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Editors' Picks HODINKEE編集部が選ぶ2024年のお気に入りドレスウォッチ

もう少しフォーマルな雰囲気はいかがだろうか? こちらが2024年のドレスウォッチのおすすめモデルだ。


2024年も終わりに近づいてきた。この時期は時計愛好家にとって、1年を振り返り、その年のお気に入りの時計を思い出す時期でもある。

 これまでに僕たちは2024年で最高のバジェットウォッチを取り上げてきたが、今回は2024年のドレスウォッチ部門を発表する。ベンがひとつに絞りきれなかったことや、ストーンダイヤル、ミニサイズなど、僕たちがドレスウォッチというものをどう捉え、どんなシーン(たとえば格式高いイベントや特別なディナー、夜の街への外出)で身につけたいかが、このリストには反映されている。


サイモン・ブレット クロノメーター アルティザン ローズゴールドとベルネロン ミラージュ 34 タイガーアイ
By Benjamin Clymer

 ひとつには絞れなかった! この記事を読んだあとなら、きっと驚く人はいないだろう。今の自分の心が完全にインディペンデントウォッチメーカーに向いていることは明らかだからだ。自分と同世代で、同じ時代をともに歩んできた彼らが、素晴らしい時計を生み出しているのを見ると、どうしても心が動かされてしまう。

 サイモン・ブレットには、2023年のGPHGの翌日に彼と出会って以来、ずっと魅了され続けている。しかしチタンやジルコニウム製のバージョンは、そのきわめて精緻な仕上げに対して、少しカジュアルすぎると感じていた。だがローズゴールド製ケースにブラックの手彫り文字盤を組み合わせたモデルで、その印象は一変した。完全に心を奪われ、恋に落ちたと言っても過言ではない。ベルネロンのミラージュに関しても同様だ。初期モデルは素晴らしかったが、私の手首には少しケースが厚いというよりも縦に長すぎるように感じていた。しかし新たに発表された34mmケースにタイガーアイダイヤルを備えたミラージュは、まさに驚嘆すべき時計だ。サイモンやシルヴァンのような時計師たちが、自らの哲学を貫きながら独自のアプローチで素晴らしい時計を生み出している姿を見るのは本当にうれしい。彼らの作品には、ほかでは決して真似できない個性と情熱が宿っている。

– ベン・クライマー、創設者兼プレジデント


グランドセイコー SLGW003
By Mark Kauzlarich

 今年、グランドセイコーが手巻きのハイビートムーブメントを再導入したことは、ブランドのラインナップをクラシックなアイデアで見事に再構築しただけでなく、今年私にとって“白い鯨”とも呼べるほど追い求める存在となった時計、SLGW003を生み出した。

 本作は驚くほど軽量で、見事なまでに高輝度のブリリアントハードチタン製ケース、象徴的な“白樺”モチーフの文字盤、そして非常に感触のいい手巻きの9SA4ムーブメントを備えている。SLGW003はグランドセイコー史上、最も完成度の高い時計のひとつと言っても過言ではない。この時計は新しいグランドセイコーが持つすべての美点を体現し、150万円前後の価格帯における手巻きムーブメントとしては最高峰の感触を誇る。そして、そのすべてが見事に調和しているのだ。

 この1年、SLGW003を購入する寸前まで何度も迫った。ニューヨークのブティックだけでなく、日本でも同様だ。初めて訪れた日本では、この時計がまるで私を追いかけてくるかのように、訪れる先々のツアーストップや店舗で目の前に現れ続けた。そしてついには、ムーブメント設計者の田中佑弥氏にも出会い、手巻き時の感触や操作感が所有者にとってどれほど特別な体験になるかを意識して設計したのかを、直接聞くことができた。普段選ぶドレスウォッチなら、よりシンプルで厳かな文字盤や、スモールセコンドが配されたデザインを好むことが多い。しかしSLGW003はその完成度の高さから、いつか必ず自分のコレクションに加わることになるだろうという確信がある。おそらく、それはそう遠くない未来のことだろう。

– マーク・カウズラリッチ、エディター兼フォトグラファー


オーデマ ピゲ ミニ ロイヤル オーク
By Malaika Crawford

 フロステッドゴールド仕様のAPミニ ロイヤル オークを、ここでは”ドレスウォッチ”と呼ぶことにしよう。少なくともスポーツウォッチではないのだから、この時計は独自の非常にグラマラスなカテゴリーに属すると言える。

 この小さなロイヤル オークが、フォーマルな場やエレガントな夜のイベントにぴったりな理由は何だろうか? 私がドレスウォッチに求める要素を紐解いてみよう。それも400万円を超える価格帯の時計についてだ。まず第1に、手首を見下ろすたびに誇りと喜びが込み上げるような感覚を与えてくれること。第2に、どんな服装であっても静かな自信を醸し出すほどエレガントに自分を飾ってくれること。そして最後に、それ自体がジュエリーとしての存在感を放つほど彫刻的であるか、またはほかのブレスレットと重ね付けできるほどのバランスを持っていること。ROミニは私にとって後者に当たる。つまり、ほかのブレスレットと重ね付けすることで輝きを増す、ディスコ時代へのオマージュのようなブレスレット型ジュエリーなのだ。このミニさがミディアムサイズのフロステッドロイヤル オークよりも主張しすぎず、むしろスタイリングに控えめながらも洗練された層を加えてくれる。2025年には、プレーンゴールドやツートーン(スティールとゴールド)のミニ ロイヤル オークが登場することを願っている。

 スモールウォッチのトレンドにおいて、間違いなくカルティエがトップランナーであることは否定できない。しかしROミニも今、輝かしい瞬間を迎えている。セリーナ・ウィリアムズ(Serena Williams)シモーネ・バイルズ(Simone Biles)リアーナ(Rihanna)の手首で輝くその姿を見れば一目瞭然だ。

– マライカ・クロフォード、スタイルエディター

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カルティエ タンク アメリカン スモール イエローゴールド
By Rich Fordon

 2024年は、これまでのどの年よりも多くのドレスウォッチを検討し、探し求め、購入した1年だった。私が手に入れた時計はどれも現代のものではなかった(私は典型的なヴィンテージ愛好家だ。面倒くさいのは自覚している)。しかしカルティエはヴィンテージ愛好家にとってきわめて魅力的なモダンドレスウォッチ、タンク アメリカン スモールをひそかにリリースしていた。

 名前に惑わされてはいけない。このサイズは多くの手首にフィットし、私の7.25インチ(約18.4cm)の手首にも完璧に収まる。ちなみに、私は身長193cmだ。この新しいカルティエが好きな理由の大部分は、私のお気に入りのヴィンテージウォッチのひとつ、1970年代のパリ製タンク サントレ ミディアムサイズをほうふつとさせるからだ。50年の時を経てミディアムがスモールに変わるのは、なんだかおもしろい話だ。ヴィンテージサントレは幅20mm×長さ36mm、そして2024年のタンク アメリカン スモールは幅19.4mm×長さ35.4mmだ。もちろんタンク サントレとタンク アメリカンは技術的には異なるモデルだが、このふたつを比較したときの違いは、現代のアメリカンではブランカード(仏語で担架の意)がわずかに厚くなっていることくらいだ。それ以外に大きな違いはない。

 そして予想される批判に先んじて言っておこう。そう、この122万7600円(税込)の時計にはクォーツムーブメントが搭載されている。正直に言えば、現代において18Kイエローゴールド製のカルティエを手に入れるというのは、そういうことなのだ。そして誰もカルティエをムーブメント目的で購入するわけではない(トーチュ モノプッシャーを除いては)。ヴィンテージサントレにはカルティエ製Cal.78-1が搭載されている。これはETA 2512をベースにして、トレインブリッジにカルティエの刻印を施したムーブメントだ。特筆すべき点はないが、それでも私はこのムーブメントが大好きだ。

– リッチ・フォードン、エディター


バルチック プリズミック ジェイドグリーン ダイヤル
By TanTan Wang

 今年、手に入れなかったことを後悔している時計は? 私にとって、それは間違いなくバルチック プリズミック ジェイドグリーン ダイヤルだ。最初にストーンダイヤル仕様のプリズミック3モデルをプレビューしたとき、これはすぐに完売するだろうと確信していた。もしかすると、ストーンダイヤルブームにはすでに少し飽和感があるのかもしれない。だが正直に言えば、このモデルはそういった流行の陰りを感じさせないほど際立っていた。

  今年はほかのブランドからも、手ごろな価格帯のストーンダイヤルモデルが数多く登場した(同僚のリッチが選んだ15万円いかのデニソン A.L.Dなどがいい例だ)。しかしバルチックのプリズミックは、やや高価格帯ながらも完璧な1本だ。搭載されているプゾー7001は手巻きムーブメントとして十分な実績を持ち、その点で信頼性は申し分ない。これによって、残る焦点はデザインと美しさに集約される。ケースは直径36mm、厚さ9.2mmで、クラシックなカクテルウォッチのプロポーションを備えている。そこにグレード5チタンを一部に使用することで、視覚的なアクセントが加えられているのだ。さらにラピスラズリ、ジェイドグリーン、レッドアゲートという3つのダイヤルオプションがそろい、どれを選んでも完成度の高い組み合わせとなる。

 今年初めにこれらの時計についてHands-On記事を公開したとき、大半の読者が“これは傑作だ”と感じたようだった。その評価はインターネット全体でも同様で、すべてのモデルがわずか4分で完売した。私のなかに募るFOMO(取り残されることへの恐怖)を考えると、私自身、そしてこのモデルを手に入れ損ねたほかの人々も、バルチックが今後のプリズミックで別のストーンダイヤルを探求してくれることに大いに期待している。

– タンタン・ワン、エディター


A.ランゲ&ゾーネ ランゲ1 30周年記念オニキスダイヤル
By James Stacey

 ご存じの方も多いだろうが、僕は普段ほとんどの日にスポーツウォッチを手に取るタイプだ。しかしドレスウォッチを考えるなら、A.ランゲ&ゾーネ ランゲ1の30周年記念限定モデル、特にブラックオニキスの文字盤を備えたバージョンを無視することは難しい。この秋、オードレイン・コンクールでランゲとともにこのモデルを目にし、撮影する機会があったのだが、プラチナケースに収められたフルサイズのオニキスダイヤルのランゲ1に完全に心を奪われてしまった。だって、ただ見て欲しい。本当に美しい時計なのだから。

 私の好みからすると、ランゲ1はまさにドレスウォッチのアイコン的存在だ。そして特に気に入っているのは、エレガントかつ特別なものをつくり上げるという、ほぼマキシマリスト的なアプローチだ。多くのブランド(ランゲのほかのモデルも含めて)は、時刻表示のみや極薄ケース、時には秒針すら排除したデザインを選ぶことが多い。しかしランゲ1は違う。象徴的な非対称の時刻表示、グランドデイト表示、そして手巻きムーブメントならではのパワーリザーブインジケーターを備えている。これらすべてが、ステルス性の高いプラチナケースと深く漆黒に輝くオニキスダイヤルで表現されているのだから、今年も来年も、私はこの時計をつけるためのドレスアップの理由を探し続けることだろう。

– ジェームズ・ステイシー、編集長

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