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Introducing ピアジェ ポロ スケルトン 2021年新作

ラグジュアリースポーツウォッチのカテゴリに投下された極薄のプロポーションを備える、スケルトン仕様のニューフェイスが登場。

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クイック解説

 「ピアジェ ポロ」の歴史は1979年に同社のカタログにラインナップされ、2016年には大幅なデザイン変更が行われたピアジェ ポロ Sが登場。それまでのクラシックなデザインから現代的なフォルムへと生まれ変わりました。日付表示機能付きのシンプルな3針モデルとクロノグラフモデルが最初に提供され、その後ローズゴールドケースを採用したモデルやダイヤモンドをあしらったモデルなどいくつかのバリエーションが追加されました。そして、今年ピアジェから新たに登場したのは、スケルトンバージョンの極薄機械式ムーブメントを搭載したピアジェ ポロ スケルトンです。ブルーとグレーの2種類のダイヤルで展開されます。

 直径42mmのステンレススティールケースは、ラウンドシェイプとクッション型のダイヤルを組み合わせ、横方向に施されたベゼルのサテン仕上げなど、「ピアジェ ポロ」コレクションの特徴は本機でも維持されています。ひと目見てそれと分かるのですが、文字盤の複雑さからは、ピアジェのエンペラドールコレクションを思い起こさせます(特にレザーストラップ装着時はその雰囲気が強い)。

 ピアジェは1950年代から、どこよりも薄いムーブメントの開発に取り組んできたブランドで、1957年には、厚さわずか2mmの9Pムーブメントを発表。現在でも薄型時計の雄として名を馳せています。そうした同社のノウハウが、ピアジェ ポロ スケルトンにも受け継がれているのです。

ピアジェ ポロ スケルトン(左)と従来のピアジェ ポロ S(右)を並べてみると、基本的なDNAはしっかりと受け継がれていることが分かる。

ピアジェ ポロ S(下)よりも薄いピアジェ ポロ スケルトン。時計自体の重心がより低くなったことで着け心地も快適に。

 ケースは、厚さわずか6.5mm。これは「ピアジェ ポロ」史上、最も薄いモデルであり、現行のピアジェ ポロ Sの厚さ9.4mmと比較すると約30%程度薄くなりました。この薄さを実現するのは、内部に搭載された自社製のマイクロローター式自動巻きムーブメントCal.1200S1。2万1600振動/時で駆動し、パワーリザーブは約44時間です。本ムーブメントは、同社のアルティプラノコレクションで採用してきた既存のムーブメントCal.1200Pを、ピアジェ ポロ スケルトン向けにモディファイしたもの。

Cal.1200S1の表(左)と裏(右)。

 ピアジェによれば、モディファイとパフォーマンスの向上のために2年が費やされたといいます。特に、現代の生活ではスマートフォンやタブレット端末などによる磁気帯びのリスクが多いため、対磁性能向上に力を入れているそう。取材時には、具体的な数値でどの程度改善されているか、技術チームからの回答がありませんでしたが、分かり次第アップデートしたいと思います。また、一方で防水性能は、その薄さと引き換えにピアジェ ポロ Sの10気圧から3気圧に減少しています。

 視覚的には、サンレイパターンのサテン仕上げをした受けや紋章をエングレービングしたプラチナ950製マイクロローター、手作業での装飾や面取りなどは共通しますが、それぞれブルーのCVDとグレーのガルバニック加工が施され、スポーツモデルらしくよりコンテンポラリーでインフォーマルな仕上がりになっています。

 また、ピアジェ ポロ スケルトンのポリッシュとサテン仕上げが施されたH型のブレスレットは、インターチェンジャブルになっており、付属のレザーストラップと容易に交換することが可能です。価格は、ブルー、グレー両モデルとも306万円(税抜)。

ファースト・インプレッション

 一体型ブレスレットを備えたSS製の薄型のスポーツウォッチ、いわゆるラグジュアリースポーツウォッチは、近年非常に人気を集めており、ここ数年で様々なブランドから投下されてきました。中でもピアジェ ポロ Sは、その高い品質と競争力のある価格設定によって独自のポジションを確立。そこに新たにピアジェ ポロ スケルトンが登場したことは、ピアジェが極薄の機械式時計の作り手として知られていることを考えれば、至極当然のように思います。同機は、2針でとても薄くスポーティでありながら非常にエレガントな仕上がりです。

 文字盤は、スケルトン化されたムーブメント自体がその役割を担う形になっており、アプライドのインデックスとポリッシュ仕上げが施された立体的な針によるコントラストによって視認性を確保。ただ、ブルーに比べてグレーのモデルは全体がワントーンであるため読み取りにくく感じました。

 個人的に今作でとても気に入ったのは、インターチェンジャブルブレスレット。他社の多くが、独自のメカニズムを構築するブランドが多い中、ピアジェが選択したのは非常にシンプルな方法。ちょうどバネ棒の両端につまみを設けたような形です。

ピアジェ ポロ スケルトンのインターチェンジャブルブレスレット。

 このシンプルな方式のため、通常のバネ棒を使うことができ(現に交換用に付属するレザーストラップもシンプルなアビエ式)、既存のストラップにも自由に付け替えることが可能です。僕のようにオーダーしたお気に入りのストラップを使いたいという人には、良いポイントではないかと思います。

 価格の面においてピアジェ ポロ スケルトンは、ピアジェ ポロ Sのように比較的手頃なモデルではありません。本モデルの価格は、税抜306万円。しかし、絶妙なポジションを狙っているように感じるのです。

 ジャンルと価格帯から競合モデルを考えると、やはりラグジュアリースポーツウォッチに属するモデルたち―最近生産終了となったパテック フィリップのノーチラスオーデマ ピゲのロイヤル オーク、ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズ、A.ランゲ&ゾーネのオデュッセウスショパールのアルパインイーグル―が挙げられます。

 しかし、どのブランドもスケルトン仕様では提供されていません。あったとしても例えば、ロイヤル オーク ダブルバランスホイール(税抜575万円)や、オーヴァーシーズ・パーペチュアルカレンダー・エクストラフラット・スケルトン(税抜1328万円・時価)など別の価格帯であったり、プレシャスメタルを用いたコンプリケーションモデルが中心であったりとなるのです。

 僕が思い出せる限り、モダンウォッチで競合となる最も近しいモデルは2つ。そのどちらもカルティエで、サントス ドゥ カルティエ スケルトン(税抜294万円)とパシャ ドゥ カルティエ スケルトン(税抜278万4000円)。両モデルともカルティエ独自のスマートリンク機構が付いておりブレスレットとレザーストラップも標準で装備されます。

MaudRemy‐Lonvis © Cartier

 ピアジェ ポロ スケルトンやこれらのカルティエのスケルトンウォッチは、どれも独自の美学に基づいた素晴らしいモデルたちですが、薄さという追加点においては、ピアジェ ポロ スケルトンに軍配があがります( サントス  スケルトン: 9.08 mm / パシャ スケルトン: 10.45mm)。一方防水性能は、カルティエはどちらも100m。

 外部だけでなく内部でも比較をしてみましょう。ピアジェ ポロ スケルトンは、確かにピアジェ ポロ Sと比較すると約3倍の価格差ですが、Cal.1200Sを搭載したモデルで次点にくるのは、ホワイトゴールドまたはローズゴールドのアルティプラノ(税抜624万円)。ステンレスとゴールドの素材違いで、その差は約2倍程度。ピアジェのウォッチコレクションからみると、エントリークラスのスケルトンウォッチというポジションを確立しているのです。

 ピアジェ ポロ スケルトンは、スポーティさとエレガントさを両立させたピアジェらしいハンサムな時計です。個人的には、メゾンのシグネチャーカラーである深みのあるコーンフラワーブルーのモデルが好みですが、どちらも間違いなく同社の精神が詰め込まれた存分に楽しめるモデル。306万円という価格面においては、確かに愛好家たちの間で議論が生まれることは間違いないと思いますが、その独自の位置づけを考えると高すぎるわけではないのではないでしょうか?

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基本情報

ブランド: ピアジェ(Piaget)
モデル名: ピアジェ ポロ スケルトン(Piaget Polo Skeleton)
型番:G0A45004(ブルー)、G0A45001(グレー)

直径: 42mm
厚さ: 6.5mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: ブルー(CVD)、グレー(ガルバニック)
インデックス: アプライド
夜光: なし
防水性能: 3気圧
ストラップ/ブレスレット: スティールブレスレット、レザーストラップ(文字盤にあわせたブルーまたはグレー)


ムーブメント情報

キャリバー: Cal.1200S1
機構: 時、分
直径: 31.9mm
厚さ: 2.4mm
パワーリザーブ: 約44時間
巻き上げ方式: 自動巻き(マイクロローター)
振動数: 2万1600振動/時
石数: 26
クロノメーター認定: なし


価格 & 発売時期

価格: 306万円(税抜)
発売時期: 発売中
限定:なし、通常生産

詳細は、ピアジェ公式サイトへ。