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January 19, 2021
January 19, 2021
Editors' Picks ドレスウォッチ 2020年発表作から編集部のお気に入りを発表

Editors' Picks ドレスウォッチ 2020年発表作から編集部のお気に入りを発表

誰もドレスアップしなくなった昨今、「ドレスウォッチ」は何を意味するのでしょうか?

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ドレスウォッチは、絶滅危惧種に近い存在であると思います。ドレスウォッチという言葉自体に「ドレスアップする」という意味がありますが、テレワーク以前から、呼び名に込められたこの概念への意識が薄れてきた気がします。しかし、今でも高級時計のDNAに深く刻まれている概念であり、私たちの多くが「ドレスウォッチ」と呼ばれるものを持っていない、あるいは持つ必要性を感じていないにも関わらず、時計メーカーはそれに見合う時計を作り続けています。編集部では、どの時計がドレスウォッチの定義に当てはまるのかを確認するだけでなく、この大きな概念を再考する為に、今年発表された時計を振り返りたいと思います。

ジョン・ビューズ: IWC ポルトギーゼ・オートマティック 40

 長い間、私はスポーツウォッチが全てだと考えていた。実は、これまでに所有したドレスウォッチ的な時計は2本だけだ。1本目は、私のコレクターキャリアの中でも遅めの2012年に購入した、ファンシーなラグ付きの37mmのローズゴールド IWC Cal.89(1960年頃)である。6年後の2018年初頭に、グランドセイコーのエレガンスコレクションから、自動巻きGMTであるSBGM221を購入した。どちらもスーツと合わせるのに適しているが、グランドセイコーは、唯一普段使いに良い時計であることが私の中で証明されている。2年近く前、結婚式の前日はカジュアルに着用し、結婚式当日の朝にスーツと合わせて着けたことを覚えている。何をもってドレスウォッチとするかについては、いろいろな意見があるが、コレクションを始めたばかりの人にとっては、汎用性の高い時計が一番いいのではないかと思う。

 誤解しないで欲しいのだが、私はIWCとグランドセイコーの両方を愛しているし、どちらも手放すつもりはない。しかし、もし私がドレスアップできる時計を新たに買うのならば、日常的に着用可能なものになるだろう。そのため、2020年に発表されたドレスウォッチの中から選ぶとすると、IWC ポルトギーゼ・オートマティック 40は、非常に価値ある時計だと思う。普段使いの時計とドレスウォッチの中間に位置し、スティール製で80万円以下の価格を実現したポルトギーゼ 40は、その魅力を最大限楽しめる時計だ。モダンな自動巻き時計で、内部に搭載された Cal.82200は、IWCの効率性の高いペラトン自動巻き機構と60時間のパワーリザーブを備えている。堅牢だが、視覚的にも興味をそそられる、非常に美しいキャリバーでもある。

 手首が中~大型で、身に着ける時計は直径40mm以下でなければならないといったルールが無い人は、ポルトギーゼ・オートマティック 40は、ドレスウォッチと普段使いのハイブリッドモデルとして、ぜひ知っておくべきモデルだ。

ステンレススティール ケース 72万5000円、18Kレッドゴールド ケース 172万円(全て税抜)。詳細は、IWC ポルトギーゼ・オートマティック 40 2020年新作を実機レビューへ。

ジャック・フォースター: ゼニス エリート ムーンフェイズ (スティール製)

 最近のドレスウォッチの定義は曖昧であり、(私の同僚達からのコメントからも分かるように)定義を時計愛好家が議論するべきであるか自体が議題になり得る気がする。ドレスウォッチは服を着ていることを前提としているから、Zoom会議のためにズボンを履いてるかどうかを冗談めいて聞くようになった今、ドレスウォッチをウォッチワインダーから取り出さなければならない状況は想像しづらい。

 しかし、伝統や、その伝統を生み出された由縁について回想すると、心が落ち着く。私は昔から、ビジネスシーンでフォーマルに徹することが、自分のプライドだけでなく、同僚やパートナーへの敬意を示すことになるという考え方が好きだ。俗に言うドレスウォッチは、そのような服装の哲学の一端を担っている。伝統的な意味でのドレスウォッチは、フォーマルな時計ではない。

 タキシード(これはフォーマルではなくセミフォーマル)にシンプルな時計を合わせても大丈夫だが、フォーマルなドレスコード(男性の場合はモーニングコートや白タイ)では、腕時計は厳禁だ。むしろ、ドレスウォッチは、セミフォーマルまたはビジネスフォーマルな装いで着用するものであり、薄く、比較的シンプルで、エレガントで、(必ずしもそうとは限らないが)金色で、真面目な大人感を醸し出す時計である。

 これらの狭い、伝統的な定義を踏まえて、非常に魅力的で、全く見せ付け感が無く、驚くほどお手ごろな価格のドレスウォッチを紹介したい。今年の1月に発表されたが故に忘れ去られてしまったであろう、ゼニス エリート ムーンフェイズだ。あなたがドレスウォッチに求めるこの上なく美しいものが詰まっているのに、値段は桁外れではない。40.5mm x 9.35mmとちょうど良いサイズ感で、素敵な文字盤と、美しく施されたムーンフェイズの複雑機構を備えている。また、クラシカルでクリーンになり過ぎるのを上手く避ける具合に、9時位置にスモールセコンドがある。ムーブメントは(誰もが忘れているようだが)自社製で、エリート Cal.195を搭載し、厚さ3.97mmで、リューズセッティングが可能なムーンフェイズと50時間のパワーリザーブを備えている。スティール製は、73万円(税抜)だ。もしあなたがこの価格でより良い自社製ムーンフェイズを見つけたならば、私はこの時計をケチャップなしで食べようと思う(いや、本気ではないが、あなたならこの覚悟が如何なものか理解していただけるだろう)。

40.5mmのステンレススティールケース 73万円(税抜)。詳細は、ゼニス エリート ムーンフェイズ 2020年新作へ。

ダニー・ミルトン:ブレゲ クラシック 7137

 私にとってドレスウォッチとは傍に潜んでいるスーパーサブのような存在だ。監督に呼ばれていきなり試合に入ってきて、決勝点を決める選手、といった具合だろうか。 こういった意味では、ドレスウォッチはある種の神話的な意味合いももっていると思う。もちろん、ドレスウォッチとはどうあるべきかについては多種多様な考えがあると思うが、みんなそれぞれ異なる意味で正しいのではないかと私は思う。ジェフリー・リボウスキの言葉を借りれば、「要は...あなたの意見と同じだ 」ということになる。しかし、ドレスウォッチが特別なものであることには誰もが同意であろう。決まった一本の時計しか着けない男、通称「ワン・ウォッチ・ガイ」が2本めとしてドレスウォッチを付けたとしても、まだ「ワン・ウォッチ・ガイ」だと名乗れると思う。ドレスウォッチは特別な日のために身に着けるものだから、たまにしか身に着けない。このような考えのもと、今年の新作の中で私のお気に入りとして、ブレゲ・クラッシク7137を選んだ。そのデザインは、ほぼ全ての点で特別な感じがする。

 文字盤は懐中時計のデザインをベースにしており、さまざまなタイプのエンジンが文字盤の表層上を回転しているようだ(ブレゲの文字盤の典型的なエンジンターンド)。39mmというサイズは、色んな意味でドレスウォッチのサイズの上限を超えていると思われるが、これもまた意見の分かれるところだ。ホワイトゴールドのケース、長い時計製造の伝統、そしてラグの形状から、私はこのモデルを選んだ。誰かの目に留まり、会話が弾むような複雑なレイアウトになっている。我々が、自分の時計について話す口実を必要としているとは思えないが、この時計は間違いなくネタになる。

433万円(税抜)。詳細は、ブレゲ クラシック 7137へ。

コール・ぺニントン: グランドセイコー エレガンスコレクション SBGW262 (黒漆の文字盤)

 約1年前にIWCが主催した「シルバースピットファイア – THE LONGEST FLIGHT (最長飛行)」の出発前夜、私はブラックタイオンリーの晩餐会に出席した。それは、第11代リッチモンド公爵チャールズ・ゴードン・レノックス氏の邸宅で行われたものだった。晩餐会までの数日間、私は必死にタキシードを探していた。やっと1着見つけて購入し、準備万端だと思っていたのだが、出発の前日、ブラックタイオンリーのイベントで最も重要なものを忘れていたことに気がついた。時計だ。

 唯一の問題? ドレスウォッチを持っていなかった事だ。 1本もない。私はこのディナーのために同僚から1つ借りることになったが、この状況は非常に現実的なニーズを浮き彫りにし、私は最終的にグランドセイコーSBGK007を買うことに落ち着いた。

 2020年の新作ドレスウォッチで私が最も気に入っているのは、SBGW262だ。グランドセイコーのエレガンスコレクションの1つで、SBGK0072と同じ系統にあたる。ただ、唯一の違いはエレガンスコレクションの中でも"über-watch"的存在であることだ。"über-watch"とは聞き慣れない単語かもしれないが、ドイツ語で「以上」を意味し、「とんでもない」時計を指す。イエローゴールドのスリムなケース、黒漆塗りの文字盤、伝統的な蒔絵の技法で施されたマーカーなど用いた、「和」をテーマにしたこの時計はその典型ではなかろうか。「日本らしさ」が詰まっていて、私はそれが気に入っている。グランドセイコーを、より完全なグランドセイコーにしているとでもう言おうか。グランドセイコーにしては少し「派手すぎ感 」はあるが、ブラックタイオンリーのイベントに着用する時計である事を考慮すれば許容範囲内だろう。だが、おそらくそんなイベントは近々催されない気がするので尚更だ。

ジェームズ・ステイシー: A.ランゲ&ゾーネ ランゲ1・タイムゾーン

 お気に入りの2020年新作ドレスウォッチを選べというワクワクする課題が故に、僕が今から夢のような話をするのを許して欲しい。僕がチョイスした時計が、ドレスウォッチ(僕はあまりドレスアップしないのをご存知であろう)とトラベルウォッチ(僕のベッドとソファは残念ながら同じタイムゾーンにある)で、どちらも僕が買えない価格帯であることを考えると、夢想レベルが3倍となる。僕にとってドレスウォッチとは、こういった夢想的な感情を引き起こすものだ。ほとんどの人がそうであるように、取り巻く世界がますますカジュアルなものになってきている昨今(TGNのカナダ本社内のドレスコードは非常にゆるい)、僕はまだ「ドレスウォッチの男」でありたいと思っている。これが僕がドレスダウンしたスポーツウォッチを着け続けている理由になっている気がする。滑らかなゴールドケース、暖かい茶色のストラップ、ひと昔の巨匠的時計にただならぬ愛を感じている。グランドセイコーSBGW252やカルティエ タンク(イエローゴールド)はこの記事の主旨と逸れるし、複雑なランゲ1はそれらが放つ夢想的なオーラのレベルと大差ないと思う。

 今年、新しいムーブメントを搭載してアップデートされたランゲ1・タイムゾーンは、便利でドレッシーなだけでなく、万能性に優れたモデルなので僕のお気に入りのモデルだ。スーツにネクタイ、ジーンズにTシャツというように、ランゲ1はストライクゾーンこそ広いが、ストラップを交換することで、特別な気分になれる時計だと思う。私の中では、これが鍵だ。繊細さと華麗さのバランスがとれていること。時間をチェックするたびに特別な何かを感じさせるが、基本的には人の目に止まらぬような静けさももっていること。ドレスウォッチたるもの、この2点に尽きる。

 僕の体型はGAPのモデルをパートタイムで出来るかどうか程度のレベルだと自覚しているが、それでもドレッシーな気分にさせてくれるドレスウォッチが欲しい。さまざまなドレスコードに沿った時計を持つことの重要性を理解していないわけではないが、ランゲ1のような時計を持っていても、ドレスアップのときにしか身に着けないのはもったいない。もし僕がそのような時計を所有する機会があれば、ドレスコード的に必要な場合だけでなく、気分が高揚したときにいつでも身に着けたいと思う。

18KYG 585万円;18KPG、18KWG 551万円(全て税抜)。詳細は、A.ランゲ&ゾーネ ランゲ1・タイムゾーン 2020年新作(編集部撮り下ろし写真と新旧比較)へ。

スティーブン・プルビレント: カルティエ プリヴェ タンク アシメトリック スケルトン

 3月からニューヨークでテレワークが始まって以来、ほとんどTシャツとチノパンで生活していることを考えると、ドレスウォッチのことを真剣に考えるのはちょっと変な気分です。ただ、そんな今だからこそ、特別な日にしか身に着けられない宝石のような特別な時計が、今まで以上に魅力的になったとも思います。スペシャルな時計を腕に巻き、その時計のエレガンスさや品質や複雑さに負けないように生きようとする。なんて魅力的な事でしょう。そして、ここ数ヵ月間に発売された時計を全て見比べても、カルティエ プリヴェ タンク アシメトリック スケルトンに及ぶ時計は無いと思います。

 アシメトリックは、クラシックなタンクのバリエーションの中でも僕が最も好きなモデルのひとつです。今回の最新モデルでは、カルティエがちょっと変わった3ラグのケースデザインを採用しているのが特に気に入っています(アシメトリックには2ラグと3ラグのモデルの2つが長年あります)。僕はよりシンプルでドレッシーな時計を、カジュアルな服装に合わせるのが好きなのですが、イエローゴールドのアシメトリックをスポーツコートか、非常にソフトなセーターを着て手首に巻くと良いと思います。世界が通常に戻り始め、ジャケットを着てクラシックなニューヨークのバーでマティーニを注文することを夢見ているときの僕は、この時計が自分の手首に巻かれている事を想像しています。

プラチナ 708万円、プラチナ+ダイヤモンド 1002万円、18KPG 624万円(全て税抜予価)。詳細は、カルティエ プリヴェ タンク アシメトリック スケルトン 2020年新作へ。