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Long Return:ベトナム戦争で銃弾を受けたチューダーをレストアする Part.2

バリー・ジョーンズ元海兵隊中尉のチューダー サブマリーナーは息を吹き返すだろうか? 乞うご期待!

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2019年9月、私たちはバリー・ジョーンズ中尉、ロリー・マクラフリン衛生兵、そして特別なチューダー サブマリーナーの話をお届けした。このチューダーは、ベトナムの戦場で2人が引き裂かれてから約50年を隔て、再び結びつけることとなった。まだPart.1の動画をご覧になっていない読者は、この重傷を受けたチューダーがどのようにして生まれたのか、そして1968年にダナンを出発したときと全く同じ状態でジョーンズ一等中尉の元に戻ってきたのか、そのストーリーをぜひご覧いただきたい。

 最初の記事で述べたように、時計が本来の機能を超えて、真に特別なものになることは稀なことだ。最初はシンプルに信頼性の高い道具だったものが、戦時中の悲惨な体験と、戦争でも断ち切れなかった絆を示す大切な記念品となったのだ。

 さて、ここから物語はどうなるのだろうか? ジョーンズ1等中尉は、戦闘で損傷した状態で時計を返却されたあと、この伝説的なチューダーを修復して再び腕に着けるつもりだった、としたらどうだろうか。

 最終的に、チューダー側はその話に耳を傾け、同社の修復専門家が社内で時計をレストアすることを提案した。チューダー社は、バリー氏の時計をオリジナルの状態をできるだけ維持しながら修理する計画を立てたものの、このチューダーを仕様どおりに復元するには、いくつもの困難な課題を克服する必要があった。ジュネーブのチューダー本社で、すべて手作業で行われるゼロからのレストアである。ムーブメントは完全に機能しないため、完全に作り直す必要がある。銃弾の影響で歪んでしまったケースも真っすぐにしなければならない。同様に、デリケートな針やダイヤルも、部品を回収して再利用できるかどうか、細心の注意が必要だった。

 ハンマーと特注の治具を使って、ムーブメント、風防、ネジ込み式の裏蓋、そしてリューズと天真を極限の公差にまで、昔ながらの方法でゆっくりとケースを矯正していった。ハンマーを使いながら、外科医のような腕前が要求される骨の折れる作業だ。マッサージにかけて形を整えても、ケースにはかつての傷跡が残っている。

 同様に、再組み立てもゆっくりと時間をかけて行われ、バリーの時計は現代のチューダーの品質基準を満たさなければならなかった。ただ動くだけではなく、新品のようにきちんと動く必要があったのだ。上の動画にあるように、僕は幸運にも、ムーブメントが再び時を刻み始めた瞬間を含め、いくつもの工程に立ち会うことができた。それは、まさに感動的な瞬間だった。

 組み立てが終わると、古いチューダー サブと寸分違わぬ姿となった。オリジナルの時分針には夜光塗料は装填されておらず、ケースのラグは正しい内寸になったものの、破損したラグはあえて修復されなかった。製造年とマッチしたベゼルと同色の風防でプロジェクトは完了し、この時計はバリーと彼の家族との生活に戻る準備が整った。

 ここまで読んで、まだ動画をご覧になっていない読者は、ぜひストーリーの一部始終をご覧いただきたい。このような機会は滅多にないからだ。HODINKEEを代表して、このプロジェクトに参加してくれたバリー・ジョーンズ1等中尉とロリー・マクラフリン衛生兵に感謝する。同様に、バリー・ジョーンズ氏のチューダー サブマリーナーを復元するために多大な努力を払ったチューダーとロレックスのチーム全体にも感謝の意を表したい。

プロデューサーからPart.2公開に寄せて:バリー氏が『Long Return』の銃弾でへこんだチューダー サブマリーナーを修復したいという話を最初に聞いたとき、正直なところ、復活させることができるのか疑問に思った。しかし、すぐにその疑年は、何とかしてその過程を記録したいという興奮に変わった。この物語を記録するため、私たちはニューヨーク、トロント、ジュネーブ、そしてオレゴン州のフッド山の麓へと足を運んだ。これを可能としたのは、ロレックス/チューダーのレストア工房への前例のない撮影許可が与えられたことと、ジョーンズ氏とマクラフリン氏の揺るぎない善意のおかげだ。これを可能にしてくれたすべての人に感謝する。これ以上の名誉はない。- ウィル・ホロウェイ

"The Long Return, Part II "の撮影はウィル・ホロウェイ、デビッド・オジェロ、グレイ・コルホネン、サミュエル・グランシャンが行い、編集はデビッド・オジェロが担当した。