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Hands-On グランドセイコー SBGH349 “氷瀑”を実機レビュー

2024年に発表されたグランドセイコーのなかで、もっともエモーショナルであり心引かれたモデルかもしれない。

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Photographs by Kyosuke Sato

2024年は実に数多くのグランドセイコーを目にした。穂高連峰の朝焼けをイメージした記念モデル2型(SBGA497とSBGE305)に始まり、厳美渓(げんびけい)の景観を型打ち模様とライトグリーンカラーで表現したSLGH021、Kodo コンスタントフォース・トゥールビヨン“薄明”ことSLGT005もあった。横浜髙島屋限定モデルのヘリテージコレクション SBGH361も実に印象的だったし、特に約50年ぶりになるという10振動の手巻きCal.9SA4を搭載し、Watches & Wonders Geneva 2024でも話題を集めたSLGW003 エボリューション9 コレクション“白樺”については動画を交えてじっくりとその魅力を紹介することができた。だが、2024年に見たグランドセイコーのコレクションのなかで、もっとも心を引かれたのはこのモデルかもしれない。“氷瀑(ひょうばく)”をモチーフにした新ダイヤルを持つSBGH349、そしてSBGH347だ。

nattya3714 / gettyimages

 氷瀑(ひょうばく)とは、冬の厳しい寒さで滝から流れる水が氷点下でゆっくりと時間をかけて凍りついていく自然現象のことで、アイスフォールとも呼ばれる。特に本作は、岩手山の厳冬期に見られる氷瀑から着想を得たアイスブルーのカラーリングと縦方向のテクスチャーダイヤルが特徴で、ダイナミックさと繊細さが共存した質感はまさに氷瀑をほうふつとさせる仕上がりだ。水々しいアイスブルーとシルバーカラーのみで構成されたダイヤルは、絶妙かつ大胆な型打ち模様が光の反射により豊かな表情を生み出す。“白樺ダイヤルに”代表されるようにグランドセイコーは感情の琴線に触れる質感に優れたダイヤルを生み出してきたが、この氷瀑ダイヤルは、個人的に最もエモーショナルなダイヤルだと感じている。

見て欲しい、この質感を!

 そうした感情的な部分を抜きにしても、この氷瀑ダイヤルモデルは注目に値する。というのも、このアイスブルーのカラーリング(モデルによって微妙に表現は異なるが)は、エレガンスコレクションではいくつか見られるものの、グランドセイコーにおける王道デザインである独自のデザイン文法、グランドセイコースタイルを確立した44GSを現代的に解釈したスタンダードなヘリテージコレクションでは、限定や専用モデルに用いられていたもので、レギュラーモデルとしては意外とまれな存在となっている。

写真左がSBGH349、右がSBGH347。

 上の写真を見てもらえるとわかるが、この氷瀑ダイヤルモデルにはSBGH347とSBGH349の2モデルがラインナップされている。大きさが違うのは一目瞭然だが、このふたつは何が違うのか? まずはSBGH347から紹介しよう。こちらは37mm径で、ケースとブレスレットに耐食性に優れたエバーブリリアントスチールを採用している。一方のSBGH349は40mm径で、ケースとブレスレットにSSよりも軽量で錆びにくく、傷がつきにくいブライトチタンが用いられている。大きな違いとしてはサイズと外装素材で、搭載ムーブメントは共に毎秒10振動のハイビート自動巻きキャリバーである9S85を搭載しており、時計の性能としては同等だ。

 なお、この2モデルは同時に発表・発売されているわけではない。SBGH347は2024年10月に発表されておりすでに購入可能だが、SBGH349は先日発表されたばかりで発売は2025年1月10日(金)を予定している。まもなく、同様のスタイルを持つ2モデルの購入を比較検討することができるようになる。

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 どちらのモデルが好みでおすすめか。普段なら間違いなく37mm径のSBGH347と答えるだろうが、このモデルに関しては異なる。どちらも実際に触ったうえで心引かれたのは40mm径のSBGH349のほうだった。サイズこそSBGH349のほうが大きいが、それ以外の数値を比較するとSBGH347が37mm径に対して、ラグ・トゥ・ラグが44.6mmで厚さは13.3mm、重さはフルコマ状態の公式値で142g。対してSBGH349は40mm径に対して、ラグ・トゥ・ラグが46.6mmで厚さは13mm、重さは104g。これは好みが分かれるポイントだが、個人的にはブライトチタン仕様のSBGH349のほうがつけ心地が軽く好みだった。

 理由はそれだけではない。つけたときの印象としてもSBGH349のほうがサイズが少し大きいこともあり、よりダイヤルの存在感を感じられるところも気に入ったポイントだ。ダイナミックでありながら繊細な質感を持ち、手元がよく映える時計であり、時計を外したときにも思わず見惚れてしまうダイヤルは本当に魅力的である。

 先行発売されている37mm・エバーブリリアントスチール仕様のSBGH347をすでにお持ちの人であっても、40mm・ブライトチタン仕様のSBGH349は十分に購入検討の価値があると思う。そしてもしこれから購入を検討しようを考えているなら、SBGH349が発売となる2025年1月10日(金)を待つことをおすすめしたい。どちらもそれぞれに魅力的なため、これはぜひとも店頭で2モデルを比較しながら自分の好みはどちらか、どちらがより自身の琴線に増えるのかを確認したうえで選んだほうがいいと思うからだ。それほどに、ふたつの氷瀑ダイヤルモデルの魅力は甲乙つけがたかった。

グランドセイコーの詳細は、公式サイトへ(時計の詳細はこちらこちらから)

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