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Auctions フィリップスのジュネーブウォッチオークションXIに出品される隠れ名作8選

トップロットを超えて、カタログのより深いところに存在する優れた価値を発見した。

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多くの時計愛好家のように、時計のカタログをオンラインで見る際の僕の最初の動きは、常にドロップダウンメニューを見つけて、最初に最も高価な作品を表示するためにロットを並べ替えることです。いいコンディションのRef. 2499やビッグクラウンサブを見つける衝撃と畏敬の念と、時には本当に特別な何かを見つけるドキドキもたまらないのです。しかし、僕の2つめの行動は? その逆です。僕は4桁や5桁の想定落札額の時計を選別するのが好きなのです。数年前までは、これらの時計は通常、ごく普通の優良品でしたが、オークションハウスがより多くの熱心なコレクターに対応するようになったことで、バラエティに富んでいて興味をそそられるようになりました。

 以前も言いましたが、オークションへの投資で“当たる”可能性は基本的にゼロですが、だからといって高値で素晴らしい時計を手に入れられないわけではありません。時々、それは市場がどのように機能するかにもよるのです。価格は常に価値と品質に直接相関するわけではありません。もしあなたが僕のリードに従うならば、オークションカタログの中のあまり語られていない作品を見れば、少し報われるかもしれません。フィリップスは最近、ジュネーブウォッチオークションXI(COVIDがなければ、彼らの毎年恒例の5月ジュネーブセールであっただろう)のカタログを発表し、ジャン-クロード・ビバーのコレクションからいくつかを取り上げ、間違いなく通常よりも多くのショーストッパーが登場していますが、それだけではありません。ここでは、あなたが絶対に見逃すべきでない8つの隠れ名作があるのです。


カルティエ タンク アシメトリック(ロット18)

 「タンク  アシメトリック」は、100年以上の歴史があるカルティエの時計の中で4番目のものです。同モデルの新作が発表されたのは、つい先日のこと。そのルーツは1936年にまで遡ることができ、カルティエのデザインの中でも最も古いものの一つとなっています。今回ご紹介するのは、1996年にオマージュとして発表されたCPCP(コレクション・プリヴェ・カルティエ・パリ)モデルのひとつです。このイエローゴールドのモデルは、わずか300本しか生産されませんでした(プラチナ製のモデルは100本)。33mm x 23mmのケースサイズはかなり小さいと思われますが、僕としては、理想的なサイズだと思います。デザインだけで十分もの語ってくれるタンク アシメトリックにとっては、これ以上のサイズはいりません。想定落札価格が示唆しているように、これは実際に1万ドル(約106万円)以下に落札された場合、かなりお値打ちになります。たとえ1万5000ドル(約160万円)弱で落札されたとしても、それもまた見逃せない良い価格帯です。

この時計はロット18で、6400~9600ドル(約70万円~102万円)の推定落札額で出品されています。


レッセンス シリーズワン (ロット97)

 さてさて、これは間違いなくニッチなアイテムですが、最初に見たときニヤッとしてしまいました。これは、2012年に市販されたレッセンスの最初のモデルの一つです。総数は150本で、その1年前の50本のシリーズゼロに先んじて作られたものです。しかし、レッセンスにしては珍しいことに気づくでしょう。この時計にはリューズが付いています。「タイプ1」の前身モデルであり、ブランドの特徴であるノークラウンデザインが開発される前のモデルというわけです。本機は、レッセンスに特徴的な「ノーハンドディスプレイ」のコンセプトを示した作品です。2012年、僕がHODINKEEにジョインした最初の数週間にこの時計をレビューしたこともあり、僕の心の特別な場所にありますし、同じように感じている多くの独立ブランドコレクターを知っています。これらの時計はほとんど市場に出回ることはなく、1万ドル (約106万円) 以下で現代の時計製造の歴史のほんの少しを所有することができます。

この時計はロット97で、5100〜8200ドル(約55万円~87万円)の想定落札額で出品されています 。

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ユリス・ナルダン セクター ダイヤル クロノグラフ (ロット211)

 このユリス・ナルダンは余儀なく絶対的な魅力をもっています。この38mmのクロノグラフは、アーモンド型のプッシャー、バルジュー23のムーブメント、フランス語で書かれたパルスメーターを備えたセクターダイヤル、そしてSS製ケースを備えています。SS製の時計が非常に珍しかった第二次世界大戦中の1942年に作られ、文字盤にはユリス・ナルダン銘が刻印。1万ドル~1万5000ドル(約110万円~160万円)の間で落札されると推定され、もし文字盤にパテック フィリップと書いてあった場合、後ろにゼロが追加され6桁になっていたでしょう。
 僕には、推定価格と実際の落札価格がどれだけかけ離れるかは分かりません。なぜならこのようなユリス・ナルダンのクロノグラフを見たこともないからです(この記事を読んでいる皆さんもないでしょう)。たとえ本機がその範囲よりもかなり高額に落札された場合、5桁の価格で6桁の名作のような外観と感触を所有するまれな機会になりますね。

この時計はロット211で、1万300〜1万5400ドル(約110万円~160万円)の想定落札額で出品されています 。


オメガ デ・ビル コーアクシャル(ロット112)

 僕はすぐに認めます ― 純粋にルックスに基づいて、この時計は僕の注目を集めていないことを。ピンク文字盤はとてもクールに見えますが、それ以外は、90年代後半のデザインの遺物だと思われます(素晴らしいことではありませんので)。とはいえ、これは歴史をもつ時計であり、僕が所有したいと思うものです。伝説の時計師ジョージ・ダニエルズ氏(George Daniels)が同軸脱進機を発明し、オメガに販売して商品化したことは、皆さんもご存知でしょう。1999年、オメガはついに初の同軸脱進機を発表しました:999本限定のゴールド製と99本限定のプラチナ製。同軸時計は、オメガをブランドとして定義し、技術的に先進的なムーブメントを開発するという現代的な戦略を打ち出した証拠であり、ダニエルズ氏はこの時計(およびゴールドの兄弟モデル)の開発にも直接関与していますので、彼の「ミレニアム」や「ロジャー・スミス」を購入する余裕がない方は、このモデルを購入するのも一つの方法になります。

この時計はロット112で、5200~1万300ドル(約55万円~110万円)の想定落札額で出品されています 。


オーデマ ピゲ ミニッツリピーター(ロット205)

 この時計は2万ドル(約212万円)以上で落札されると思いますが、僕はそれでもこのお値打ちリストに入れると思っています。オーデマ ピゲといえばロイヤル オークを思い浮かべる方が多いと思いますが、それはごく当たり前のことです。しかし、以前にもお話したように、ル・ブラッシュのマニュファクチュールは、クロノグラフや永久カレンダーなど、信じられないような複雑機構の時計を作ってきた長い歴史をもっています。この1996年製ミニッツリピーターは、1907年にアメリカの実業家ジョン・シェイファー氏(John Shaeffer)のために作られたモデルを彷彿とさせます。プラチナ製のクッションケースのサイズは33.5mmで、文字盤にはシャープで濃いめの針を配し、ホワイトの文字盤とブレゲ数字を際立たせています。これはまさに隠れ名作であり、ロイヤル オーク"ジャンボ"よりも安く手に入れることができるかもしれません。

この時計はロット205で、1万6000〜2万6600ドル(約170万円~285万円)の想定落札額で出品されています 。

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IWC「カラベル」クロワゾネ エナメル(ロット58)

 エナメル文字盤をもつ時計は、時計収集のピラミッドの中で非常に特殊な位置を占めています。非常に珍しく、芸術家と呼ぶにふさわしい専門の職人が丹精込めて手作業で製作したもので、その独特な外観から、コレクターの中でもかなり狭い範囲に留まっています。僕の好み? 好みではないですね。でも、その魅力は分かるし、この時計はかなり特別なものといえます。35mmイエローゴールド製のこのIWCは、お揃いのブレスレットとクラシックなジュネーブスタイルのムーブメントを備えており、それだけでも十分に魅力的です。しかし、文字盤こそが、本機を特別なものにしているのです。この模様は、波の中を航海する船を表現した "カラベル "(Caravelle)と名付けられています。ほぼ同じ文字盤をもつロレックスが2015年にフィリップスで120万スイスフラン(約1億3400万円)で販売されましたが、今回の文字盤も同じ職人の手によるものであることはほぼ間違いありません。 何か裏があるんじゃない? と思われるかもしれませんが、この時計は5万ドル(約530万円)弱で落札されると想定されています。それがお値打ちではないなら、僕には何が何だか分かりません。

この時計はロット58で、2万600〜4万1200ドル(約220万円~440万円)の想定落札額で出品されています。


Habring² エルヴィン・トリビュート・トゥ・WWW (ロット47)

 独立系時計メーカーに目を向けることは、しばしば価値を見出す良い方法であり、Habring²はこの点で常に成功を収めています。この時計は、"Watches, Wine, and Wonders "と呼ばれるクラブのために製作された限定版の中の10本のうちの1本です。この名前は便利なことにWWWを略したもので、軍用時計の古典的な愛称と一致していますので、Habring²はそこからインスピレーションを得て、1940年代スタイルのパイロットウォッチを作りました。スペック上38mm x 38mmのサイズよりも、確かに大きくなっていますが、このような作品ではそれがカッコイイと思います。限定品といえば、10本というのは本当に限られたもので(2500本とかの「限定」の話ではありません)、日常的な着用感が魅力的ですね。

この時計はロット47で、3100-5100ドル(33万円~54万円)の想定落札額で出品されています 。


パテック フィリップ アクアノート Ref.5066 日本限定(ロット120)

 このリストの最後の時計は間違いなく最も物議を醸す選択肢になるでしょう。ノーチラスにまつわる狂気はついにアクアノートにも波及。今では、最新のアクアノートを入手することもほぼ不可能になりました。欲しいなら、グレーマーケット、または個人のディーラーから1.5〜2倍の価格を払うことになります。個人的には、旧モデルのアクアノートの方が好きで、日本市場専用に作られたこの特別なブルーモデルは長年のお気に入りです。36mmの小さめのサイズ、あまり派手ではない文字盤、そしてフレキシブルなラバーストラップがこの5066を格別の存在にしています。今回のオークションでは、この希少なモデルを最新の5167Aよりも安い価格で手に入れることができるかもしれません。5万ドル(約534万円)弱の想定落札額となりますが(と僕は確実にそこら辺のどこかで落札されると思います)、少なくとも今回に限ってあなたは、真の格別な何かのためにお金を払っています。

この時計はロット120で、2万700〜4万1300ドル(約221万円~440万円)の想定落札額で出品されています 。