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Business News 2023年GPHG受賞者のすべて、そして我々の雑感

オーデマ ピゲのCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ ウルトラ コンプリケーション ユニヴェルセル RD#4が最高の成績を収めた。そして時計界最大のアワードショーにおけるその他の受賞者たちも紹介しよう。

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2023年の時計業界最高のショーである、ジュネーブ時計グランプリ(Grand Prix d'Horlogerie de Genève、GPHG)2023がジュネーブで幕を閉じた。同イベントの最高賞である金の針賞(Aiguille d'Or)を含む、すべてのカテゴリが発表された。そして今年は、あるブランドを退任するCEOにもふさわしい締めくくりとなった。

 GPHGは、時計業界のなかで最も優れた製品を紹介する最高のショーである。ただプレビューで述べたように、決して完璧な結果には至らない。重要かつ影響力のある多くの時計メーカーが参加していないのだ。ロレックス、スウォッチグループ、そして多くのリシュモンブランドの腕時計が出品されていないことにお気づきだろう。しかしGPHGは時計、宝飾品から腕時計まで、時計業界のさまざまな側面を毎年集めて、スイスの時計製造を祝う数少ないイベントのひとつだ。私は参加しなかったが、今年は我らがベン・クライマーが審査員を務め、各部門の受賞者を選出した。それでは、2023年のGPHG受賞者を紹介しよう。

gphg 2023 award winners

ベンが今年のGPHGで賞を発表する前に撮った写真。2013年に撮った写真とは少し違うように見えるだろう。


金の針賞(Aiguille d'Or)

受賞: オーデマ ピゲ CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ ウルトラコンプリケーション ユニヴェルセル RD#4

オーデマ ピゲ CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ ウルトラコンプリケーション ユニヴェルセル RD#4

コメント: 金の針賞を簡単に説明すると、これはGPHGカテゴリー別の最優秀賞である。これに今年はオーデマ ピゲのCODE 11.59 ユニヴェルセル RD#4が選ばれた。グランソヌリ、スーパーソヌリ、ミニッツリピーター、パーペチュアルカレンダー、スプリットセコンドフライバッククロノグラフ、フライングトゥールビヨンなど、23の複雑機構を備えた超複雑時計である。2015年にRD#1を発表して以来、私たちが見てきたAPの研究開発の多くが見事に融合された、ブランド史上最も複雑な時計だ。これは新世代のAPによる複雑時計であり、これまでのCODE 11.59プラットフォームの中で最も印象的な使い方である。さらに、同社が1899年に製造した最も複雑な懐中時計ユニヴェルセル(L'Universelle)へのオマージュとして作られたものでもある。現在、オリジナルのユニヴェルセルは、ル・ブラッシュにあるAPミュージアムの中央に堂々と鎮座している。そして今夜、CODE 11.59 ユニヴェルセル RD#4がGPHGの主役として中央ステージに鎮座してた。詳しくはユニヴェルセルに関する以前の記事をご覧あれ。


レディスウォッチ賞(Ladies')

受賞: ピアジェ ヒドゥン トレジャーズ

ピアジェ ヒドゥン トレジャーズ

コメント: これがピアジェの最高傑作だ。GPHGのプレビューで書いたように、これは2023年の女性たちが実際に着るものをよりよく表現する必要があるカテゴリの中で、明らかに抜きん出ていると感じた。それにしても、このピアジェの金細工は本当に見事だ。ブレスレットには1本1本のラインが手作業で彫られているため彫刻が均一ではなく、木の樹皮のような美しくも有機的な効果を与えている。


レディスコンプリケーションウォッチ賞(Ladies' Complication)

受賞: ディオール ディオール グラン ソワール オートマタ エトワール ドゥ ムッシュ ディオール

ディオール ディオール グラン ソワール オートマタ エトワール ドゥ ムッシュ ディオール

コメント: 写真家のクリスチャン・ハーゲン(Christian Haagen)氏がこの賞を発表する際に指摘したように、複雑時計は複雑時計であり、レディスとメンズの複雑機構カテゴリを分ける必要があるかどうかは定かではない。とはいえ、これはディオールの時計づくりを認識する機会であり、そうでなければ実現しなかったかもしれない。ただ、レディスコンプリケーションの定義(確かに曖昧だが)を少し早とちりしているようないくつかのブランドが、この特別な賞を受賞しなくてよかった。


レヴェレイション賞(Revelation)

受賞: サイモン・ブレット クロノメーター アルティザン

サイモン・ブレット クロノメーター アルティザン

コメント: サイモン・ブレットの独立時計師としてのデビューは、評価されるに値するものだった。GPHGはインディペンデントウォッチづくりを認めているときに最高のパフォーマンスを発揮するので、今年ブレットのクロノメーター アルティザンが受賞するのを見てとても興奮した。ほかのブランド、特にMB&Fと仕事をしたあと、ブレットはスースクリプションシリーズ作品で独立し、瞬く間に熱心なコレクターの支持を獲得した。私たちは今年の初めに、クロノメーター アルティザンを実際に手にして感動を覚えたのだから、GPHGがブレットにレヴェレイション賞を授与したのも当然だろう。


メンズコンプリケーションウォッチ賞(Men's Complication)

受賞: ヴティライネン ワールドタイマー

ヴティライネン ワールドタイマー

コメント: 現代の最も重要な独立時計師のひとりであるヴティライネンは、クッションケースのなかにワールドタイマーを導入して業界を驚かせた。これはクラシックなコンプリケーションをエレガントに実装したモデルだ。ワールドタイマーのほかに、美しいギヨシェ文字盤によって強調される、ヴティライネンのトレードマークをすべて備えている。


アイコニックウォッチ賞(Iconic)

20年以上にわたり、時計製造の歴史と時計市場に恒久的な影響を与えてきた象徴的なコレクション・モデルに由来する腕時計部門。

受賞: ユリス・ナルダン フリーク ワン

ユリス・ナルダン フリーク ワン

コメント: 「私たちはマーケティングの達人ではありませんが、時計のつくり方は知っています。フリークはUFOなのです」と、ユリス・ナルダンCEOであるパトリック・プルニエ(Patrick Pruniaux)氏がこの賞を受賞する際に述べた。2001年にユリス・ナルダンがフリークを発表したとき、時計製造におけるシリコンを使用する先駆者となった。これだけでもGPHGの受賞にふさわしい。


クロノグラフウォッチ賞(Chronograph)

受賞: ペテルマン・ベダ クロノグラフ ラトラパンテ

ペテルマン・ベダ クロノグラフ ラトラパンテ

コメント: 若手の時計師、ゲール・ペテルマン(Gaël Petermann)氏とフロリアン・ベダ(Florian Beda)氏が手がけたこの時計は、私が今年見た時計のなかで最も印象的なもののひとつだった(ペテルマン・ベダのOne to Watchはこちらから)。受賞したときゲール氏は、自分の声が少し震え始めたことを認めた。こういう瞬間があるからこそ、私はGPHGの重要性を信じ続けている。


スポーツウォッチ部門(Sports)

スポーツの世界と結びついた腕時計で、その機能、素材、デザインがフィジカルエクササイズ(身体の運動)に適したもの。

受賞: チューダー ペラゴス 39

チューダー ペラゴス 39

コメント: “スポーツ“は2023年の新カテゴリであり、その第1回目の受賞者として、GPHGは最も商業的な魅力を持つ候補者を選んだ。チューダー ペラゴス39は、ショパールやグローネフェルドなどのライバルを打ち破っての受賞となった。少なくともジェームスがA Week On The Wrist記事で取り上げて以来、私たちはこの時計を愛してきたし、受賞に値するものだと思っている。


小さい針賞(Petite Aiguille)

小売価格が2000スイスフランから8000スイスフラン(日本円で約33万~132万円)の腕時計。

受賞: クリストファー・ウォード・ロンドン C1 ベル カント

クリストファー・ウォード・ロンドン C1 ベル カント

コメント: 4000ドル以下の衝撃的な時計。これは簡単な選択だった。おめでとう、クリストファー・ウォード。


チャレンジウォッチ賞(Challenge)

小売価格が2000スイスフラン(日本円で約35万円)以下の腕時計。

受賞: レイモンド・ウェイル ミレジム オートマティック スモールセコンド

raymond weil automatic

コメント: “そんな値段の時計がまだあるのか?”。その夜の司会者は、2000スイスフラン以下の腕時計に贈られるチャレンジ賞を紹介するときジョークを言った。ちょっと意外だったのは、レイモンド・ウェイル ミレジム オートマティック スモールセコンドが、ノモスやセイコー、スタジオ・アンダードッグなどの候補者を破ったことだ。レイモンド・ウェイルは、ここHODINKEEも含めて熱狂的なファンのあいだで忘れさられることが多いブランドなので、GPHGの受賞で状況が変わるかもしれない。


もう数本の受賞者

以上は最大カテゴリのいくつかを紹介したが、木曜夜のジュネーブではさらにいくつかの受賞者がいた。2023年のGPHGを受賞した、そのほかの時計と時計メーカーは以下のとおりだ。

  • アーティスティッククラフトウォッチ賞(Artistic Crafts): ピアジェ アルティプラノ メティエ・ダール-ウンデュラタ
  • ジュエリーウォッチ賞(Jewelry): ブルガリ セルペンティ クレオパトラ
  • カレンダー&天文時計賞(Calendar & Astromony): ボヴェ 1822 リサイタル20 アステリウム
  • トゥールビヨンウォッチ賞(Tourbillon): ローラン・フェリエ グランドスポーツ トゥールビヨン パシュート
  • メカニカル・イクセプション賞(Mechanical Exception): オートランス スフィア シリーズ1
  • メカニカルクロック賞(Mechanical Clock): レペ タイムファストII クローム
  • クロノメトリー賞(Chronometry): フェルディナント・ベルトゥー クロノメーター FB3 SPC
  • ベストヤングスチューデント(Best Young Student): キリアン・ダグラス(Killian Douglas)氏
  • スペシャルジュリープライス(Special Jury Price): スヴェン・アンデルセン(Svend Andersen)氏&ヴィンセント・カラブレーゼ(Vincent Calabrese)氏