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Introducing ショパール アルパイン イーグル

ショパールのステンレススポーツウォッチの新作コレクションは、その名前とまでは言わないものの、1980年代初頭のヒットモデルのデザインと精神を感じさせるものだ。

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ステンレススポーツウォッチがここ最近流行っている――そんなことはわざわざ私の口から言う必要もないだろう。ロレックスやパテック フィリップ、オーデマ ピゲを扱う時計専門店に入り、実際にショーケースの中にスティール製のノーチラス、アクアノート、デイトナ、GMTマスターⅡ、あるいはロイヤル オークが並んでいるということは、かつては当たり前のことだった。しかし多くの人がご存じのように、今は違う。この状況について、ここに挙げた時計メーカーの一つを焦点に当て我らがジョー・トンプソン(Joe Thompson)が長編記事を執筆した。もしこういった時計メーカーのスティールウォッチに対する需要にその供給が追い付いていないのならば、経済力や意思を有する消費者たちはどうするのかと不思議に思うだろう。ショパールは、アルパイン イーグルという名の、スティール製スポーツウォッチを切望する人々を取り込むかのようなコレクションを発売する。

アルパイン イーグルの由来、より広い時計市場での立ち位置、ショパールのコレクション内での立ち位置を理解するには、サンモリッツというスポーツウォッチを振り返ってみるのが賢明かもしれない。サンモリッツとは当時、家業に新たに加わった22歳のカール-フリードリッヒ・ショイフレ(Karl-Friederich Scheufele)が1980年にデザインしたスポーツウォッチだ。スイスの名高いアルペンスキーリゾートにちなんだ名を冠し、さまざまなバリエーションが作られたサンモリッツは、やがて他のコレクションの影に埋もれてしまうまで、長年にわたって人気を博した。それからというもの、ミッレミリアと同コレクションのヴィンテージモータースポーツ界とのつながりがショパールのスポーツウォッチの領域を担うようになり、よりクラシックでエレガントな領域はL.U.Cコレクションが担うようになった。 

ショパールのサンモリッツは、ドライバー向けでもパイロット向けでもダイバー向けでもなく、上質な暮らしの中で見栄えのする時計として作られたものだ。しかし、サンモリッツコレクションが人気を博したのは相当昔のことで、ショイフレ家で一番若い世代のカール-フリッツ・ショイフレ(Karl—Fritz Scheufele)は、祖父であるカールが数年前にオフィスにこの時計を着けてきた時に一体どんな時計なのか尋ねる必要があった。彼が着けていたのは、サンモリッツのステンレスモデルで、一体型のブレスレット、トノー型ケース、ねじ込み式のベゼルを持った時計だ。孫のカールは「これこそ私たちが作るべき時計です」
彼の言うことには一理あった。2019年の今、人々がこぞって手に入れたがっているのはこのようなスタイルの時計だ。私たちは今日、往年のサンモリッツから影響を受けたショパールの新たなスポーツラグジュアリーラインの誕生に立ち会おうとしている。それでもアルパイン イーグルが、1980年当時とはずいぶんと異なり、スイス全土に生産施設を持ち、称賛に値する自社生産へのこだわりを持った現代のショパールのウォッチメーカーとしての在り方を示すものであることは言及しておくべきだろう。そして、ショパールの時計作りのノウハウの蓄積は、カール-フリードリッヒ・ショイフレの功績によるところが大きい。

アルパイン イーグルには、発表時点で41mmと36mmの二つのサイズがある。いずれのタイプにも自社製ムーブメントが搭載されている。41mmのケースには01.01-C機械式自動巻きムーブメントが採用されている。2万8800振動/毎時(4Hz)で、パワーリザーブは60時間だ。一方の36mmのケースには09.01-C自動巻きムーブメントが採用されている。こちらの振動数は41mmよりも少し遅い2万5200振動/毎時(3.5Hz)で、一度の巻き上げで42時間駆動する。どちらのムーブメントも自社で設計および生産され、COSCクロノメーターの認定を受けたキャリバーである。

発売時点では10の異なるモデルがある。日付表示機能付きの41mmバージョンには3つ、時間表示だけの36mmバージョンには7つのタイプがある。コレクションを目にし、36mmバージョンのケースやブレスレットに宝石があしらわれたタイプを見ると、こちらはレディスウォッチなのだと推察したくなる。しかしショパールの思惑は異なる。実際に、ダイヤモンドが入っていないシンプルなステンレススティール製の36mmバージョンもあり、この夏の初め、私はこのタイプを着用する機会に恵まれた。個人的には41mmバージョンの着け心地が好みだが、私の友人が36mmのモデルを着用している姿は容易に想像できた。

ショパールは長年、エシカルゴールドを使用することで知られており、アルパイン イーグルに使われているゴールドも同様だ。アルパイン イーグルで新しくなっている点は、ルーセントスティールA223と呼ばれるショパール独自のSS合金を採用したことだ。この素材には再利用されたSSが部分的に使われている。SSを新たな商品に再び使うという明らかな環境面での利点を越えて、ルーセントスティールA223には実用面での利点もある。その一つがビッカース硬度223というその優れた硬度だ。一般的なスティールの1.5倍の摩耗耐性を誇る。スティールもゴールドも、すべてのケースおよびブレスレット部分がショパールによって自社生産されている。

ケースの表面は交互にブラッシュとポリッシュで仕上げられており、8つのビスがベゼル、ミドルケース、ケースバックを一つにまとめている。2つ一組となって時計の基本方位に配置されたビスは、時計に100m防水の機能を与えるだけでなく、1980年に考案されたオリジナルサンモリッツのデザインに現代風のひねりを加えている。よく見てみると、ビス頭の線が文字盤の外縁に沿っていることが分かる。その方向にもしバラバラだったら気になっただろうなと思うし、この点においてショパールの仕事ぶりはスポーツラグジュアリーウォッチにとって適切なものだったように感じられる。

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41mmバージョンは厚さが9.7mmあり、内部には約4.95mm厚のムーブメントを搭載する。着け心地は薄く、しっくりとくる。アルパイン イーグルのデビューに際し、ショパールは41mmバージョンに3つのリファレンスを用意した。すべてがルーセントスティールA223の2モデル(ブルー文字盤とグレー文字盤)と、ルーセントスティールA223と18Kのエシカルローズゴールドのコンビ(スレートグレーの文字盤)だ。
価格は41mmのスティールタイプが 147万円 、最も高額なタイプはコンビで225万円だ。36mmバージョンはというと、私の17cmの手首にしっくりと収まったすべてスティールのタイプが115万円から、ベースはスティールだがダイヤモンドが入ったものが164万円、ツートーンタイプが183万円、ダイヤモンドが入ったツートーンは234万円、全体がゴールドのタイプが343万円となっており、ベースはゴールドだがダイヤモンドが入ったものは、ダイヤモンドの数によって395万円~516万円と価格が異なる。 

アルパイン イーグルのいくつかのタイプを試着したのだが、その着け心地とデザインのクオリティといった観点からブレスレットに感心させられた。この時計を手に取り、実際に腕に着けてみると、そのデザインや組み立てが非常によく考えられたものであることがはっきりと分かる。ショパールが参考にしたサンモリッツのブレスレットに似ていて、着け心地も上々だ。

アルパイン イーグルのいくつかのタイプの文字盤は、ワシの虹彩を連想させる光を反射する石のような質感をしており、この特徴がアルパイン イーグルという名の由来になっている。なぜサンモリッツと呼ばないのかと思う人もいるかもしれない。結局のところサンモリッツは人々の記憶に残っている時計で、この新たなコレクションも瞬く間にショパールの歴史に立脚するのではないか、と。
それに対する答えは、時計メーカーのスウォッチグループがサンモリッツ自治体と現在も有効な合意を有しており、このコレクションに関しては別の方向を目指し、まっさらなスタートを切ることが最善であるとカール-フリードリッヒ・ショイフレが感じたからだ。いずれにせよ、アルパイン イーグルのデザインがサンモリッツの進化形であることは一目瞭然だが、新素材のスティール合金やインハウスのムーブメントの搭載といったように、新しさを感じさせる要素もたくさんある。 

個人的には、新しい合金が採用されたことに最もワクワクさせられる。それがこのようなデザインの時計に使われているというのなら尚更だ。このタイプの時計によく見られる対照的なブラッシュ仕上げとポリッシュ仕上げの切込みが入ったケースやブレスレットは、わずかな傷も目立ってしまうとずっと思っていた。しかしルーセントスティールA223のおかげで、数ヵ月、いや数年の間日常的に着用したとしても、アルパイン イーグルはその輝きを失わないだろう。41mmのオールスティールのタイプについても、手に入り次第、是非記事を執筆したい。

さらに詳細を知りたい方は、Chopard.jpにて。