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HODINKEE創設者のベン・クライマーがジュネーブ時計グランプリ(GPHG)の審査員に再任

私が最初に審査員をしてから10年が経つが、再び関わることを決めた理由は以下のとおりだ。

10年前の今、私はジュネーブ時計グランプリ(GPHG)の審査員にならないかと招待された。あらゆる定義において、GPHGは時計製造のアカデミー賞に近いものだ。当時はとても大きな出来事だった。2013年、私は唯一のアメリカ人審査員であり、唯一のデジタルネイティブ審査員であり、そして多くの点で当時の時計製造について表現する専門家集団のなかで最年少だった。ただ、当時は(状況が)違った。

 それは、当時クリスティーズの時計部門を率いていたオーレル・バックス(Aurel Bacs)が指揮を執ってフィリップスを引き継ぎ、それを刷新し、ポール・ニューマンのポール・ニューマンを売却したりする出来事の何年も前のことだ。信じられないかもしれないが、2013年の審査員にはフィリップ・スタルク(Philippe Starck)氏とジョン・メイヤー(John Mayer)氏も名を連ねていた。当時の状況がどう違っていたのか、さらに詳しく説明すると、当時のHODINKEEのサイトには月約40万のユーザーが訪問し、正社員は3人だけだった。この年、ジラール・ペルゴがメイン賞を受賞した。またエル・プリメロ ストラトス フライバック ストライキング 10thも受賞し、ジャン・フレデリック・デュフール(Jean-Frederic Dufour、当時のゼニスCEO)氏が壇上で賞を受け取った。審査員仲間のクロード・スフェール(Claude Sfeir)氏や、2013年に審査員特別賞を受賞したフィリップ・デュフォー(Philippe Dufour)氏は当時、一部の熱心なコレクター以外には事実上無名の存在だった。

Group photo

ベン・クライマーがステージから撮影し、@hodinkeeのInstagramに投稿した、2013年度のGPHGの観客。この投稿には、452件のいいねが付いた。

 GPHGへ招待されて、とても光栄だった。当時我々のような人々、つまりほとんどの時間をインターネットを使って過ごしていた若者は、この業界では決して普通ではなかった。そして当時の私の役割は、新しいタイプの機械式時計を消費者に伝える親善大使のようなものであり、かつオンラインだからといって、我々が悪いわけでも、理解力がないわけでもないことを示すことだと考えていた。2013年当時、Instagramは時計製造の分野ではほとんど機能していなかったが(信じられないかもしれないが、その存在は知っていた)、我々はその位置付けを理解していた。私が賞(オリジナルのチューダー ブラックベイに贈られたリバイバル賞)を授与するために壇上に上がったとき、ステージから観客全員の写真を撮り、Instagramの@hodinkeeに投稿した。その投稿には452ものいいねがついた。当時、時計はそれだけ大きな存在だったのだ。

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 私は2013年、2014年、2015年にGPHGの審査員を務めたが、その後辞任してほかの人に席を譲った。それ以来、ウォッチメイキング、HODINKEE、業界、そしてグランプリ自体が、より多くの人々にとって新しい意味を持つようになった。現在、HODINKEEには月約400万人のユーザーが訪れ、100人以上のチームに支えられている。そしてフィリップ・デュフォーは今や誰もが知っている有名人にもなった。ジャン・フレデリック・デュフールはもはやエル・プリメロを着用しておらず、チューダーは多くのブラックベイ(これは悪いことではない。それらは今でも最高の投資先である)を復活させた。こうした変化に伴い、Instagramやソーシャルメディアの役割は、今や人々が腕時計に求めるものと並んで、それを凌駕するようになった。だからこそ、私は今このとき、役割に戻ることにしたのだ。

GPHG watches

2023年のGPHGでは、メンズ部門が最も熱い戦いになるだろう。

 2023年現在、私は再びGPHGの審査員に加わり、時計製造の過去、現在、未来を代表する偉大な友人や同僚たちと一緒に行動する。そのメンツに含まれているのは、フィリップではなくダニエラ・デュフォー(Daniella Dufour)氏、時計業界のソーシャルメディアにおけるもうひとりの草分け的存在である、WatchAnishのアニッシュ・バット(Anish Bhatt)氏、Talking Watches出身のアルフレッド・パラミコ(Alfredo Paramico)氏、サザビーズのトップでありグレーブスのスーパーコンプリケーションを販売したダリン・シュニッパー(Daryn Schnipper)氏、そして独立時計師からヴィアネイ・ハルター(Vianney Halter)氏、そして飛田直哉氏、友人のマックス・ブッサー(Max Büsser)氏とマーク・チョー(Mark Cho)氏、その他多くの人々だ。

 我々は皆、偉大なニコラス・フォークス(Nick Foulkes)氏の指導のもと働いている。この分野における尊敬は計り知れない。2023年における、最も革新的で考え抜かれた時計にスポットライトを当てることが今年の私の目標だ。ほかの審査員も同じ気持ちだと思う。

 今後のHODINKEEにて、GPHGの最新情報をお楽しみに。またノミネートされた時計のなかでどれが受賞されるべきか、またその理由について意見があれば、以下のコメント欄に寄せて欲しい。時計の全リストはこちら、審査員はこちらからご覧あれ。