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Introducing チャペック アンタークティック コレクション

全く新しいムーブメントを搭載したチャペックの新作として、ステンレス製スポーツウォッチが登場した。

 ステンレススティール製のスポーツウォッチを作るための必須条件は、いくつかのハイエンド時計ブランドを手つかずのままにさせている。それは理にかなっていて、なぜならそれは、コレクターたちが望むスタイルであるからだ。そして今日、ジュネーブに拠点を置くチャペックも例外ではなくなった。ジュネーブに本拠地を置くチャペックは、手巻きドレスウォッチのパワーリザーブを拡張したことで最も知られるブランドである。そんな同社が、新しい自動巻きムーブメントを搭載した、ブレスレット一体型のステンレススポーツウォッチの新コレクションを発表したのだ。早速見ていこう。

 今回発表された、チャペック アンタークティックは2つのバージョンがあり、99本のメインコレクションと10本単位で製造される手仕上げの文字盤を備えたスペシャルエディションが用意されている。どちらも40.5mm×10.6mmのステンレススティールケースを採用。2020年秋に予定されているラインには、レディスの新作をはじめ、さらに多くのモデルが登場するようだ。

 2つのバージョンのうち、本日最初にご紹介するテール・アデリー(Terre Adélie)は、4種類の文字盤バリエーションがある。シークレット・アロイ(上写真)、ディープブルー、ブラック・インク、そしてバーガンディで、それぞれ夜光塗料の載ったソード・シェイプの針とインデックスが付く。これらの時計の文字盤、特にシークレット・アロイの文字盤は視覚的に印象的だ。どれもアンタークティックが醸し出す70年代の雰囲気に合っていると思うが、特にバーガンディやディープブルーの文字盤が合っている。
 ダイヤルは、メタレム社が設計、製造したラメと呼ばれる技術を使っている。櫛を使って特徴的な筋を残すことで、文字盤に施された色に深みをもたせている。ここで見られる効果は、例えばフェルディナント・ベルトゥーの特定の時計の文字盤に見られるものに似ている。しかし、同社の文字盤(少なくとも私が見たもの)の方が遥かに長い縞模様をもっているのに対して、チャペック アンタークティックの場合は、よりニュアンスがあり細かいように見える。各バージョンには日付表示窓があるが、6時位置にあまり目立たないように配されている。

 この時計の名前は、その完成に至るまでに与えられた使命を暗示している。プロジェクトの開始時から、チャペックは、どこでも、事実上どんな環境でも、地球の果てまで身に着けられるような、非常にエレガントな腕時計を作りたいと考えていた。アデリー(Adélie)は、1840年にフランスの探検家ジュール・デュモン・デュルヴィルが南極を探検した際に発見した半島を、彼の妻の名前アデル(Adèle)にちなんで、テール・アデリー(Terre Adélie) : アデリーランドと命名したことへのオマージュだ。
 テール・アデリーは、アブラアン–ルイ・ブレゲの時代から存在していた時計の販売方法である、サブスクリプション(予約購入)の形で、合計99本が限定生産され、7月15日に注文を締め切る。

 限定版のアンタークティックは、その見事な手仕上げの文字盤デザインからオリオン・ネビュラと名付けられている。下の画像のように、この文字盤はより控えめなテール・アデリーとは全く異なる特徴をもっている。本バージョンは、10本のみの限定生産で、今すぐ入手可能だ。

 アンタークティックは、ただ新しいコレクションであるだけでなく、新型ムーブメント・SXH5の登場も意味する。SXH5は、チャペックのチームによって自社内で考案され、スイスの多くの協力者の助けを借りて完成されたムーブメントだ。このマイクロローター搭載の自動巻きムーブメントは、6つの内角に手作業で面取りを行うなど、精巧な仕上げが施されており、見た目にも印象的である。おそらくマイクロローター(完全にリサイクルされた18Kゴールド製)の後に最初に気がつくのは、19世紀の懐中時計にインスパイアされたスケルトン加工されたブリッジだろう。輪列を点検できるように開かれている。アトカルパ社が提供した脱進機は、大型の可変慣性テンプを備えている。本キャリバーは、クロノメーターの規格内に調整されている点は注目に値するだろう。文字盤に書かれていることからお気づきかもしれないが、COSCによってクロノメーター認定を受けている。アトカルパ社とその脱進機の他に、コンポーネントとムーブメントの製造パートナーとして、チャペックのプレスリリースで言及されているのは、ABプロダクト、アルコフィル、セラマーレ、クロノード、CMT -リッケンバッハ、コンブルミーン、クレリエ、ジェネラル・ルゾー、アンカ、イノデコ、MLV、MPS、ノヴァソール、プレシプロ、リーザ、ストッコらである。

 デザインの観点から見るとアンタークティックは、ステンレススポーツウォッチのジャンルに最近登場した他の全てのモデルと同様に、その原点となるモデルと比較されるだろう。特にアンタークティックの場合、比較対象はロイヤル オークに落ち着く可能性が高いと思われる。ブレスレットはロイヤル オークと視覚的効果は似ているものの、実は構造はかなり違っている。チャペックは、高度に研磨されたセンターリンクの「C」の形をしたデザインが、ブランド名の最初の文字を連想させると述べている。そしてそれは、ロイヤル オークのブレスレット同様に魅力的だ。両ブレスレットに共通する特徴である、リンクの大胆な角ばった形が、私をこのように思わせたのだと思う。

 私はアンタークティックを実際に手に取る機会は無かったが、40.5mm×10.6mmのケースサイズは、スリムで着け心地が良いだろうと思う。70年代風のトノー型ケースで、その形状がヴァシュロン・コンスタンタンの222やオーヴァーシーズ、そしておそらく前述のロイヤル オークを思い起こさせるのかもしれない。しかし、このスタイルのケースは、現時点ではジャンルとしてみなされるべきだ。 なぜなら、私の考えでは、このチャペックの時計は非常に独自のデザインであるからだ。よく見ると、それ自体が厳格な工業デザインのプロセスの産物であることが分かると思う。トノー型には丸みと柔らかさがあり、それは一対の控えめなリューズガードによって強調されている。アンタークティックのデザインの中でも特に気に入っているのは、マットなケースの表面と、鏡面仕上げのスリムなベゼルとのコントラストだ。

 クラシックスタイルのドレスウォッチで知られるハイエンドの独立系ブランドが、近年ステンレス製スポーツウォッチの分野に参入している。ウルバン ヤーゲンセンのワンや、ローラン・フェリエのトゥールビヨン グランスポーツなどがそれだ。昨年、非常に大きな独立系ブランドであるショパールは、アルパイン・イーグルでこの分野に参入した。また、独立系ではないが、A.ランゲ&ゾーネは、オデュッセウスを発表し多くの人を驚かせた。最近発表されたこうしたモデルの中で私が見落としているものもあるかもしれないが、チャペックのアンタークティックは、最も魅力的な時計の1つだ。テール・アデリーの文字盤を見ているだけでコレクションを実際に見てみたくなる。ケースとブレスレットの融合は、写真で見ると非常に幻想的に見えるが、この融合を実現するのはデザイナーにとって簡単なことではないのは間違いない。とはいえ、このようなブレスレットは実際に触らないことには評価は難しいのだが、そう遠くない将来、このコレクションを手にする機会があることを願っている。

チャペック アンタークティック テール・アデリーは235万円、オリオン・ネビュラ250万円(どちらも税抜予価)だ。テール・アデリーのサブスクリプション注文は、本日から7月15日まで受け付けられる。時計は今年の10月10日から出荷される予定だ。


基本情報

ブランド: チャペック(Czapek & Cie.)
モデル名: アンタークティック テール・アデリー(Antarctique Terre Adélie)

直径: 40.5mm
厚さ: 10.6mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: シークレット・アロイ、ディープブルー、ブラック・インク、バーガンディ(手仕上げによるラメ装飾)
インデックス: ソード・シェイプ
夜光: 針とインデックス
防水性能: 120m
ストラップ/ブレスレット: ブレスレット、ラバーまたはカーフストラップ(独自のイージー・リリースシステム付き)


ムーブメント情報

キャリバー: SXH5
機構: 時、分、秒、日付
直径: 30mm
厚さ: 4.2mm
パワーリザーブ: 56時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 4Hz(2万8800振動/時)
石数: 28
クロノメーター認定: あり、COSC認定
追加情報:自社内で、チャペックチームが「ゼロから」考案


価格・発売時期

価格: テール・アデリー 235万円、オリオン・ネビュラ 250万円(全て税抜)
販売時期: 2020年7月15日までのオーダー受付
限定: テール・アデリー 99本(オリオン・ネビュラは10本限定)

詳細は、チャペック公式サイトへ。