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Introducing ロレックス サブマリーナー Ref.124060 2020年新作はケース径41mmで新型ムーブメントを搭載(編集部撮り下ろし)

史上最もアイコニックな時計が、わずかなアップデートを獲得。ケース径41mm、新型ムーブメントを搭載、より幅広のブレスレットも装着した。


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時計関連のニュースでこれほど大きなものはないでしょう。世界初の複雑機構があるわけでもなければ、著名人が着けていたからという理由でオークションの落札額の記録が更新されたわけでもなく、そして独立系時計メーカーが大手グループに買収されたわけでもありません。でもこのニュースはそれよりもはるかに大きなものです。ロレックスが新作のサブマリーナーをたった今発表したのです。

 今ご覧になっているこちらの時計はRef. 124060。デイト表示のないステンレススティール製のロレックス オイスターパーペチュアル サブマリーナーの最新モデルです。今回はサブマリーナーのラインナップ全体が更新され、18KWGを使用したモデルや、デイト表示ありのバリエーションもいくつか登場していますが、この時計はその全ての基盤となるモデルです。新しいサイズ(41mm)であり、また新しいブレスレット(やや幅広になりました)をもち、さらに新キャリバー(3230)が搭載されています。それ以外は、非常に多くの点でサブマリーナーだといえます。

 これがロレックスの"新作発表"の面白いところであり、他の時計メーカーとの違いでもあるのです。何かクレイジーなことをしたいという誘惑はあるに違いないのですが、ロレックスの冷静な決意が勝り、結果としてクラシックモデルの品質を客観的に向上させることに成功しています。

 サブマリーナーで最後にフルモデルアップデートがなされたのは2012年のことで、2010年に登場したRef.116610のノンデイトバージョンであるRef.114060です。Ref.116610は、セラクロムベゼルと幅広のマキシケースを採用を初めてのサブマリーナー。Ref.114060は、それらの特徴をノンデイトサブマリーナーに用いたもので、それ以来、同社コレクションの主力モデルとなっています。

 今回、サブマリーナー全体のラインナップが一挙にアップデートされました。新しい見た目と感触、新ムーブメント、そして現代ロレックスのスポーツウォッチが何であるかについての新しい視点をもっています。では掘り下げてみましょう。

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新しい見た目、感触

 サブマリーナーの最も注目すべきアップデートは、新しいケースサイズ。1950年代にさかのぼると、サブマリーナーのサイズは39〜40mmで、41mmというのはこれまでで初めてのこと。なぜロレックスが1mmサイズアップしたのか今自問されているかもしれませんが、それは当然の疑問です。僕自身は、ロレックスの理論的根拠を推測することすらできません。しかし、違いはわずかですが顕著です。 これは、紙面上だけの変化でもなければ、記念碑的な変化でもありません。 見た目は少し大きく感じられますが、それでもしっかりとサブマリーナーの感覚があるのです。モデル名もシードゥエラーではありません。

 ケース径の数字だけに注目しているとアップデートの細かい点を見落としてしまう可能性があります。ラグがややスリムになったことで時計全体の外観とプロファイルが、1つ前の先代モデルよりもヴィンテージサブに近づきました。小さなことですが、これは大きな違いを生んでいると思います。やや幅広のオイスターブレスレットが合わさったことで、この変化も強調されています。ブレスレットとラグのプロポーションの幅がさらに大きくなり、よりシェイプアップされた、輪郭の豊かな時計になりました。

Ref.114060(左)と新型Ref.124060(右)を並べてみた。

右の新型Ref.124060の方が、左のRef.114060よりもスリムなラグになっている。

 また、文字盤とベゼルのプロポーションにも若干の変化があります。ロレックス公式の正確な測定値がないため、これは全て僕の観察に基づいたものですが、ベゼルは文字盤の開口部に対して少し幅が広くなっているように見え、これは時計に少し大胆な外観を与えるように思います。ごくわずかなことですが、今ここで話している変更の全てがそうなのです。

 文字盤の実際の変更点としては、本当に近くで見ないと分からない部分もあります。唯一の明白な変更は、文字盤下部にあるテキストです。単に"Swiss Made"と表記するのではなく、この2つの単語の間にロレックスの王冠が入っていて、文字盤の一番下に配置、ミニッツマーカーが下ではなく上に出ています。書体は全体的に少し短く、幅広になっており、深度表示などはより頑丈でモダンな印象を与えています。よく見ると、分針も秒針の両サイドも少し長くなっています。(これはエクスプローラーの針の変更とは異なりますが)ほとんど気づかないほどのものですが、確かにそれはあるのです。


キャリバー

 時計の内部を見ることはできませんし、多くの人がロレックスの正規店でそれについて尋ねるなんてことはないかもしれませんが、新キャリバーはこのRef.124060で導入された最も重要な変更かもしれません。ここ数年にわたって、ロレックスは全ての時計のムーブメントを着実にアップデートしてきました。多くの場合、密かに、しかしデイトジャストのようなモデルへの重要な変更の一部として。今回の新キャリバー3230の導入は、細かですが重要な意味をもつのです。

クロナジーエスケープメントを知る

2016年にジャック(・フォースター)は、現代のロレックス デイデイト40とそれを駆動するCal.3255の詳細記事を公開しました。デイデイトの美しい写真が数多く掲載されていますが、彼はまたクロナジー脱進機がどのように動作し、なぜそれが重要なのかについて、技術的な洞察を数多く提供しています。新作サブマリーナーを真に理解するために、ぜひご一読を。

詳細記事はこちら(英文のみ)

 技術的な詳細を説明する前に、Cal.3230の実用的な利点は、冗談抜きで一般消費者が気づき、恩恵を受けるであろうことをお伝えしておきます。新キャリバーによってより長い70時間のパワーリザーブ(Ref.114060のCal.3130が提供する48時間よりも50%近く長い)と、ロレックス独自のクロナジーエスケープメントを利用できるため、長い時間より効率的で信頼性の高い計時が実現可能です。つまりこれは、引き続き-2/+2秒の精度を得ることができ、特別なパラクロムヒゲゼンマイをもち、“Superlative Chronometer”(ロレックス 高精度クロノメーター)も獲得するということを意味します。また、オーバーホールが必要になるまでに、サブマリーナーからその精度を享受することができるということでもあるのです。

 さて、Cal.3230は技術的には新しいものですが、既にバーゼルワールド2015でデビューし、日付表示を備えたCal.3235をベースにしたものです。そのムーブメントは、最初にパールマスターで使用されました(曜日表示のあるCal.3255と共に、デイデイトでも使用できるよう初公開されました)。それ以来、デイトジャストやシードゥエラーにも採用されています。3235は最新世代のサブマリーナーデイトに搭載され、新しく登場したいくつかのノンデイトサブにも搭載。これはロレックスの真髄を感じる着実な技術開発の類であり、同社のフラッグシップモデルが現代的なムーブメントを取得したことを目の当たりにできたわけです。

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全体像

 サブマリーナーが大きくなると最初に聞いたときは少し心配でした。マキシケースは、既にRef.114060を以前のサブマリーナーよりもはるかに大きな時計のように感じさせたため、このクラシックモデルに対してサイズアップがどんな風になるのだろうかと思っていたのです。しかし、結局単なる取り越し苦労でした。新型のサブマリーナーを1時間かそこら触っただけですが、短時間にも関わらず僕を本当に驚かせました。新しいケースのプロファイルは、たしかに数字だけ見ると大きいですが、より快適な着用感で、手首の上でそれほど大きくは見えません。サブマリーナーのケースが大きくなったというよりは、もはや別物と言う方がおそらく適切だし、より役立つ個性だと思います。

ロレックス サブマリーナーについて知っておくべき全てのこと

ロレックス サブマリーナーは、史上最も象徴的な時計の1つ。1953年に初登場以来、何度もアップデートが重ねられているが、その更新内容はわずかな部分だ。我々の記事「リファレンスポイント: ロレックス サブマリーナー 歴代モデルを徹底解説」にて各リファレンスを分け、コレクターの考察と共にこの伝説的な時計を理解するために必要な情報を公開しています。

詳細は当該記事にて。

 ロレックスの幅広い全ラインナップの中で新型のサブマリーナーは、同社コレクションの穴を埋めるような存在。ロレックスは現在、40mmのヨットマスター、43mmのシードゥエラー、そして44mmのディープシーを提供しています(もう1つ忘れてはならないのは―37mmの貴金属製のヨットマスター)。これは、ロレックスの正規店に行き、さまざまな素材、ダイヤル、およびベゼル構成で、40〜44mmの範囲でロレックスのダイバーズウォッチを手に入れられることを意味します。 ― そう、理論上は。全てのロレックスのスポーツウォッチと同様に、この新型サブマリーナーは、非常に入手困難になる可能性が高く、ロレックスのディーラーに足を踏み入れて豊富な在庫から選択肢の1つを選ぶなんてことは絵空事ですが、それはまた別の議論です。

 ロレックスが過去5年間にクロナジー搭載ムーブメントを最新世代のモデルに導入したのと同様に、プロフェッショナルケースとブレスレットへのこの新しいアプローチが他のモデルにも応用されていくのかどうかは興味深いところ。正直、そうならなかったとしたら驚きです。ロレックスは何もしないのです。次世代のGMTマスターがよりスリムなラグを採用? または、次のエクスプローラーが別のスタイルのオイスターブレスレットを搭載? 時が経てば分かりますが、サブマリーナーをマキシケースから外すことは、僕がこれまでに見たことのない前兆です。

 世界中の多くの人々にとって、ロレックス サブマリーナーはプラトニックな理想の"素敵な時計 "です。多くの人が"時計"と言ったときに想像するものです。頻繁に使われる言葉である "アイコニック"は、サブマリーナーの正当性を示すものではないため、変更を加えるというのは大きな問題となります。ロレックスの古典的なやり方で、このジュネーブに拠点をおく時計メーカーは、派手にやるのではなくまるで囁くかのように実行し、サブマリーナーに実質的なアップグレードを提供したわけです。40mmのサブマリーナーが死に、41mmサブマリーナーの長い人生が始まりました。

新型サブマリーナーRef.124060の詳細については、ロレックス公式サイトへ。


全仕様
基本情報

ブランド: ロレックス(Rolex)
モデル名: サブマリーナー(Submariner)
型番:  124060

直径: 41mm
ケース素材: オイスタースチール
文字盤色: ブラックラッカー
インデックス: ドット、バー、トライアングル
夜光: あり、インデックス、針、そしてベゼルのルミナスポイント
防水性能: 300m (1000フィート)
ストラップ/ブレスレット: オイスターブレスレット(オイスターロックとグライドロッククラスプ付き)

ムーブメント情報

キャリバー: 3230
機能: 時、分、秒
パワーリザーブ: 70時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 4 Hz (2万8800振動/時)
石数: 31
クロノメーター認定: スイス公認クロノメーター検査協会(COSC)と 自社認定基準をクリア
追加情報: ハック機能、クロナジーエスケープメント、常磁性素材のアンクルと脱進機

価格 & 発売時期

価格: 77万7000円(税抜価格)
発売時期: ロレックス正規代理店にてまもなく。
限定: なし、通常生産モデル。