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The Value Proposition TIMEX ジョルジオ・ガリ S1 オートマチック 38mmのシンプルな魅力

ガリによる傑作時計だ。

認めよう。この12ヵ月間、私はTIMEXに散財してきた。

 ウォーターベリー、ウィークエンダー、マーリン、M79など、私が衝動を抑え切れず続々とTIMEXをコレクションに迎え入れたことで、格安で集めてきたコレクションが急成長した。私の時計ボックスがクォーツと機械式のTIMEXでいっぱいになるにつれ、私はその高い品質管理レベルに驚くと同時に慣れてもきた。最近私のコレクションに加わった7本のTIMEXのうち、500ドル以下の機械式腕時計を量産するメーカーを悩ませるような美的欠陥や工作精度の問題を抱えた個体は一本もない。

A side profile of the Timex Giorgio Galli S1 Automatic 38mm

 だから、現時点で私は新しいTIMEXを買うときに、ある程度の品質を当たり前だと思っていると言ってもよいだろう。ジョルジオ・ガリ S1 オートマチック 38mmを所有する体験が私にとってとても驚きだったのも、それが理由の一部であった。この時計が劣っているということではまったくなく、繰り返しになるが、TIMEXがこの価格で提供できる品質の高さに改めて驚かされたからだ。本機の450ドルという価格から、着用感に優れた魅力的な時計だろうと予想していたが、500ドル以下の価格帯では最高クラスの出来栄えだ。結果として、私は1000ドル以下で、最も美しく、最も興味深い3針時計を手に入れることができたのだ。

 まず、この時計が何であるかを理解する必要がある。ジョルジオ・ガリ S1 オートマチック 38mmは、ミラノを拠点とし、長年TIMEXのクリエイティブ・ディレクターを務めてきたガリ自身が、同社の製品群に新機軸を打ち出すために作りだしたモデルである。両面ドーム型サファイアクリスタル風防やアプライドアワーマーカーなど、エントリーモデルでは使用できない高級素材を惜しげもなく使用している。彼は、インジェクション(射出)成形された316Lステンレススティールを使用して、視覚的に深みを与え、500ドルの価格帯では見たことがないような複雑なフレームを創り出す、興味深いくり抜きラグを備えたまったく新しい造形のケースを設計したのだ。

Hollow caseband of the Timex Giorgio Galli S1 Automatic 38mm

 先日、ガリ氏の時計業界における経歴や、彼の名を冠したコレクションの成功についてのインタビューを行った直後、私はHODINKEE Shopで、“アイスランド・ストーン”とドラマチックに表現されるガリS1 38mmのダークグレーダイヤルモデルを自分用に購入した。ハイエンドでありながら、ハイエンド過ぎないTIMEXとは一体何なのか、興味をそそられたからだ。2019年、当初41mmで発売されたS1を経て、昨年末に38mmの新しいケースサイズが発売された。

A man wears the Timex Giorgio Galli S1 Automatic 38mm With Iceland Stone Dial

Credit, James K./@waitlisted

 ケース自体は、見方によってポリッシュ仕上げとサテン仕上げを使い分けており、例えばベゼルは上から見るとサテン仕上げ、横から見るとポリッシュ仕上げが粋な雰囲気である。手首につけると、S1は38mmという直径からは想像できないほど小さく見える。下向きに傾斜したラグと平均11mmの厚みは、まさに“適温(ゴルディロックス)”のようなコンパクトな装着感を実現している。

 ダークグレーダイヤルは、明るいサンバースト仕上げで、全体的な真面目な美しさを引き立てている。ユーモアのセンスで勝負するTIMEXではあるが、このガリ 38mmはその真面目さを感じさせる真剣な存在感を放っている。TIMEXは、S1がイロモノではないことを明確にしたいのだ。

Soldier image of the blue Timex Giorgio Galli S1 Automatic 38mm
Soldier image of the green Timex Giorgio Galli S1 Automatic 38mm

 6時位置のアワーマーカーの上に合成ルビーを配したのは、TIMEXの興味深い選択と言えるだろう。一見地味な装飾に見えるが、実は内部の機械式ムーブメントを示唆する意匠となっている。ダイヤルに不必要な表記をプリントするのではなく、ルビーをはめ込むことで、見慣れたTIMEXとは異なる血統の時計であることを知らしめるのだ。

 S1の機械式ムーブメントには、この時計の最後の大きなサプライズが隠されていると私は考えている。S1 38mmには、日本製の自動巻きムーブメント、ミヨタ製Cal.9039が搭載されているのだ。また、エキシビジョンケースバックを採用したことも驚きではない。私が驚いたのは、実はこのミヨタ製キャリバーの仕上げである。私たちは通常、エントリーレベルの時計ブランドが、眺めるに値しないムーブメントにエキシビジョンケースバックを採用することに不満を感じている。もちろん、それは時計初心者にとっては楽しいものではあるが、時計愛好家の世界に足を踏み入れてみると、未仕上げの量産時計の外観は魅力的ではないことに気づくものだ。

A caseback image of the Timex Giorgio Galli S1 Automatic 38mm With Iceland Stone Dial

 S1 38mmはそれに応えたものだ。目を細めれば、ちょうど伝統的な、繊細なスイスのコート・ド・ジュネーブ装飾のように見える、軽いサテン仕上げを採用している。もちろんそれは機械仕上げであり、もっとよく見れば、魔法は消えてしまうだろうが、全体的な美しさが崩れることはないだろう。500ドル以下の量産時計で見たムーブメント装飾のなかでは、純粋に素敵な試みのひとつだと思う。

 つまり、これは賞賛に値する時計だと思うのだ。

画像は、特に断りのない限り、すべて筆者によるもの。

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