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November 25, 2020
November 25, 2020
Just Because トラベルウォッチの長所・短所をタイプ別に解説

Just Because トラベルウォッチの長所・短所をタイプ別に解説

タイムゾーンの発明により、多くのタイムゾーンウォッチが誕生した。旅先でベストなのは一体どれなのか?

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いくつかのタイムゾーン・ウォッチを取り上げる際に常々生じる疑問は、個々の違いは何かということだ。複数のタイムゾーンで時間を表示するということに対しては、表面的には似ていたとしてもいくつかの異なる方法がある。それぞれに長所と短所があり、あなたの現在いる場所と別の場所の、両方の時間を独自の方法で表示してくれる。

 マルチタイムゾーン・ウォッチは興味深い複雑な構造をしている。―ムーンフェイズや行くエーション・オブ・タイム、さらには永久カレンダーなど、他の多くの複雑機構とは異なり、周期的な自然現象に基づいているのではなく、世界をタイムゾーンで分割するという人間が発明した慣習に基づいている。
 各タイムゾーンは、タイムゾーン全体の平均的な標準時間に従う。標準時が登場する以前は、時間は単にローカルな太陽標準時だった。これはもちろん、経度で区切られた町や村がそれぞれ微妙に異なる時間をもっていたことを意味するが、鉄道が発明されるまではそれほど重要ではなかった。― 最初の標準時間はいわゆる鉄道時間で、1840年にイギリスのグレートウェスタン鉄道によって採用された。この標準時は、鉄道網全体でGMTを使用していた。1879年には、スコットランド生まれのカナダ人エンジニア、サンドフォード・フレミング卿が世界を24の標準時間帯に分割することを提案し、1900年までにほとんどの国が何らかの形で標準時間を採用し、徐々に現在のシステムへと進化していった。

 地球上のどこにいるかによって時間が違うという認識は、今に始まったことではない。アンティコルムのカタログでルネッサンス時代の時計を売るために、世界中さまざまな場所の名前が記された、現代のワールドタイムの文字盤のように見えるものが実際に組み込まれた素晴らしい置時計を見て、非常に驚いたことを覚えている(非常に悔しいが、オンラインで見つけることはできない。これは時計学史上まれな独創的な証拠の品である)。しかし、タイムゾーンのシステムは完全に現代的であり、現在の旅行技術の進化へと結びつくものだ。


24時間表示を独立した針で行うGMTウォッチ

これは、GMT(2タイムゾーン)機能を備えた広く使われているETA 2893-2や、セリタ製のクローンであるSW330-1のおかげで、マルチ・タイムゾーンウォッチの最も一般的な実装モデルであると思われる。これらのムーブメントはどちらも独立した24時間針と日付、ローカルタイム用の時針と分針を備えている。2、3年前、ジェームズ・ステイシーはこのデュアルタイムゾーンウォッチを「caller」と呼んでいた。私はHODINKEEの年配のライターの一人であるため、意識の高い若い人たちの間で流行していた時計の流行語が分からず、ちょっと落ち込んだが(年を取るとズボンの裾を丸めて履かなければならないんだが、一体callerって何だ?)しかし、結局その言い方がふさわしいとすぐに分かった。

モンタ アトラス

 そうした時計は、現地時間は通常の方法で読み取られ、第2時間帯は1日に1回転する24時間針から読み取れる。時計の設定は非常に簡単だ。現地の標準時間を、リューズを2番目の位置まで引き出すという通常の方法で設定する。1番目の位置では、リューズを時計回りに回すと24時間針が1時間単位で進み、リューズを反時計回りに回すと日付を素早く設定することができる。日付の切り替えは、24時間針ではなく現地時間表示によって行われる。

 ニューヨークからジュネーブに移動している場合 (今日、この記事を書いている時点で時差は6時間で、ジュネーブが先行)、GVAに到着したときには2つの選択肢がある。24時間表示の針をジュネーブの時刻に合わせ直し、時分針をそのままにしてニューヨークの時刻を表示する方法が一つ。これは、  24時間針からジュネーブの時間を読み取ることになり、さらに、ジュネーブ時間の真夜中に日付が切り替わるのではなく、ニューヨークの真夜中に日付が切り替わるため、6時間も遅れることになる。よって、ジュネーブにいる間の時間表示は、少し読みづらいかもしれない。

 もう1つの方法は、現地時間をジュネーブ時間に再設定し、必要に応じて日付を修正してから、24時間針をニューヨークの正しい時間に再設定すること。これは、(ロレックス)GMTマスターIIに見られる独立した現地時間の時針をもつ時計よりも少し不便であり、ジェームズがこのような時計のために "Caller "という造語を作った理由にもなっている。これらは自宅から頻繁に電話をかける地域が何時であるか知りたい場合は便利だからだ。"Caller "ウォッチは旅行のためにはいいが、ローカルタイム表示と24時間針、そしておそらく日付をリセットしなければならないので、次に紹介する2タイムゾーンの時計よりも少し不便だ。それらをジェームズは "flyer "と呼びたがる。


時針の独立操作が可能な2タイムゾーンウォッチ

このタイプの2タイムゾーンウォッチ(24時間回転ベゼルが付いている場合は3タイムゾーン)は、「真の」GMTウォッチと呼ばれることがある。まるで他の機種が偽物であるかのような妙に偏った考えに聞こえるが、いずれにしても、このような時計は、世界のどこか他の場所が今何時なのかを知りたい場合よりも、旅行者にとって便利だとされる。"flyer" は、"caller"の2タイムゾーンウォッチに相対するものだ。その典型的な例はもちろん、マルチタイムゾーンウォッチの名前に「GMT」を付けたロレックスのGMTマスターとGMTマスターIIだろう(これらの時計について知りたい方には、ジョン・ビューズの「Reference Points がお勧め)。

ロレックス  GMTマスターII Ref.  16760。1982年から1988年まで製造されたこのモデルは、ロレックス初の独立した時針を備えたGMTマスターモデルだ。

 これらの時計のセットアップは簡単だ。リューズを3番目の位置に引き上げる。この位置でリューズを動かすと、現地時間針と24時間針の位置が変わる。24時間針を現地(ホーム)の時間に合わせて正しい位置に設定する。そして、リューズを軽く2番目の位置まで押し込んで日付を設定する。日付の切り替えは現地時間の時針で行うから、正しい日付になるよう前後に動かす。その後、現地時間の時針を24時間針と同じ時間に設定すれば完了。24時間の時針と12時間の時針は今、同じ時刻を示している ― つまり、あなたの現在地、ホームや現地での時刻だ。

グランドセイコー SBGM221。

 ニューヨークからジュネーブへのフライトであれば、着陸後はリューズを完全に引き出し、現地時間の時針をジュネーブの時刻に合わせて前進させる。日付は現地時間の時針によって示されているため、時針を逆方向ではなく前方向にセットすることを忘れないようにすれば(ここでもジュネーブは6時間進んでいる)、日付は自動的にジュネーブの正しい日付に更新される。24時間針はホームタイムを表示し続ける。お分かりのように、これは、時計全体を停止させたり、いくつかの異なる設定操作を行うことなく、簡単に時計を現地時間に設定したいと思うような、頻繁に飛行機に乗る人にとって非常に便利な機能だ。 "Flyer "が"caller"タイプの時計と対照的なのは明確な理由があるのだ。

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「まるでワールドタイムのようなGMT」ウォッチ

このモデルは、いわゆる"flyer"GMTウォッチのバリエーションの一種だ。基本的にこれらは2タイムゾーンウォッチだが、ワールドタイムの腕時計に見られるような都市名リングが追加されている。例えば、ランゲ1・タイムゾーンやジャガー・ルクルトのマスター・コントロール・ジオグラフィークなどがある。

 ご覧のように、これらの時計は一見するとワールドタイムの実装機と見間違えるかもしれない。通常は、特徴的な都市名リングはワールドタイムの腕時計についているものだ。しかし、いずれの場合も都市名リングは、あなたが目的地に到着したときに、現地時間を設定するための基準となるものだ。

 どちらのモデルにも、ホームタイムを表示するメインダイヤルと、第2タイムゾーンの時刻を表示する小型ダイヤル、そしてAM/PMインジケーターが付いている。また、サブダイヤル用の独立した設定装置と日付の設定装置が搭載されている(ランゲの場合は7時から8時の位置に、ジャガーの場合は2時の位置に設定装置がある)。

 仮に、ジュネーブまで行ってみるとしよう。着陸したとき、セカンドタイムゾーン用の小さな文字盤で時間を設定するには、10時の位置にある調整機を押すか(ランゲ)、回す(ジャガー)回すだけだ。そうすると、都市名リングが回り、リング上の基準となる都市が変わると同時に、小さい方の文字盤の時針がジャンプして進む。ニューヨークからジュネーブへの旅の場合、時計を正しくセットしていれば、両方の文字盤に同じ時間が表示され、都市名リングのポインターはニューヨークを示す。ジュネーブに到着したら、ベルリン(ランゲ)かパリ(ジャガー)を指すようになるまで修正装置を押すだけで、サブダイヤルの時針は、都市名リングの回転に合わせて正しい時間へと進む。

 これは非常に魅力的で実用的なシステムだが、いくつかの欠点がある。1つめは、日付がメインダイヤルの時刻表示と同期しているため、ジュネーブの正しい時刻が表示されていても、ニューヨークの日付が表示されてしまうことだ。2つめは、人は本能的にメインダイヤルをホームタイムではなく、現地時間として認識してしまう傾向があることだ。これは、時計の読み方を変えることに慣れればいいだけの問題だろうが、夜の社交界で少し羽目を外し(例えばだ)間違った文字盤の時刻を読んでしまうような状況を容易に想像できるかもしれない。これは笑えない話になるかもしれない。純粋に読みやすさの点からは、このシステムは、GMTマスターIIのようなシンプルな2タイムゾーンの時計と比較して少し苦しいが、簡単な操作ができない分、優雅さと操作の喜びで少し補えるだろう。

 このシステムにはいくつかのバリエーションがある。ノモス・グラスヒュッテ チューリッヒ・ヴェルトツァイトは、完全な都市名リングを備えた時計の興味深い例だが、機能的にはGMTマスターIIに近いものとなっている。ホームタイムは3時位置の小さな回転する時間サークルに表示され、都市名リングを進めると、実際には1時間単位でメインダイヤルの時針が進む。日付を調整する問題は、日付表示をもたないというシンプルな方法で解決される。


貴族の世界のワールドタイマー

興味深いことに、2つ以上のタイムゾーンで時間を表示した最初の腕時計は、(私の知る限りでは)ワールドタイムの腕時計だ。古典的な例はパテック フィリップのものだ。

 ワールドタイム・コンプリケーションはルイ・コティエによって開発され、1930年代にパテックによってポケットウォッチに初めて採用された。ワールドタイム・ウォッチとは、その名の通り、GMTから全時間をオフセットした24タイムゾーンの時刻を同時に表示する時計だ。これは、24の基準都市を配した可動式の都市ディスクと、24時間に一回転するアワーディスクが寄与する。
 時計をセットアップするには、10時位置にあるプッシュボタンをあなたのホームシティがダイヤルの上部に表示されるまで押し、リューズで正しい時刻をセットするだけだ。他の23のタイムゾーンの時刻を知りたい場合は、アワーディスクのどの数字がその都市に隣接しているかを確認するだけでいい。飛行機でニューヨークからジュネーブに行ったとしよう。パリが文字盤の一番上に来るまでプッシュボタンを押すだけで、正しい現地時間が表示される。時針は自動的に正しい現地時間に1時間ずつジャンプして進むが、ニューヨークの時間は ―他のどこでも― 都市名リングと時間リングから読み取ることができる。

 このシステムについては他にもいろいろある。それは小指を立ててお茶を飲むように優雅であり、シンプルで実用的、そして楽しい。昔からその複雑さとコストの高さが問題と言われてきたが、他のコンプリケーションと同様に、現在では、より手頃な価格で真のワールドタイムコンプリケーションを見つけることが可能である(パテック製Ref. 5230Rは、そのセクシーな七宝エナメルの世界地図がない場合、529万円<税抜>で販売されるが、そのエナメルの地図こそ、誰もが欲しがるものだろう)。

 旅行のお供としてのワールドタイム・ウォッチの唯一の欠点は、自宅や現地時間を見る場合、"flyer "GMTウォッチほど瞬時に分からない、という点だ。しかし、よくあることだが、分かりやすさで劣るぶんは、古き良き時代のバロック様式の魅力で補えるだろう。

パテック フィリップ 605HU "スタードラゴン" ワールドタイム・ポケットウォッチ、1947年。

 一般的に、この時計とワールドタイムのコンプリケーションは「私はタヒチ(あるいは他のどこでも)行きの正午のパンナム・クリッパー・フライング・ボートに間に合わなければ!」というほどは「タイヤを蹴って火をつけろ」と言わない。しかし、私にとっては、それはバグではなく、特徴なのだ。

 言うまでもないことだが、旅行のロマンスは、たとえ多くマイルを貯められるだけの旅行ができたとしても、長い間ロマンチックなものではなかったし、ビジネスクラスでさえ、気の合う冒険家たちと空の旅の喜びを分かち合うというよりも、ゲート付きのコミュニティをさまよっているように感じた。本物の冒険への入り口であり、できれば異国の地や予期せぬ出会いへの入り口でもある、という旅の概念をかつてあったようにすることができれば、それは良いことだと私は考えている。つまり、GMTマスターIIが私の頭とするなら、パテックのワールドタイマーは私の心ということだ。もし、私がまたジュネーブを行ったり来たりするなら、時差ボケした頭をまっすぐに保つために"flyer "GMTウォッチを選ぶだろうが、もし遠く世界一周旅行をしてから帰ると決めたなら、私の手首にはワールドタイムが乗っていることだろう。