trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Editors' Picks 時計愛好家ではない友人に勧める9本の時計

彼らがこれを読むことはないだろうけれど。

ADVERTISEMENT

どんな時計を買ったらいい? そう尋ねられることがあるかというと、僕たちは皆それを経験している。しかしこれはおいしい質問だ。時計に関するセンスを(おそらくは潤沢な予算をもつ)友人が認めてくれていることになるだけでなく、新たな時計愛好家を作り出す絶好のチャンス(いや、前のめり過ぎもよくない、優雅に「機会」と言っておこう)になる。光栄なことだし、デイトナを割安でゲットできないか、と頼まれるよりは全然ましではないだろうか。

 そこで今回僕は編集部のスタッフたちに対し、時計関連の既存知識はないけれどもあなたが時計通であることを知っていて、それなりの予算もある友人に優れた時計を提案するとしたら、どこに落ち着くかという質問を投げかけてみた。

オメガ スピードマスター ムーンウォッチ ヘサライト 3861
Omega speedmaster on wrist.

そう、厳密にはこれはサファイアなのだが、どちらを選んでも間違いないのだ。

 時計を勧めることができそうな「非時計愛好家の友人」と話をするとなったとき、その可能性が閉じられてしまわないようドアに足を突っ込むかのような、瞬時に話が伝わり、ぐっと興味を引きつけてしまう何かが必要になる。オメガ スピードマスターなら、これまで散々言い尽くされてきて我々の多くがもうたくさんだと考える切り口を使って、恐ろしいほど瞬時にそこへ到達することが可能だ。我々の小さなコミュニティから外へ踏み出すことの素晴らしさは、言い尽くされてきたものが再び新鮮味を帯びるところにあるのだ。「この時計は月へ行ったんだ」。想像上の友人が誰であれ、私ならそう言うだろう。これで彼らの興味はつかんだ。

 突破口さえ開いてしまえば、スマホでこの時計の画像を引っ張り出し、その現行生産モデルが月へ行った時計と同じ設計をいかに効率よく搭載しているかを説明することができる。そして次に、その手巻きムーブメント、そしてその見事な機構を映し出す画像へとスワイプする(とはいっても、そのとき私が勧めているのは歴史的な正確さという点で、ヘサライト風防のクローズ型ケースバックのものになるのだろう)。もちろん、価格88万円(税込)の手巻き式を売り込むのは容易なことではない。しかし大丈夫だ。スピードマスターなのだから。


–ダニー・ミルトン(Danny Milton)、シニアエディター

カルティエ タンク ルイ カルティエ
a cartier tank louis cartier on wrist.

 この問いを私は頻繁に受ける。主にファッション界やその周辺にいる友人からだ。通常は、「あなたはどんな時計をつけるタイプ?」というゲームのようなことをして、個々に合った時計を提案することにしている。それをしてきた結果、私の交流範囲にいる人々の多くは、中価格帯から高価格帯の時計、日々の装いをレベルアップさせるようなものを探しているのだと確信するに至った。たいていはカルティエ対ロレックスのような話になることが多い。ときには愛好家としての熱意から、マニアックなものをいくつか勧めてみたりもするのだが、みんな知名度のあるものが好きなようで、私はそれに納得する。

 そんな私が「あなたのタイプ」ゲームをしないまま提案するのであれば、いつの時代にも変わらぬ人気のタンク ルイ カルティエにしておくだろう。ダイアナ妃、ジャクリーン・ケネディ、アンディ・ウォーホル、みんなタンクをつけてきた。おそらくこの事実は、私がこの時計について実際になにを話すよりも説得力を持つことだろう。とはいえ、私がこの時計で最も気に入っているのは、流行に関係なく常にカッコいい存在であり続けるところなのだ。

 ルイ カルティエは、初めての時計として提案するには値段がかなり高めであることは承知している。小売価格は小型のクォーツモデルで137万2800円(税込)から始まる。アドバイスとしては、ヴィンテージ品の機械式タンクルイ カルティエを狙うことだ。それなら6000から8000ドル(約84万から112万円)ほどの範囲(スモールかミディアムかによる)に収まる。そのコストを、これをつける場面数で割って考えてみれば、 その額は簡単に下がることになる。ここで損得計算をしようとしているわけでは決してないが、しかしタンクは定番であり、買っておけばずっとつけ続けられるし、割と何にでも合うため、日々のコストがいくらか下がることにはなる。スタイルエディターのお勧めがタンクとは……あまりにも予想通りではないか。ほかの回答を思いつこうともしてみたのだが。でもいい。クラシックはそれなりの根拠があってクラシックなのだから。  


–マライカ・クロフォード(Malaika Crawford)、スタイルエディター

G-SHOCK DW5600
Casio G-Shock 5600

 ここで適切な回答となる時計は、私のなかではたったひとつしかない。G-SHOCKのオリジンである5600Gシリーズは、私がこれまで家族や友人たち10数人にプレゼントしてきた時計なのだが、そのほぼ全員が、時計をつけない派からG-SHOCKを毎日つける愛好家へと変身を遂げた。快適で、機能満載で、価格も手頃でなんと約1万円、そしてなにより重要なのが、とんでもなく楽しいことだ。これを体験してしまったら最後、さらに数本のG-SHOCKを買い求めたあげく、それが機械式時計への好奇心へと引き継がれていくこともまれではない。なにも難しいことはない。G-SHOCKにしよう。


–ローガン・ベイカー(Logan Baker)、ブランドエディター

セイコー プロスペックス "20MAS" SBDC101
Seiko spb143 on wrist

 私に初めて買う時計のアドバイスを求めてくる人は、「よい時計」というものの条件枠が非常に狭いことが多い。私は常に友人たちの日常生活に合わせて提案するようにしている。だが、こうしたリクエストは長年で知り合いになったフォトジャーナリストから来ることが多く、そのライフスタイルから、時計をつける環境はハードなもので、必然的に彼らにとっての「よい時計」の枠は、ロレックスのフィールドウォッチやダイバーズウォッチへと条件づけられていく。だが明らかにそうした時計は、(金欠状態であることの多い)フォトジャーナリストの入門レベルの時計としてはふさわしくない。そこで私が何を勧めるかというと……

 ジェームズ・ステーシー(James Stacey)の領域へ踏み込むことになってしまうのは少々気が引けるのだが、というのも、セイコーのSBDC101について言えることは彼がほぼ語り尽くしているからだ。そこに私が何かを付け加えようとは思わないが、クラシックスタイルのダイバーズウォッチで(明確に「セイコー」ではあるのだが、上記の条件枠をもつ人なら容認できるほどにはロレックスに近い)、もっと手の届きやすい価格のものが手に入るのだ。とはいっても、入門レベルで買おうとしている多くの人々にとってはまだまだ高いものではある。

 これは気楽に好きになれる時計であり、フォトジャーナリストのライフスタイルに付きものの摩耗や割れが生じても取り乱すことなく「よい時計」を所有することに慣れさせてくれる時計だ。14万3000円)のこの時計は、数年前であれば自分自身にも勧めたい時計であり(当時に発売されていればの話だが)、今年、これまでに少なくとも5人以上の友人にこれを勧めてきた。


–マーク・カウズラリッチ(Mark Kauzlarich)、エディター

ティソ PRX パワーマティック 80
Tissot PRX Powermatic 80

 私は最近、従妹のミッチにこの時計を勧めたこともあり、実際の経験に基づいてこれを書いている。生活のなかで私に時計のアドバイスを求めてくるのは、時計愛好家でないことが多い。そうした人々に対して、通常なら(私の秘密兵器であるグッドウィル・ドットコムにあるような)ヴィンテージ品や中古時計を勧めるのだが、もしも新品を探している場合なら、ティソ PRX パワーマティック 80が幅広い人に向けた素晴らしい時計になる。「最初の素晴らしい時計」として最適な価格帯に入る(9万2400円)この時計なら、多くの「入門」時計が持ち合わせていない説得力あるその外観で、多くの人を機械式時計の世界へと誘いこんでいくことだろう。

 彼らが関心を持つようであれば、そこからステンレススティール製スポーツウォッチの幅広い世界について雑談し始めることができるし、仮にそうならなかったとしても、素敵でちょっと面白みのある、ドレスアップもドレスダウンもできて、ずっと使い続けることが可能な、そして(願わくば)買ったことに1ミリの後悔もなくそこから立ち去ることができるものを手に入れたことにはなるのだ。


–ノラ・テイラー(Nora Taylor)、副編集長

ロレックス エアキング 14000
air king 14000

 ああ、やっと! 君もついにいい時計が欲しくなったんだね? 尋ねてくるのを何年も待っていたんだが、その問いには簡単に答えてあげよう。ロレックス エアキング Ref.14000を見てみるといい。はいはい、そう、ロレックスだ。視点によってよくも悪くもさまざまなシグナルを世界に発しているブランドではある。だが最後まで聞いてくれ。ロレックスは、この特定レファレンスを1990年代から2000年代に生産している。サイズはわずか34㎜、つまり世界を騒がしくさせている今の多くのロレックスよりは控えめだということになる。SSブレスレット、ほどほどの防水性、そしてさっぱりとしたクラシックなデザインは、どこにでもつけて行くことができる。人々は「いい時計だね」と言うだろうが、いい時計「過ぎる」との皮肉を込めた言い方になることは決してないだろう。私が何を言わんとしているかはわかってもらえるよね。

 ところで、私が勤めている変な名前の会社を覚えているだろうか? そこの腕利きの同僚のひとりがエアキング 14000のことを、自分が最も着用した時計だと繰り返し言っている。上の写真は、彼女の美しいグレーダイヤルのエアキングだ。ほかにもエアキングが素晴らしいのは、ダイヤルカラーが豊富で、今でも比較的入手しやすい点だ。
 

 仕様にもよるが、4500から5000ドル(約63万から70万円)で手に入る。まあ確かに高いことはわかる。しかしこれは、何度も何度も永久につけ続けていられるものだ。もしそうしないのであっても、ロレックスは価値が下がりにくい。それでも本当に嫌になった場合には、私が君からそれを購入しよう。我々時計界では、それを「プロヴナンス(来歴)」と呼ぶんだ。


–アンソニー・トレイナ(Anthony Traina)、エディター

ADVERTISEMENT
ハミルトン イントラマティック 38mm
hamilton intra-matic

 私に時計のアドバイスを求めてくるのはたいていが男性で、そのうち私の助言を採用してくれた人はこれまでのところ皆無だが、もし採用してくれるなら、その人が買うのはこの時計になる。ハミルトン イントラマティック38mmは、誰にでも似合うし、上品だし、ちょうどいいサイズだ。これなら女性でも素敵につけることができ、誰であってもあらゆる装いに合わせられる。もしもあなたが時計を1本だけ買おうとしているのなら(たいていの人は1本だが)、シンプルでありながらもエレガントなものを望むと思うのだ。そしてこれは、その1本に賭けるのにベストな選択だと思う。11万3300円(税込)という値段を考慮すれば特にそうではないだろうか。


–サラ・ミラー(Sarah Miller)、シニアライター

スカーファ ダイバー・ワン チタン
a scrufa diver one titanium MS.2.2 on wrist.

 もしも君がお勧めの時計を尋ねてやって来たら、パテック フィリップといったあまり聞いたことのないモデルではなく、なにかスポーティで性能のいいものを探しているのだと僕は察するだろう。かつてはSNK セイコー 5や手軽なSXK007など、低価格のセイコーをすぐに勧めたものだった。だがときが経つにつれてモデルのラインナップは変化し(SKXも低価格とは到底言えなくなった)、時計について実際ほとんど知らない人々にとっては、難しいことをなにも要求してこないクォーツムーブメントのほうがいいのだということを僕も学んだりした。これを念頭に、作りのよい日常使いのスポーツウォッチとして僕が最初に勧めるのは、スカーファのチタン製ダイバー・ゼロだ。

 スカーファは、一人の商業ダイバーによって設立されたイギリスのブランドで、耐久性に優れた高スペックの美しく実用的なツールウォッチを作っている。チタン製ダイバー・ワンは、40㎜のダイバーズウォッチで、500mの防水性能、見事なベゼル、ふんだんに使った夜光、そしてサファイアクリスタルの風防を備えている。モダンな美しさがあり、多様なストラップに対応し、信頼性のある正確で高性能なツールウォッチとして、誰の手首にも装着可能だ。そうしたすべてが250ドル(約3万5000円)以下で手に入るのだ。僕はこの時計の限定版M.S.22を持っていて(上の写真)、いつもつけている。


–ジェームズ・ステーシー、シニアライター

Shop This Story

Hodinkee Shopは、ハミルトン、オメガ、セイコー、ティソの正規時計販売店です。