば、私たちは皆、(あなたの好きな嫌われ者クォーツ時計、携帯電話、スマートウォッチを)使ったり身につけたりしているだろう。そして、時計製造の歴史は、地道に少しずつ改良されてきた歴史であることは言うまでもない。

Ming 20.01 Series 2, Mosaic crystal closeup

 ミンの時計のデザインには独特の魅力があるが、個人的には、ちょっとバロックで洗練されたポストモダンの組み合わせが非常に魅力的だと感じている。この時計をつけていると、まるでリドリー・スコット監督のニヒルなSF映画に出てくるクールな悪役ヒーローのように見えるのではないだろうか? 雨の夜、LAの寿司屋で、ガフという名の男に傘で突かれて、「Lo-faast! Nehody maar! Te vady a Blade, Blade Runner!」 哀れなネクサス6型の余命を計るのに最適だ。

ミン 20.01 シリーズ2 Special Projects Cave アジェングラフ・クロノグラフ: ケース、41.5mm x 14.2mm、グレード5のチタン、34個の部品から構成される。フロントとバックにドーム型サファイアクリスタル風防。1.3mm厚のサファイアダイヤル、セラミック製のスーパールミノバ(ハイセラム)。クル・ド・パリ模様のグレード2チタン製ベースダイヤル。ムーブメント用スペーサーリングのない硬質ケース、50M防水、ラグ幅22mm。

ムーブメント、アジェノー for ミン アジェングラフ Cal.6361.M1、34mm x 5.35mm。センタークロノグラフ秒針と瞬時分針、スケルトン加工された2つの香箱による手巻き。55時間パワーリザーブ。独自のアジェノーカップリング機構、レギュレーター、アップグレードされたクラッチシステム。6姿勢で調整。

ストラップ: ジャン・ルソー社製のレザーストラップ2本。クアラルンプールのStudio Koji Satoの革製トラベルポーチ。

スイス製、2年保証。50本限定生産、価格3万5000スイスフラン(約430万円)。詳細はミン公式サイトへ。