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Editors' Picks Watches & Wonders 2024でチューダーは何を発表するのか?

水晶玉を覗き、まったく実現しないチューダーの新作予測をする(毎年挑戦している)。

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これを毎年やっているのは義務だからではない。我々が予測するのは、単にこの企画を愛し、それに夢中になっているからだ。そして正直に言うとこのゲームはかなりおもしろい。我々は毎年のショーシーズン(かつてのバーゼルワールドであれ、SIHHであれ、いまのWatches & Wondersであれ)ごとに、W&Wの初日までアカデミー賞の投票用紙ほどに秘密が保たれているチューダーとロレックスが何を発表するのか、推測(または夢想)している。今日はチューダーから始めよう。現在のカタログを分析し、水晶玉を覗いて何が見えたか、または個人的に何が来て欲しいかについて、それぞれ非常に個人的なチョイスをした。

 編集長として、これは私が1年で最も好きな作業のひとつだ。なぜなら、編集チーム全員が時計ライターとしてのそれぞれの感性から生まれたアイデアを出し合うからである。アイデアのなかには、Adobe Photoshopのユーザーとして、私のキャパシティを超えるものもある。話がそれた。これはジュネーブに向けて出発し、W&Wの奇妙な世界に入る前に、少し楽しんでみようということなのだ。我々は正解を出しているのか? おそらく正解はないだろうが、それはほとんど問題ではない。両ブランドが我々に何を見せてくれるのか、あと数日後に判明する。ああ待ちきれない。我々の選択についてどう思うか、コメントで教えて欲しい。また、もしあなた自身の予測があれば、是非聞かせて欲しい!


チューダー レンジャー II/ジェームズ・ステイシー
Tudor Ranger II

 優れたフィールドウォッチのシンプルさと機能性は高く評価できるが、僕はベゼルだけであれ、何かしらのコンプリケーションであれ、機能が追加された時計のほうがはるかに好きだ。それを念頭に置いて、2024年のWatches & Wondersでチューダーに望むもの/予測は、常用に役立つ12時間ベゼルを組み込んだ、レンジャーのセカンドモデルというシンプルな再考だ。おそらく、ほぼすべての時計にとって最高のオプションである12時間ベゼルは、回転ベゼルと12時間表示のインサートさえあれば、ムーブメントに変更を加えることも複雑な機構を追加することもなく、簡単に第2時間帯を表示することができる。僕の考えでは、チューダーはこれをレンジャー IIと呼び(第2弾としても2タイムゾーンウォッチとしても)、現行のレンジャーがチューダーのラインナップのなかで素晴らしいピースとなるすべての要素を備えつつ、さらに12時間ベゼルの追加機能を備えた、優れた日常使いの時計となるだろう。

 レンジャー IIは、チューダーのラインナップの重要な部分として同コレクションを再確立するだけでなく、レンジャーの値ごろ感と汎用性を生かしながら、ブラックベイ プロのような時計の補完としても機能すると思う。もう少し小さくしたいのであれば、それもいいかもしれないが、このベゼルを加えたことで文字盤がやや小さくなることを余儀なくされるかもしれない。ただしそうすれば、現在の39mmよりも横幅を小さくすることなく、プロポーションを整えることができるのではないだろうか。


ブラックベイ 54 イエローゴールド/マライカ・クロフォード
Black Bay 54

 なぜ欲しいものを求めないのか? もし時計の神様が、イエローゴールドの37mm径ロレックス サブを否定するのなら、これこそまさに私が望むセカンドバージョンになったと思う。私はBB54をきっかけにチューダーに興味を持った。この37mmのブラックベイはチューダーが1954年に発表したRef.7922と、その兄弟機で手巻きムーブメントを搭載した7923の両方に基づいている。

 2024年において、小振りなスポーツウォッチにもチャンスが与えられるべきだという明白な議論はさておき、この時計はオリジナルデザインの信条に忠実でありながら、恐るべきフェイクヴィンテージに見せることなく、現代的な方法で復刻ができると教えてくれる。これは時計に限らず、あらゆる製品デザインのカテゴリーにおいて実に難しい、偉業とも言えることだ。

 しかし、このヴィンテージダイバーズウォッチの方程式に、イエローゴールドはどのように適合するのだろうか? 実はそうではない。チューダーのようなブランドにとっては少し異端である。しかし、もし彼らがブラックベイ S&Gのみならず、金無垢でグリーンダイヤルを持つBB58を製造しているのであれば(申し訳ないがその時計は私には合わない)、なぜイエロー(ブロンズはご勘弁を)の54を求めてはいけないのだろうか?


ブラックベイ プロ “ポーラー”/トニー・トライナ
Tudor Black Bay Pro

 チューダーが2022年にブラックベイ プロを発売したとき、大きな注目を集めた。しかしいろいろあって、それ以来あまり話題にしていない。最近はほかにも手ごろなトラベルウォッチやGMTがたくさんあるからかもしれない。今年はチューダーにとって比較的成長する年になると思うので、ぜひブラックベイ プロをアップデートして欲しい。私はPhotoshopを操る同僚ためにシンプルなデザインにして、昨年チューダーがブラックベイ GMTに追加したオパラインのようなホワイト文字盤をつけることにした。最近のロレックスやチューダーのコレクションには、白文字盤のスポーツウォッチがあまりないため、このコレクションに自然に追加するのにいい機会かと思ったのだ。これは、かつて存在しなかったホワイト文字盤のエクスプローラー II 1655を模したようなもので、次世代のエクスプローラー IIに搭載されるであろうポーラーダイヤルに向かってさりげなく言及している。

 画期的ではないが、それはそれでいいのだ。


ビッグ ブロック クロノ スティール/マーク・カウズラリッチ
Tudor Big Block

 チューダーが昨年、Only Watch 2023モデルとして金無垢クロノグラフの“ビッグ ブロック”を発表したとき、私を疑い深い者から信者へと変えた。T-fitクラスプ(これはいつもおまけだ)や、ゴールド(身につけられるかどうか行ったり来たりしている)だからというわけではない。本当にうれしかったのは、チューダーが本質的に将来のリリースのプロトタイプであるものを販売しているという事実だった。“延期された”Only Watchオークションが今後どうなるかはまだ分からないが、今年、新しいステンレススティールのビッグ ブロックが出てきても驚かないだろう。

 もし推測が正しければ、それは単なる幸運ではない。Only Watchのユニークピースは1976年に発表された、ブランドのクラシックなバルジュー7750搭載のビッグ・ブロック クロノグラフの、印象的かつ重量感のある復刻版だが、デザインは1989年に発表されたRef.79160との共通点のほうが多い。チューダーはそのデザインを34年後に再び持ち込んだが、今回は同社初の自社製クロノグラフムーブメントを採用している。チューダーとロレックスの黎明期を思い出して欲しい。ロレックスの自社製ムーブメントは、大きなセールスポイントだったのだ。今は多くのことが変わった。現在、チューダーはムーブメントの革新を優先事項に挙げており、これもまた印象的な例である。

 昔の“ビッグ ブロック”ウォッチは、7750の自動巻きローターを収納するために、ケースを厚くしたことからそのニックネームがつけられた。人々がGMTにも望んでいたように、チューダーが新しい時計をスリムにしてくれることを願っている。セラミックベゼルやおそらく“エキゾチック”なダイヤルデザインを備えたより現代的なものは、ブランドの歴史に敬意を表しつつ、ヘリテージクロノグラフがラインナップから消えて以来見られなくなった80年代、90年代の雰囲気を取り戻すのに、完璧な方法となるだろう。

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ノースフラッグをチタンで刷新/ダニー・ミルトン
North Flag

 イベントを前にして、この時計が誰かの話題の中心になっていたとは思わないが、今年の選択にはあえて定番から外れたものを考えようと、真剣に取り組んだ。葛藤しながらも、ふたつのアイデアが思い浮かんだ。最初はフルゴールドのブラックベイ クロノ(この記事のヒーローイメージを参照)だが、目新しさはなく、復活感が少ない。それから私は“ノースフラッグはどうだろう?”と考えた。この時計は製造中止になっているが、現代のチューダーの物語の重要な部分を表している。発売当時は、ブランド初の自社製クロノメーター級ムーブメントを誇り、シースルーバックも備えていた。当時、ブランドにとって最も重要な時計であるブラックベイに、ETAベースのキャリバーを搭載していたと考えると、驚くべきことだった。

 ケースとブレスレットのデザインは、往年のロレックス オイスタークォーツをほうふつとさせ、明らかに70年代風一体型モデルの特徴を捉えていた。そこで私が考えたのはこうだ。 チューダーはノースフラッグを復活させたが、兄貴分のロレックスに倣ってチタン製にする。一体型ブレスレットは今も流行しており、チューダーはロイヤルでこのデザインをまだ生産しているため不可能ではない。復活させたノースフラッグでは、パワーリザーブインジケーターを廃止し、“9”のアプライドを採用することでデザインに統一感を持たせた。さらにイエローというテーマを、全体のルックに結びつけるために、私はエアキングのようにチューダーのシールドをイエローへと着色し、それに合わせてイエローの水深表示を追加した。これをマスタークロノメーターにしようかとも思ったのだが、来週実現すれば、そうしなかったことを後悔するかもしれない。しかし本質的にこれはツールウォッチであり、チタンとの相性はいいように感じる。チューダーも、さらに耐磁性を高めようと努力する姿が浮かぶ。ただいずれにしても、これが2024年における私の“インスパイアされた”選択であり、チューダーがそれを実現しなくても(おそらくしないだろうが)、私はそれを支持したいと思う。


31mmのブラックベイ 58 “ミニ” ピンクダイヤル/エリン・ウィルボーン
Black Bay Pink

 これは私の個性のひとつ(欠点と言う人もいるかもしれない)なのだが、このような事柄に関しては、現実的または実用的なものを一貫して嫌う。実際のデータや具体的な情報よりも、想像力に基づいて時計の予測を行うほうが、私にとってはずっと魅力的でエキサイティングなのだ。

 とはいえ、時計業界ですでに語られているダウンサイジングや、チューダーが最近リリースしたピンクダイヤルの“ブラックベイ クロノ”を考えると、私の予想はそれほど突拍子のないものではないかもしれない。マイクロミニスカートがファッション界で復活しつつあるのなら、チューダーもマイクロミニのBB58をレパートリーに加えることを検討してもいいと思うのだ。スポーティで伝統的にメンズライクなものを、ミニサイズにすることで生まれるコントラストには、デザインの観点から非常にエキサイティングなものがあると感じる。このアイデアは本当に手の届かないものだろうか? 31mmのブラックベイはすでに存在しているが、このアイデアは本当に実現不可能なのだろうか? 私はそうは思わない。しかし、チューダーの設計・製造チームは断固として反対するかもしれない。