Editors' Picks 過酷な環境にも耐える腕時計4選

　極限状況で使用できる時計ならば、それを作るために極限なまでの技術が使われていなければならない。ジンのUX (EZM 2B)はまさにそれだ。文字盤、針、クォーツムーブメントは、ケース内に封入された特殊なオイルの内部に配されている。これには2つの目的がある。1つは、オイルが入っていることで時計が曇らず、どの角度からでも文字盤が見えやすくなるということ、もう1つは防水性を高めるということだ。時計内部のオイルは圧縮されず、内部の空気が入れ替わらないため、理論的には水の浸入は起こらない（空気がないということは、水分がないということでもある）。昔風の潜水服では、同じ原理でオイルを充填したジョイントが使われていたから、それは実証されているわけだ。ということは、極端な海洋環境でも、陸上でも、テギメントスティール製のベゼルで十分だということになる。一般的な316Lよりも強度が高く、傷がつきにくいのが特徴だ。ぜひ試して欲しい。 - コール・ペニントン

ジン　UX (EZM 2B)、41万8000円（税込）

　ブライトリングのエマージェンシーは、本格的な探検機器とスイスの高級時計が真の意味で交差した数少ない例のひとつだ。エマージェンシーには救難信号が内蔵されており、第2リューズを伸ばして人命救助用アンテナを広げることで作動させることができる。これは、絶対に使いたくない機能だ。なぜならば、使うということは、事態が本当に悪化したことを意味するから。捜索隊に自分の居場所を知らせることが最大のチャンスだと判断したということだ。とはいえ、このような救命具があることを知っておいて損はない。エマージェンシーにはいくつかのバージョンがある。初期型のエマージェンシー1と、追加信号で発信する後期型のエマージェンシー2がある。- ジョン・ビューズ

ブライトリング　エマージェンシー、1万5685ドル（約172万円）

　ガーミンのフェニックスや頑丈なオメガのプロプロフのようなものを選びたいという気持ちもあるが、もし本当に過酷な環境の話をするのであれば、自動巻きかシンプルなクォーツムーブメント（充電する必要がないもの）が欲しいと思うのと、時計は十分にタフであるべきだが身につけにくいものはダメだ。そういう意味では、ブレモンのMBIIがぴったりだと思う。MBIIは、硬化鋼製のケースに軟鉄製のインナーケースを備え、ムーブメントを磁気から保護している。また、マーティン・ベイカー社製の脱出シートを使用しても大丈夫なくらいの、フローティングムーブメントマウントを採用している。さらに、MBIIはブレモンのサイトを通してカスタマイズすることが可能だ。僕なら、ホワイトの文字盤、チタン製のミドルケース、クローズドケースバック、ラバーストラップを選ぶ。派手さはないかもしれないがタフで、大自然で身につけるのにも大きすぎない。もしかしたら冒険は飛行機から脱出することから始まるかもしれない。僕は派手なことが好きだ。- ジェームズ・ステイシー

ブレモン　MBII、5095ドル（約56万円）

　もう笑うしかない。 浄水タブレットを格納できる防水コンパートメント付きだなんて。そして、水準器！　それにトゥールビヨンも!!　価格は100万ドル近くだ。もう、ため息しかない。これ以上のアウトドア用ウォッチはないだろう。億万長者にとっては、マッチングアプリのプロフィールに「ハイキングが好き」と書くのと同じことだ。そしてそれでも、私は1本欲しい。なぜなら、世界が終わり、皆が汚い水を飲んで、時計のベゼルをコンパス代わりにして道を探そうとしているとき、僕はきれいな水とトゥールビヨンの国で、仲間のランボーとリシャールと一緒にくつろいでいたいからだ。そうだ。それが私の選択だ。- ローガン・ベイカー

リシャール・ミル 　RM25-01、1億1060万円（税込）