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クイック解説
オーデマ ピゲが全く新しいコレクションを発表するということはあまりありませんが、先日登場したのはまさしくそれなのです。同社の過去の美しい時計から着想を得た自動巻きクロノグラフ、リマスター01をご覧ください。
オーデマ ピゲが20世紀初頭に製造したクロノグラフは、ごくわずか―307本のみ―であり、同社でも最も興味深い時計の一つです。2014年にアルフレド・パラミコ氏(Alfredo Paramico)とのTalking Watchesに登場し、翌年にフィリップスオークションで販売されたのを覚えていらっしゃる読者もいらっしゃるかもしれません。そのときはオーデマ ピゲが落札しましたが、このリマスター・プロジェクトのアイデアは、それ以前に始まっていたのです。
オーデマ ピゲ コンプリケーション部門の責任者マイケル・フリードマン氏は、プレスリリースで「人々は、1970年代と200年代初頭に起こったデザインの変革を非常によく認識しています」と述べています。「しかし、我々の歴史で創造的なケース形状と文字盤デザインは、10年ごとに登場してきました」。彼はまた、「これは歴史的な復刻ではなく、私達の過去の作品の1つを現代的にリマスターしたものなのです」と強調しています。
これは重要な違いといえます。言葉的な意味合いだけではなく、前者は、元の形に忠実であるものであり、後者は概念として忠実であるということなのです。このリマスター01は、1943年のオリジナルの時計と非常によく似ていますが、スペックシートを見たり、時計を実際に見るとそれだけではないことにすぐに気づきます。時計は直径40mm、現代の自動巻きクロノグラフでは、特にこれといって厚くも薄くもない14.6mmのケース厚になっています。
ケースバンド、ラグ、ケースバックは、SS製。ベゼル、リューズ、プッシャーはピンクゴールド製で、独特のコンビケースはそのままです。次にイエローとシャンパンの中間のようなゴールド文字盤と組合わさり、垂直のサテン仕上げと鮮明な印字が施されています。クロノグラフ針とタキメータースケールは、青字で印字されアクセントとなっています。また、クロノグラフの30分積算計には、サッカーの試合時間の半分を計るための赤い45(これもオリジナルからそのまま維持されています)も含まれます。でも僕の好きなヴィンテージテイストは? もちろんあります。オールドスクールの"Audemars, Piguet & Co / Genève"のロゴです。これは抜群にいいですね。
この時計に搭載されているムーブメントは、自社製の自動巻きクロノグラフムーブメントであるCal.4409です。同社によって非常に高水準で仕上げられています。ムーブメントに少し馴染みを感じるのは、これが昨年のCODE 11.59クロノグラフに搭載されたCal.4401のモディファイバージョンだからです。今回のバージョンでは、日付表示が取り除かれ、ローターの装飾は、エレガントなホブネイルパターンからスケルトン化されています。一部の愛好家は、なぜこの時計がオリジナルのように手巻きではないのかと疑問に思うかもしれません ―しかし、これはリマスターであり、復刻ではないのです。覚えていますよね?
リマスター01は、500本限定で、オーデマ ピゲのブティックでのみ手に入れることができます。ブティックの多くは、COVID-19のために閉鎖されていますが、ブティックが再開すればすぐに初期入荷分の時計を手にできるはずです。販売価格は、税抜で555万円です。
ファースト・インプレッション
ネタバレ注意:僕はすでにこの時計を実際に見る機会がありました。そしてとても素晴らしいと思いました。来週には、この時計の背景にある歴史を深く掘り下げ、現代の再解釈がどのようになされてきたのか、オーデマ ピゲの歴史にとって何を意味するのか、そしてもちろん、たくさんの撮りおろし画像を通してそれについてさらに多く紹介していきます。お待ちいただく価値があると約束します。
しかし今のところ、この時計は、APがコレクターとどのような関係を築きたいのか、どのように製品提供をしたいのか、そして重要な技術開発をどのように計画しているのかといった同社の考えを示しているように思います。それはまた、CODE 11.59について昨年大騒ぎした全ての人が落ち着くべきもうひとつの理由でもあります。オーデマ ピゲは、地球上で最も優れた時計メーカーのひとつです(例えば、ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー ウルトラシンなどがその証です)。どんな規模で物事を行うにせよ、彼らの内部の頭脳や信頼が集結し、推進させることで信じられないほどのことが実現可能なのです。現代のロイヤル オークを超えてブランドを拡大し続けるために、APがどのように新キャリバーを構築し続け、CODE 11.59の立ち上げで得たノウハウ(このムーブメントなど)を見続けるのかは興味深いでしょう。
この時計の発売は、来るオーデマ ピゲの新しい博物館の再開と同時に行われることが計画されています。6月25日に一般公開され(詳細はこちら)、もし訪問すればこの作品に影響を与えた1940年代のオリジナルの時計も見ることができます。
とはいえ、それ自体のメリットを生かして、これが昨年僕が見たものと比較しても、かなり良い商品の1つであると思っています。美しく、技術的にも印象的であり、多くのストーリーと歴史を身に着けられる手間のかからないパッケージに収めた時計です。普通とはちょっと違う高級クロノグラフを探しているのなら、これはあなたのための時計といえるでしょう。
基本情報
ブランド: オーデマ ピゲ(Audemars Piguet)
モデル名: リマスター01 クロノグラフ([Re]master01 Selfwinding Chronograph 40mm)
型番: 26595SR.OO.A032VE.01
直径: 40mm
ケース素材: ステンレススティールとピンクゴールド
文字盤色: イエローゴールド調の文字盤にブルーのタキメータースケール
インデックス: アラビア数字とバトンインデックス
夜光: なし
防水性能: 20m
ストラップ/ブレスレット: 明るいブラウンのカーフスキンストラップとダークブラウンのアリゲーターストラップ
ムーブメント情報
キャリバー: 自社製Cal.4409
機能: 時、分、秒、クロノグラフ、12時間と30分積算計
直径: 32mm
厚み: 6.82mm
パワーリザーブ: 70時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 4 Hz (2万8800振動/時)
石数: 40
合計部品数: 349
追加情報: このムーブメントは、CODE 11.59 クロノグラフのキャリバーの改良版で、日付表示機能を取り除いたもの。
価格&発売時期
価格: 555万円(税抜)
発売時期: 全世界のオーデマ ピゲブティック
限定: 500本
詳細は、オーデマ ピゲの公式サイトをご覧ください。
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