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Business News HYT クラッシュ後、チューダー出身のダビデ・チェラート氏をコックピットに迎えて時計界の軌道に復帰

チューダーとリシュモンで経験を積んだ彼は、前衛的なブランドであるHYTの再出発に、業界での豊富な経験を活かす。

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ダビデ・チェラート氏は、長年にわたりスイス時計業界の第一線で活躍してきた。パネライでキャリアをスタートし、2012年にはチューダーでオリジナルのヘリテージ ブラックベイの立ち上げを統括した。その後、1858年まで遡るミネルバの高級時計製造の遺産を受け継ぐモンブランに移籍。そこで彼は、歴史的なミネルバをモンブランブランドに統合し、ヴィンテージの美学を提唱したのだ。

Davide Cerrato

 51歳のベテランが現在取り組んでいるのは、これ以上ないほど異質なことだ。最近復活したHYTのCEO兼クリエイティブ・ディレクターとして、かつて世界で最もエキサイティングな独立系時計メーカーのひとつだった同社に新しい生命と方向性を与えているのだ。HYTは主に液体を使った高度な技術で時間を知らせることで有名だ。

 しかし、HYTの上昇は早かったが、その下落も早かった。2012年に設立された同社は、パンデミック時に行き詰まり、2021年3月に破産を申請した。そこでHYTは、チューダーやリシュモンでの決定的な成功に貢献したビッグネームであるチェラート氏を招き入れたのだ。

 初仕事となるHYTの新作時計Hastroidのために、チェラート氏は最も別世界の、そして逆説的にタイムリーな活動である宇宙旅行からインスピレーションを得た。「宇宙は、説明するまでもなく、ハイテクノロジーを表現する素晴らしいメタファーです」と彼は語る。「なぜなら宇宙へ行くものはすべて、高度な技術でできているからです」

 民間人が宇宙へ行き、ときには時計を持って行くようになった今、HastroidをはじめとするHYTの復活というチェラート氏のビジョンは、まさに今の時代を感じさせるものだ。「宇宙船や宇宙飛行士は、常に有機的で流動的なフォルムをしています」と彼は言う。「そして、それこそが、私たちがここで実現したことなのです」

HYT mood board

HYTのインスピレーションのムードボード。画像の著作権は各画像の所有者に帰属。

 先日、チェラート氏はHYT  Hastroidの新色グリーン・ネブラをイメージして作られたムードボードを見せてくれた。Hastroidは、HYTの有名な液体時計技術を全面的に再設計し、よりコンパクトなパッケージにしたもので、HYTが倒産という苦境に陥ってから初めて発表する新しい時計だ。27本の限定生産となる。

 今回は、ムードボードに掲載されたみっつのイメージと、それがHYTの最新作にどのように反映されたかをチェラート氏に解説してもらう。

液体夜光をともす
Lume and liquid

 「この液体は、夜間に完璧に発光します。ですから、ムードボードにある発光する半透明の素材は、まさに細いチューブを通して見るようなものです」とチェラート氏は言う。「楽しめる照明効果があるのです」

風防のなかに
Enclosed in glass

 「この大きなサファイアは、数字を含む文字盤のすべてを覆っています」とチェラート氏。「まるで数字がインナーベゼルであるかのように、大きな球体の表面のように見えるのです」

パターンを見つける
HYT Hexagonal inspiration

 「ハニカム状の六角形は、多くの宇宙要素に存在します。そして、宇宙船の窓は六角形や八角形であることが非常に多いのです。新しいHYT Hastroidは、文字盤のハニカム部分が微細な線を取り囲んでおり、側面にも同じパターンが繰り返されています。これはデザインに幾何学的な要素を加え、未来的な宇宙旅行との結びつきを強めています」

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HYT Hastroidとダビデ・チェラート
HYT Hastroid

 この時計は紛れもなくHYTを体現する。HYTは、部屋の向こうから見てもすぐにわかる見た目によって、他の機械式時計とは異なる機能を持つ時計を作ることで知られるブランドだ。

 Hastroidは、厚さ約13mmの再設計されたケースに、カーボンファイバーとチタンを使用することで手首に軽快な装着感を実現したことが特徴。ムーブメントには、エリック・クードレーが設計したCal.501-CMを搭載している。

 チェラート氏は、この時計のアフィチャージ(表示)のインスピレーションを、サファイアの層に見出した。外側のカーブしたサファイアクリスタルと、その下にあるサファイアの文字盤。「大きなセンターブリッジや、スモールセコンド、パワーリザーブ表示の針に沿って、ガラスがカットされています」

HYT Hastroid

 HYTのようなブランドは他に存在しないが、このブランドの論理的な競争相手は、伝統的なスイス時計製造の中心地から遠く離れた領域でインスピレーションを得ることを恐れない、他のハイエンドでクリエイティブで高価な独立系企業であるように思われる。チェラート氏は、伝統的な時計産業に身を置きながら、クリエイティブな経営者として評価されている。

 時計に詳しい人なら、彼の過去の功績は往年の時計に顕著に現れているとわかるはずだ。チューダー ブラックベイやヘリテージ クロノなどがそうだ。HYTのデザインはより未来志向だが、チェラート氏の2度のリシュモンでの、またロレックスでの経験は、サプライチェーン、生産、品質管理の面で、HYTの高度な技術に基づく計時のプラットフォームを構築する上で大いに役立つだろう。

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詳しくは、HYTのサイトをご覧ください。