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今年、オーデマ ピゲはロイヤル オークの誕生50周年を迎えた。そして APはこのアニバーサリーを祝う最初のタイムピースを発表した。
※オーデマ ピゲ ロイヤル オークは、その製造工程により生産本数が大幅に増えるような性質のマスプロダクトではない。2022年も続く人気・需要の過熱ぶりにより、残念ながらブティックに問い合わせたからといってチャンスが巡ってくることはないと思われるが、その素晴らしい時計自体の魅力と50年間にわたる豊かな歴史や背景を知り(この記事がオススメだ「オーデマ ピゲ ロイヤル オークの起源について、あなたが知らない8つのこと」)、まずAPを知ることから始めよう。なお、時計の入荷状況は各国ごと、日本でも地域ごとに差があり、現時点で未定とのことだ。
我々が知っていること
ジャンボの渋くてハンサムな新バージョン、洗練されたコンプリケーション、そして既存モデルの入念な微調整ばかりになると思っていたのだろう? もしそう思っていたのなら大きな間違いだ。ロイヤル オーク誕生50周年を記念して、オーデマ ピゲはロイヤル オーク オフショアのジェムセットバージョンをひとつ、いやふたつ、みっつでもなく、何と4つも発表したのだ。
みっつのモデルにはラバーストラップが付属しており、まるでプリンセスティアラの群れから偶然に浮上した戦闘ダイバーのような印象を与えている。ベゼルにのみダイヤモンドをあしらったモデル(おそらく、ほかのモデルが舞踏会に行くあいだ、家でフレンドリーな森の生き物たちと戯れなければならないモデルだと思われる)もある。
ほかのふたつのストラップモデルのうち、ひとつはパヴェダイヤルでケースとラグにフルダイヤモンドがセットされたもの、もうひとつはメガタペストリーダイヤルを備え、バゲットダイヤモンドがセットされている(プレスリリースでは“マスキュラ、力強い”と表現しているが、これはバゲットカットダイヤモンドと聞いて私が思い浮かべる形容詞の最初のものでも100番目のものでもない。だが、バゲットがセクシーであることに憧れを抱いてはいけないというわけではない)。そして4つめは、もちろんブレスレットまで含めたフルダイヤモンドセットモデルだ。
ムーブメントは我々の新たな旧友である時計とは驚くほど対照的な、CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲコレクションで初めて登場したCal.4401 フライバッククロノグラフだ(32mm×6.8mm、40石、2万8800振動/時、パワーリザーブは70時間。腕立て伏せの日にジムでこのバゲットを見つけることができるかもしれない)。
価格についてAPからの言葉はないが、まぁ大丈夫、知っての通りだ。
我々が思うこと
私は時計を見て「この時計はどんな時計になろうとしているのか?」と問いかけ、そこから一貫性を持って書き進めていくのが好きだが、これらが明らかに何であり、明らかに何ではないのかついて書くことはある種、無意味だと感じている。ボヘミアン・ラプソディがヒルデガルト・オブ・ビンゲンの聖歌(Chants And Plainsongs By Hildegard of Bingen)でないことに文句を言うのと同じくらい。曲ではなく、この場合は時計なのだが、問題はそれがそうでないものであり、実際には正反対のものであると期待することだ。
まぁ、確かにジェラルド・ジェンタが墓の中で憤慨するようなものだとも言えるが、実際のところ、ロイヤル オーク オフショアは彼を墓の中で憤慨させた(あるいは、この時計が発売されたときに彼が墓に入っていたなら、そうなっていただろう。1992年当時、彼はまだ生きており、APにデザインに対する不満を叩きつけ、声高に反対していたのだ)。実はこうした大胆な表現はオフショアが誕生した当初から行われていたことなのだ。この時計は道理にかなっていないのだろうか? 実のところ、ロイヤル オーク オフショアはどのモデルもそうだ(と言うのも、サバイバーとエンド・オブ・デイズを覚えているだろうか? あの時計だって理屈などない)。それどころか、実際にはヘッジファンド(とかそういったもの)を殴りつけているのにコナン・ザ・バーバリアンのような気分にさせている。ちなみに私は何度もオフショアをつけて、そのたびに非難しているが、実際のところ愛情を込めて言っている。この時計は優雅な馬車や4人乗りの乗り物ではなく、遊園地のスリングショットのようなものなのだ。
時計もほかのものと同じように進化し、生命と同じように、利用可能な生態的地位があれば、そこに拡大していく。全長130ftのスーパーサウルスも理にかなってはいないが、ニッチであったからこそ、それに合うように獣は成長したのだ。それはオフショアも同じである。クジャクの羽毛と同じように生殖能力を誇張し、目につきやすく、紛れもない、そして遺伝的適応度の力強い意思表明として理解するのがいちばんだと思う。
ロイヤル オーク オフショア 43mmダイヤモンドセットモデル:ケースは18Kホワイトゴールド、ムーブメントはCal.4401、自動巻きフライバッククロノグラフ、32mm×6.8mm、40石、2万8800振動/時で作動。交換可能なストラップシステム、ラバーまたはブラックアリゲーターストラップのいずれかを選択可能。バージョン:バゲットカットダイヤモンドベゼルモデル(Ref.26424BC.ZZ.D002CA.01)、ブリリアントカットダイヤモンドをベゼル、ダイヤル、ケースにセットしたモデル(Ref.26423BC.ZZ.D002CA.01)は3月発売予定。バゲットカットダイヤモンドをベゼル、ケースにセットしたモデル(Ref.26425BC.ZZ.D002CA.01)、オールダイヤモンドセットモデル(Ref.26423BC.ZZ.2100BC.01)は6月発売予定。Ref.26424BC.ZZ.D002CA.01は1254万円(税込)、それ以外は価格要問い合わせ。
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HODINKEE Shopではロイヤル オークの中古品を取り扱っており、現在のセレクションはこちらからご覧いただけます。新作の詳細については、オーデマ ピゲ公式サイトをご覧ください。
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