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Introducing ロンジン ヘリテージクラシック "タキシード"(編集部撮り下ろし)

新作の拡充が著しいロンジン ヘリテージコレクションに、1940年代の意匠を彷彿とさせる魅力的なクラシカルウォッチが加わった。

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クイック解説

 大きな反響を呼んでいるロンジン ヘリテージコレクションから、またもヒットになりそうな新作がデビューした。その名も"タキシード"で、1940年代によく見られたデザインの復刻版である。モデル名が示すように、タキシードやディナージャケットにインスパイアされた白×黒のツートンカラーが最大の特徴だ。当時と同じように内側のアワーサークルには黒を配し、生成りよりの色見だったダイヤル中央部(下写真は経年変化で変色している)はシルバーオパーリンに置き換える形でデザインがリファインされている(当時は純白の塗料が作れなかったらしい)。

 当時の35mmから38.5mmへと現代的サイズにアップデートされており、過去の作品よりもラグがエレガントに伸長されている。一方で、インデックスのアラビア数字と時分針に塗布されたスーパールミノバはそのまま生かされ、実用時計としての側面も残された。

1945年製のオリジナルモデル。35mm径は当時一般的なサイズで、元々エクリュカラーだったホワイトダイヤルは高い人気を誇ったという(経年変化で灼けたことでサーモンピンクに変色した)。

2020年の今年、復活したヘリテージクラシック "タキシード"。38.5mm径にサイズアップされているが、現代では小ぶりである。

 ロンジンのロゴなど、文字盤上の要素も当時のものが忠実に再現されている。ロゴのフォントはもちろん、この復刻モデルは自動巻きながら、通常印字されるはずの"Automatic"の文字がオリジナルに倣って省略されている。搭載するムーブメントは、ETAがロンジンのためにエクスクルーシブで開発したCal.L893.5で、シリコン製ヒゲゼンマイが用いられた最新機種だ。

ファースト・インプレッション

 1940年代といえば、長く続いた戦争が終結し、上流階級では社交界が盛んだった時代。腕時計は戦時下で重宝されてその機能やデザインも確立されたものだが、きらびやかな服装に合わせるため新たなデザイン言語が生み出されたのだと、この時計からは見て取れる。ただ、この時計は完全にドレスウォッチというわけではなく、大きめのバトン針にしっかり塗布された夜光(インデックスにも)や大きなリューズを見ると、実用時計として大きなシェアを誇ったロンジンの当時の状況を伺わせる。1945年の時計をデザイン復刻しながら、当時よりもクリーンな印象の時計に仕上がっているのは、明るい発色のシルバーオパーリンダイヤルのおかげだろう。より万人が使いやすい仕上がりになっていると思う。

 38.5mmのケースサイズと長めながら腕に沿うように湾曲したラグのおかげで、普段はもう少し大きめの時計(40〜44mm)を着ける僕の腕にもうまくフィットした。ストラップはややマットに仕上げられたカーフレザーが付いてくるが、タキシードのウールを思わせる質感であるため上品に着けこなすことも可能だろう(逆にNATOストラップに換えて、カジュアルにも対応できそうな時計ではある)。

 本機の内部には自動巻きキャリバー L893.5が搭載されているが、これは以前取り上げたヘリテージクラシックのセクターダイヤルと同じものである。ケースサイズも同様に38.5mmだ。これが意味するところは、ロンジンはおそらくひとつの方程式として、ヘリテージコレクションに愛好家の声に応えるという役割をより顕著に与えている。この絶妙なサイズ感と、本来日付表示をもつCal.L893.5を採用しつつもデイトを省いていることなどから(セクターダイヤルもそうだった)、そう僕に思わせるのだが、これは完全に正解だと思う。少し前まではヘリテージコレクションであろうと、従来なかった日付表示が加えられるケースはあった。付加機能として日付表示は加えやすいものなのだろうが、デザインを崩すパターンも多いためこの流れは歓迎すべきだろう。

 ヴィンテージ・ピースはアーカイブに忠実に作り、ブランドのストーリーを語る。一方で、ロンジン スピリットのような新作コレクションでは、現在の技術力やモダンなスタイリングを提案する。はっきりと役割分担がなされたロンジンのラインナップは、目的が明確な分、僕にとって非常に魅力的に映っている。

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基本情報

ブランド: ロンジン(Longines)
モデル名: ヘリテージクラシック タキシード(Heritage Classic Tuxedo)
型番:L2.330.4.93.0

直径: 38.5mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: シルバーオパーリンとブラックのツートン
インデックス: アラビア数字
夜光: あり
防水性能: 3気圧
ストラップ/ブレスレット:バイカラーのカーフレザーストラップ


ムーブメント情報

キャリバー: L893.5
機能: 時、分、スモールセコンド
 

パワーリザーブ: 64時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万5200振動/時
石数: 27
クロノメーター認定: なし
追加情報:シリコン製ヒゲゼンマイ搭載


価格・発売時期

価格: 24万円(税抜)
販売時期: 今秋予定
限定:なし

詳細は、ロンジン公式サイトへ。

Photographs by Masaharu Wada