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In-Depth ムーンスウォッチの新作ストロベリームーン(クロノ秒針がムーンシャインゴールド製の特別仕様)が証明する、未だに終わらない熱狂の終焉

先日、ストロベリーをあしらったバイオセラミックケースのクロノグラフが発表された。だが、フローラルが先月発表されたばかりである。狂乱はさらにヒートアップしている。


先日、スウォッチは最新のムーンスウォッチ ミッション・トゥ・ムーンシャインゴールドを発表した。その名もストロベリームーン(命名の由来は明白だ)で、世界中のスウォッチブティックで発売された。これは、私たちが “ムーンスウォッチ狂騒劇”と呼ぶ、1年以上にわたる熱狂の最新作である。しかし、現状の解説の前にこれまでの経緯を整理しておこう。

ムーンスウォッチ第1世代

 ムーンスウォッチに関しては、オメガとスウォッチのInstagrmアカウントに掲載されたティザー広告に過ぎなかったころから現実のものとなるまで、そのコンセプトそのものに私は夢中になっていた。ニューヨークで行われたムーンスウォッチコレクションの大々的な発表までの道程を追い、タイムズスクエアのブティックを取材し、このバイオセラミック製の時計を手に入れようと待ちわびる多くの人々の熱狂を目の当たりにした。

ムーンスウォッチの列

ムーンスウォッチ初お披露目のニューヨークの行列。Photo: Kasia Milton

ムーンスウォッチ

ムーンスウォッチ ミッション・トゥ・マーズ(火星)。Photo: Greyson Korhonen

ムーンスウォッチ

ムーンスウォッチ ミッション・トゥ・ジュピター(木星)。Photo: Greyson Korhonen

 そして、この時計は販売戦略上オンラインでは購入できないため、人々は待ち望み、そしてどれだけ収集できたか、その功績を称え合った。ムーンスウォッチをコンテンツとしてA Week on the Wristに取り上げ、小誌の2022年ウォッチ・オブ・ザ・イヤーを受賞したことで、私はこのマニアックな時計に対する熱狂の章は閉じたと思った。だが、2023年(ダニエル・クレイグがミッション・トゥ・ネプチューンを着用したことが話題にもなった)、スウォッチは別の隠し球を持っていることを証明した。ミッション・トゥ・ムーンシャインゴールドである。

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ムーンシャインゴールド
ムーンスウォッチ ムーンシャインゴールド

Photo courtesy of Masaharu Wada(本誌)

 始まりは2023年2月、スウォッチが一部都市で特別リリースの予告をしたことだった。ロンドン、ミラノ、東京、チューリッヒである。そう、アメリカは含まれない(ニューヨークもだ)ということだった。幸運なことに、HODINKEE Japanの同僚たちが、世界で初めてこの新しいムーンシャインゴールドのムーンスウォッチを手にした人を撮影することに成功した。オメガ独自のゴールドコーティングを施した、クロノグラフ秒針を持ったモデルだ。

ムーンスウォッチ ムーンシャインゴールド

ミッション・トゥ・ムーンシャインゴールドを最初に手にした人 Photo: Masaharu Wada(本誌)

 熱狂もいよいよそれで終わりかと思った。しかしそれは間違いだった。ミッション・トゥ・ムーンシャインゴールドは、その後ニューヨークを含む世界各地で発表されたのだ。編集部のマーク・カウズラリッチ(Mark Kauzlarich)がその時計にカメラのレンズを向けたとき、それがまったく同じムーンスウォッチ ムーンシャインゴールドではないことがわかった。この年で3回目の満月を意味する小さな変化、クロノグラフ針に刻印された小さな数字の“3”が盛り込まれていたのだ。「ああ、そうか」、私たちは次のように解釈した。「これは、この日に購入できた人のための特別な時計なのだ」と。

ムーンスウォッチ ムーンシャインゴールド

 しかしそれでもまだ終わらなかった。5月に入り、我らがブランドン・メナンシオ(Brandon Menancio)はムーンシャイン第3弾の発売のためラスベガスに向かった。小さな数字で“4”と刻印されていると予想するも、それは安直すぎたようだ。その代わりにピンクムーン(野花が咲きはじめる4月の満月)へのオマージュとして、クロノ針にピンクのラメが施されていた。ムーンスウォッチの月次発表が2023年のテーマになることは、(その当時まだ決まっていなかったとしても)明らかだった。

ムーンスウォッチ

アメリカ・ラスベガスで発表されたピンクムーンのムーンスウォッチ。Photo: Brandon Menancio(本誌)

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フラワー&ストロベリー
ムーンスウォッチ ムーンシャインゴールド

ムーンスウォッチ フラワームーン

 1カ月の時が流れ、同じクロノ針に、夜咲きする花々が満月の形に見えることにインスピレーションを得たイラストが描かれたモデルがリリースされた。そして先日、世界各地で発表された最新のリリースが、ムーンスウォッチ ミッション・トゥ・ムーンシャインゴールド “ストロベリームーン”だ。そして、これはこれまででもっともクレイジーなバージョンかもしれない。

 5月に発表されたものと同様、このモデルもストロベリームーン(イチゴの収穫時期である6月の満月)にインスパイアされたモデルだが、時計に表現する方法はより大胆だ。すなわち中央のクロノグラフ針全体にまるで壁紙のようにイチゴが並んでいるのだ。今年発表されたすべてのモデル同様、この時計は特定の月(この場合は6月のストロベリームーン)に製造され、その事実を証明する証明書が付属する。やれやれ、これはちょっとクレイジーな事件だ。しかしこの時計への注目と興奮を持続させる原動力となっているのも事実である。

ムーンスウォッチ ムーンシャインゴールド

ムーンスウォッチ ストロベリームーン

ムーンスウォッチ ムーンシャインゴールドのペーパー
ムーンスウォッチ ムーンシャインゴールド

 ムーンスウォッチについて尋ねてくる知り合いが、私の主な活動領域である時計業界外の人々も含め、どれだけ多いことか。ムーンスウォッチが大衆文化のトレンドに、しっかりと溶け込んでいる証拠でもあろう。最近、あるパーティで友人が、近くのスウォッチストアがムーンスウォッチの発売直前に閉店してしまい、ムーンスウォッチを探す旅に出られなくなったと嘆いていた。私がクルマを購入したとき、ファイナンス部門の担当者は、彼の兄弟がミッション・トゥ・ナントカ(特定の惑星)を探すのに夢中になっていたと話してくれた。ちなみにこの話題を切り出したのは私からではない。

 スウォッチ、そしてオメガのいずれも自らムーンスウォッチコレクションに大幅な調整を加える必要はない。魔法のレシピは効き続けている。購入希望者は、それが唯一の方法であることをわかっているから、世界中のスウォッチショップに集まり続ける。2カ月前にもスウォッチスタッフが記録しているように、ローンチ当日にはいまだに多くの人が訪れている。

ムーンスウォッチ ムーンシャインゴールドの列

4月にニューヨークで行われたムーンシャインゴールドのローンチ当日の列。Photo: Mark Kauzlarich(本誌)

 このミッション・トゥ・ムーンシャインゴールドのキャンペーンは、ムーンスウォッチと時計コレクションの理想を結びつける方法として私に衝撃を与えた。通常のモデルは入手が難しいかもしれないが(例えば、ネプチューンとか……)、決して限定されているわけではない。労力を惜しまなければ、すべてのモデルを購入することも可能だ。だが、ムーンシャインモデルは有限であり、1カ月のうちその日にしか手に入らない。その日が終わると、その時計はムーンダストの如く塵となり消えてしまう。

ムーンスウォッチ第一世代

Photo: Kasia Milton

 新しいストロベリームーンモデルは、この時計がいかにクレイジーな熱狂を呼び起こすかを予感させる。私たちは今、クロノ針にイチゴが描かれている様子を目撃しているのだ。次は、ムーンシャインゴールドの仕様が1本の針だけに限定されることから脱却するのだろうか? しばらく様子を見る必要がありそうだ。今回のリリースでは、もっとも多くの都市と国(スウォッチ的に、基本的にすべての都市と国)が含まれている。まあ、どこでも買えたわけだ。この限定版を購入するためのプレミアムは、通常モデルのムーンスウォッチの価格(日本円で税込3万8500円)よりわずか4400円高いだけだ。

 このムーンシャインキャンペーンが今年いっぱい続く保証はないが、少なくともあと数回はこのようなスペシャルローンチを目にすると予想している。そして最寄りのスウォッチブティックに足を運び、売り切れを続出させる人々の需要と興奮が試されることになるだろう。それが次の満月にまた繰り返されるのだ。

ムーンスウォッチ ムーンシャインゴールド
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