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A Week On The Wrist ロレックス デイトジャスト Ref. 116200を1週間レビュー

本物の歴史、万能なスタイル、そして質の高い時計製造。ベーシックなデイトジャストは、カジュアルな人から熱狂的なファンまで、すべての人を魅了します。

※本記事は2014年6月に執筆された本国版の翻訳です。

時計愛好家にロレックスについて尋ねると、レアなヴィンテージのデイトナや、新しいGMTマスターに搭載されたバイカラーのハイテク素材・セラクロムベゼルについての話を聞かされることがあるでしょう。それでも、コレクターや愛好家のあいだでデイトジャストの話題に飛びつく人は稀です―間違いかもしれませんが。ロレックスのなかでも控えめな存在のデイトジャストは、本物の歴史、万能なスタイル、高品質な時計製造という素晴らしい要素が組み合わされており、カジュアルな時計を愛用している人から熱狂的な愛好家まで、誰もが興奮するはずです。今回、現行型(訳注:掲載当時)の36mmサイズのデイトジャストを試着しながら、この時計の起源と、なぜこの時計が史上最高の時計のひとつであるのかを詳しくご紹介します。


ロレックスとデイトジャスト

ロレックスの初期の工場 © Rolex。

ロレックスが地球上で最もよく知られた時計メーカーであることは疑いの余地がなく、世界で最もよく知られたブランドの一つであることも言うまでもありません。その理由を、莫大なマーケティング予算やその他の目に見えない資質の成果であると考えるのは簡単だし、それらが一因であることは確かですが、会社とその製品そのものの歴史を無視することは、全体像を曲解することになります。デイトジャストは、今日まで残っている初期のモデルのひとつであり、ロレックスがロレックスたる所以を説明する完璧なレンズとなっているのです。

ハンス・ウィルスドルフ © Rolex

ロレックスは1905年にハンス・ウィルスドルフによって設立されましたが、当初はイギリスを拠点とするウィルスドルフ&デイビスという社名でした。1920年にウィルスドルフが仕入先のあるスイスに移転させたのを機に、社名をロレックスSAに変更し現在に至ります。ブランド名は、どの国の言葉でも発音しやすく、ダイヤルに短くエレガントに配置したいというウィルスドルフのこだわりなど創業時からの小さな洞察が、ロレックスの現在を知る上で大きなヒントとなっているのです。このような小さな決断の積み重ねが、のちに大きな影響を与える分岐路となったのです。

初代デイトジャスト © Rolex

さて、そのデイトジャストを紹介しましょう。初代デイトジャストは、1945年にロレックス社創立40周年を記念して発表されました。ジュネーブのホテル・デ・ベルグ(現在はフォーシーズンズホテルとなっており、クリスティーズの伝説的なロレックス デイトナのオークション“レッスン・ワン”が開催されました)で、ウィルスドルフ自身が開いたこの催しで発表されました(時計に当初から付属していた新しいブレスレットの名はそれに因んで付けられました)。このモデルは、自動でデイトが変わる自動巻き腕時計の初号機です。今でこそ時計を持っている人にとって当たり前の機能ですが、40年代には大きな変革をもたらしたのです。

初代ロレックス オイスター © Rolex

デイトジャストは、もちろんオイスターケースに収められていましたが、これもまたロレックスの偉大なイノベーションのひとつです。1926年、オイスターケースは世界で初めて量産に成功した防水腕時計ケースであり、世界初の完全一体型防水ケースでもありました。それまでの防水ケースは、アウターケースをメインケースにはめ込む面倒な代物だったのです。

また、ムーブメントを自動的に巻き上げるパーペチュアルローターは、ロレックスが最初に実現しなかった数少ない革新的技術のひとつです。1928年になって初の自動巻きムーブメントを発表しましたが、これはハーウッド社が3年先駆けて市場に投入していました。デイトジャストには先に述べた新しいブレスレット“ジュビリー”が装着されました。もともとジュビリーは時計本体の名称として検討されていましたが、最終的には現在の美しいリンクを持つブレスレットのものとなったのです。

のちのデイトジャストRef.4467 © ジョン・ゴールドバーガー氏所蔵。

初代デイトジャストは、Ref.4467で、イエローゴールドと、それに対応するイエローゴールド製ジュビリーブレスレットのみが用意されていました。このモデルは、クリームがかったホワイトのオープンダイヤルで、時間を示すゴールドのバトン針と、偶数日を赤、奇数日を黒で表示するルーレット式のデイト表示が取り付けられていました。このとき、風防にはサイクロップレンズはなく、これは1955年にデイトジャストに搭載されたロレックス初の技術です。12時位置に“Rolex / Oyster Perpetual”表記、6時位置に“Chronometre”表記が配されています。ベゼルには、1960年代に強調されるようになった軽やかなフルート(溝)加工が施されていました。

デイトジャスト Ref.5031 © ジョン・ゴールドバーガー氏所蔵。

その後、デイトジャストにはスティールとピンクゴールドのツートンカラーや、総スティール製のモデル、石のダイヤルやダイヤモンドを敷き詰めたベゼルのモデルなど、数え切れないほどのバリエーションが登場しました。デイトジャストの名称は、Ref.5030/5031に散見されるようになりましたが、のちのRef.6074/6075まで定着することはありませんでした。デイトジャストのすべてのバリエーションを詳細に把握することは不可能かもしれませんが、それでも可能な限り探し求める熱心なコレクターもいます。

デイトジャストⅡ– © Rolex

デイトジャストのRef.16200シリーズは、大きな変更点のない初代36mm径の後継モデルで、本記事ではその詳細を追います。ところが、2009年にロレックスは41mm径のデイトジャストIIを発表しています。ゴールド、ダイヤモンド、アラビアインデックスなど、多彩なダイヤルやディテールはそのままに、36mm径では小さすぎると感じる人にもアピールできるサイズを用意したのです。幸いロレックスはこのモデルをラインナップに加え、クラシカルなモデルをデイトジャストIIと共存させました。


数少ない重要なデイトジャスト

本記事でデイトジャストの広範な歴史の大部分を紹介することはできませんが、代表的なデイトジャストの個体をいくつか紹介することで、この時計が時計産業の歴史や大衆文化における時計の地位にとっていかに重要であるかを示すことにします。

著名人が着用したロレックスといえば、デイデイトが注目されますが(ブレスレットに“ザ・プレジデント”という名前まで付いていることからもおわかりのとおり)、デイトジャストを選んだ人も少なくありません。先日、2014年9月に出品されるドワイト・D・アイゼンハワー米大統領の私物のデイトジャストをご紹介しました。アイゼンハワー大統領は、金無垢のRef. 6305を着用し「LIFE」誌の表紙を飾ったことで、このモデルはポップカルチャーの時計として確固たる地位を築きました。このデイトジャストについては、こちらで詳しくご紹介しています。

デイトジャストの原型となるリファレンスのひとつが、1950年代半ばのRef.6305です。ヴィンテージDJ(デイトジャスト)といえば、重度のデイトナコレクターも夢中になるほどの逸品です。このモデルはスティール製で、現在のベゼルに似たフルーテッドベゼルを採用した初期の個体のひとつであり、クリーミーホワイトまたはグレイッシュブラックのダイヤルを備え、後者のカラーがより好まれてコレクションされていました。どちらもハニカム(蜂の巣)状のテクスチャが施されており、さらにエレガントな雰囲気を醸し出しています。時計販売店Watches In Romeの店頭にも、この見事なブラックダイヤルのRef.6305が並びました(完売)。

厳密にはロレックスとはいえない、改造が施されたRef.16220。

厳密にはロレックスの時計とはいえない、この改造デイトジャストは実に興味深いものです。確かに1980年代後半から90年代前半に製造された、ありふれたRef.16220に見えるかもしれませんが、実はジョージ・ダニエルズが発明したコーアクシャル脱進機を備えたムーブメントを搭載しているのです。この技術をオメガに売却する前に、ダニエルズは自分の発明で多くの既存の時計を改良し、そのアイデアを啓蒙していました。これは間違いなく一点モノです。ともすれば、やや胡散臭く聞こえるこの話の詳細は、こちらをご覧ください。

これは、コレクターのあいだでは歴史的な価値は高くないかもしれませんが、その素晴らしさにおいては議論の余地がないと思います。このRef.6604は1957年に製造されたもので、プラチナ製、オリジナルのプラチナメッシュブレスレットが付いています。これだけでも興奮してしまいますが、さらに金色の書体がプリントされたブラックハニカムダイヤルと、当時のままの状態の夜光プロットが加わると心躍ります。このような時計が何本作られたのかは不明ですが、ひと握りかふた握り程度であったとしたら、僕らはショックを受けるでしょう。この個体もWatches In Romeの店頭のものです(完売)。


36mmのオイスター パーペチュアル デイトジャスト

ロレックス デイトジャスト 36mm Ref.116200。

ここで、現行のスタンダードな36mm デイトジャストであるRef. 116200(写真はRef.116234)を紹介します。これは、前述のRef.6305のような1950年代のクラシックなDJの直系機といえます。金属素材、ブレスレット、ダイヤルなどの組み合わせは何十通りもありますが、私たちが選んだのは、クラシックな歴史的特徴と、機能的なアップデートが最もよく調和していると思われる仕様です。

まず、ここにあるデイトジャストは、41mm径のデイトジャストIIではなく、クラシックな36mmサイズです。36mm径では小さすぎるという意見もありますが、僕たちはそうは思いません。この時計は、小さくてヴィンテージ感のあるサイズの利点と、現代のテクノロジーの利点を併せ持っていると思うのです。次に選んだのは、SS製ケースです。ロレックスは、腐食や傷に強い低炭素合金である904Lを採用しています。しかし、これにはコストがかかります。904Lは加工が非常に難しく、2000年代初頭、ロレックスはこの合金を加工するための新しいインフラに投資しなければなりませんでした。僕たちはその投資が何倍にもなって報われたと考えています。

ロレックス オイスターブレスレット

デイトジャストといえばジュビリーブレスレットが定番ですが、私たちはオイスターブレスレットを選びました。確かに、ジュビリーはDJで登場しましたが、今日では少しドレッシー過ぎる感じがしますし、光沢もあるので、日常的には少し不向きですよね。オイスターブレスレットは、スポーティな雰囲気を醸し出しているので、どんなシーンにもマッチします。落ち着いたモダンなフラットベゼルではなく、伝統的なフルーテッドホワイトゴールドベゼルを採用することで、バランスをとっています。

シャンパンダイヤル、夜光の入った針とバトンマーカー。

最後にダイヤルの選択です。サンレイ状のシャンパンカラーに、シンプルなバトン型マーカーと針を組み合わせています。アワーマーカーと針には夜光塗料を使用し、ダイヤルの繊細な質感は1960年代のデイトジャストに見られたものとほぼ同じです。また、サイクロップレンズを採用し、3時位置のデイトを拡大表示しています。これは、現行デイトジャストの全シリーズに見られる特徴です。

Cal.3135 © Rolex

この時計は、先代から多くのものを受け継いでいますが、他のロレックスと同様、極めて現代的かつ高い基準で製造されています。搭載されているのは、1988年からロレックスの中核を担ってきたCal.3135。これはCOSC認定クロノメーターの自動巻きムーブメントで、パワーリザーブは約50時間、石数は31石。テンプには、耐衝撃性と耐磁性に優れた独自開発のパラクロムヒゲゼンマイが使用されており、完全自社製であることが印象的です。ムーブメントの仕上げは凝ったものでないものの美しく、どこからどう見ても堅牢で機能的なムーブメントです。確かに、25年以上前と設計の古さは否めませんが、実用性という点では今でも侮れないキャリバーです。なお、2014年のバーゼルワールドで、ロレックスはシリコン製ヒゲゼンマイSyloxi(シロキシ)を採用した34mmサイズのレディースのパールマスターがひっそりと発表されました。もっとも、デイトジャストのようなモデルがこのアップデートを採用するかどうかは不明です。

よく見ると、現行ロレックスを他のどの時計とも違うものにしている小さなディテールに気づくでしょう。サファイアクリスタルの底面やベゼルの内側のフランジ部に、ロレックスのロゴがあり、偽物を見分けるのに役立ちます。また、アワーマーカーから12時位置のコロネ(王冠)まで、ダイヤル上のすべてが手作業で取り付けられていますが、これは多くの人にロレックスが機械で行っていると誤解される点です。この比較的シンプルなダイヤルを作るのに、実に60以上の工程が必要だといわれています。

サイクロップの下では、日付は明瞭で、非常に読みやすくなっています。デイトジャストという名前に確かに相応しいものです。

ツインロックねじ込み式リューズ。

オイスターケースは100m防水で、特許取得済みのツインロックねじ込み式リューズを採用しています。ねじ込みと取り外しは簡単ですが、ロックされていると本当に安心感があります。

クラスプを閉じた状態。

クラスプを解除した状態。

ロレックスのブレスレットは、世界最高水準であることと言われています(最も優れていると言う人もいます)。リンクは重く頑丈で、ヴィンテージのロレックスに見られる、薄くて魅力的なフォールドリンクとは全く異なります。オイスタークラスプは小さなレバーで開閉するため、不意にブレスレットが開いてしまうことがほとんどありません。また、マイクロアジャストメント機構を採用しているので、フィット感を微調整することができます。

理論上でも実用上でも何から何まで、この時計は素晴らしいものです。しかし、実際に腕につけてみるとどうなのでしょうか?


オン・ザ・リスト

デイトジャスト36mmを腕に。

最初にこのデイトジャストを手に取り、ロレックスの時計技師に自分の腕に合わせてサイズ調整してもらったとき、僕はどう考えればいいのかよくわかりませんでした。ヴィンテージ・デイトジャストやヴィンテージ・デイデイトは以前にも着用したことがありますし、ヴィンテージ・GMTマスターは私のお気に入りの時計のひとつですが、現行ロレックスには一度も触れたことがなかったからです。少なくとも深刻に悩んだというわけではありませんでしたが、今回のテストに向けて少し懐疑的でした。

出し惜しみせず書くと、非常に感銘を受けたことをお伝えします。デイトジャストは、1960年代の先代モデルと同じ36mmサイズを採用していますがまったく異なる時計になりました。ケースの両肩部分がより広くなり、ケース自体も厚くなったことで、繊細で整った雰囲気はなくなっています。手首に装着すると、しっかりとしていて、存在感があります。重いとまでは言いませんが、特にオイスターブレスレットとの組み合わせは、“質実剛健”という表現がぴったりです。

ダイヤルは、明るい場所でも暗い場所でも変わらない視認性を発揮します。サンレイパターンは、派手さはないものの、ずっと眺めたくなるような質感をダイヤルに与えています。書体のプリントは漆黒で読みやすく、植字されたマーカーとコロネは、多くの人がこのモデルを機械で処理しているはずだと誤解している理由を説明できるレベルの精緻さで、ダイヤルに整然と固定されています。また、針、アワーマーカー、ダイヤルプロポーションも絶妙で、それぞれの要素が見事に調和しています。まさに、シンプルなデザインのお手本と言えます。

私の最大の不満点は、ヴィンテージ愛好家の多くが共感する、ブレスレットの鏡面仕上げのリンクの存在にあります。昔のオイスターブレスレットは全面サテン仕上げで、ツールウォッチのブレスレットに相応しい仕上げでしたが、現代のオイスターはいずれのサイズモデルもセンターリンクが鏡面仕上げで、サイドリンクがサテン仕上げとなっています。このセンターリンクが光を反射し、汚れや傷が目立ち、流行遅れの印象を与えるのです。もちろん、904Lスティールは耐久性が高いものの、鏡面仕上げは汚れや傷が目立つという性質に変わりありません。

36mmデイトジャストとの時間はとても楽しく、ロレックスに返却したくありませんでした。ご存知のように、僕は複数の時計を持っていて、様々なシチュエーションに合わせて交換して楽しんでいます。同じような状況にある人にとっては、このデイトジャストは、カジュアルな場面とドレッシーな場面の間を行き来するような1日に最適な1本になるでしょう。日中の会議でも、友人と過ごす夜のバーでも、場違いな印象は受けません。時計を交換する必要がないのです。

しかし、デイトジャストが真に輝くのは、毎日同じ時計を身につける人の腕にあるときです。正直なところ、誰もが状況に応じて時計をコレクションできるわけではありませんし、進んでそうしたいわけでもないでしょう。そんな人たちにとって、デイトジャストは素晴らしい選択です。しっかりとした作りで、文字通り長持ちし、どんな状況でも着用でき、どんな状況下でも頼りになる存在です。デイトジャストは、いつでもどこでも誇りを持って身につけられる時計です。毎日使う時計として、これ以上のものはないでしょう。ツートンカラーのデイトジャストがロレックスのベストセラーであるのも頷けます。

この記事でご紹介したデイトジャスト36mm仕様の価格は、82万800円(掲載当時)。つまり、決して手頃というわけではありませんが、大台の100万円を大幅に下回る価格設定となっています。18KWG製のフルーテッドベゼルの代わりにポリッシュ仕上げのスティール製ベゼルを採用した36mmのデイトジャストは68万400円(当時)から。ツートンカラーのモデルは100万円を超えたあたりから、金無垢のモデルは300万円を超えることもあります。もっと低価格で信頼性の高い3針デイト表示の時計はありますが、それでも価格以上の価値を手にすることができるでしょう。しかし、いつものように、もしこの時計が自分に合っていると思っても、他にも検討すべき選択肢があります。


競合モデル

ご想像のとおり、ここで比較すべき最大のポイントは、このデイトジャストとヴィンテージの先代モデルとの比較です。この2つの時計には多くの特徴がありますが、互換性があると考えるのは間違いです。何でも使える万能時計をお探しの方には、繊細なヴィンテージ・デイトジャストはお勧めしませんが、ミッドセンチュリーの雰囲気を表現したドレッシーな時計をお求めの方にはお勧めです。1960年代や1970年代の標準的なデイトジャストは、状態やブレスレット、ダイヤルカラーなどによって20~40万円ほどですが、価格も大きな要素です。1950年代のより価値の高いモデルや希少なバージョンは200万円以上、なかには500万円超もありますが、ここではそれは置いておきます。

まずはグループ企業であるチューダーの新モデル「スタイル」です。サイズは4種類(28/34/38/41mm)、ダイヤルカラーは多様で素材は総ステンレスとツートンカラー、ブレスレットとストラップの2種類があります。ここでは、38mmサイズのSS製ブレスレットの組み合わせが最適でしょう。デイトジャストよりも若干モダンなスタイルでありながら、非常に堅牢なケースを採用し、内部には実用的なETA2892ムーブメントを搭載しています。このモデルの価格は約23万円で、デイトジャストの約3分の1となっています。

オメガもまた、パンチの効いたオールマイティな時計を提供するブランドの常連です。一番の比較対象は、シーマスター アクアテラ 150 M マスターコーアクシャルです。デイトジャストよりも少しスポーティな外観で、特に太い矢印針と質感の高いブラックダイヤルが特徴的ですが、38.5mmのサイズは現代の基準ではまだ控えめで、ブレスレットはポリッシュ仕上げのセンターリンクを備えた3連タイプです。アクアテラに搭載されているCal.8500は、まさにテクノロジーの粋を集めたムーブメントです。このムーブメントは、耐磁性("Master "の表記がその性能を表しています)、コーアクシャル脱進機、クロノメーター認定、60時間のパワーリザーブを備えており、トランスパレントケースバックから眺めることもできます。

アクアテラの価格は63万8000円(税込・当時)で、今回ご紹介するロレックスよりも20万円近く手頃なのですが、ホワイトゴールドベゼルのない36mmのスティール製DJとの差は6万円ほどなので、これは他のモデルよりも真剣な比較になるでしょう。

36mmのデイトジャストは、世界で最も手頃な3針デイト表示の時計でしょうか? いいえ。堅牢なスティール製ケース、それに見合う頑丈なブレスレット、内部に搭載された最先端技術を駆使したムーブメント、そして美しくクラシックなダイヤルを備えた、最も手頃な3針デイト表示の時計でしょうか? いいえ、それも違います。しかし、これこそがロレックスのデイトジャストなのです。史上最も象徴的な時計に歴史と未来を手にすることになり、それには大きな意味があるのです。デイトジャストが本当に欲しいのであれば、すべての条件を満たす時計はおそらく他にはないでしょう。


結論

ヴィンテージロレックスの愛好家として、このレビューを始めたときは少し懐疑的でした。しかし、36mmのデイトジャストは、その2つのギャップをうまく埋めてくれる素晴らしい時計です。本機はヴィンテージロレックスの魅力の多くを継承しつつ、現行ロレックスのよさも同時に提供しています。20世紀半ばの時計を彷彿とさせる、トリビュートでも先祖返りでもない時計なのです。

手首に装着すると、36mmのデイトジャストがいつまでも使える堅実な機械であることは間違いありません。しっかりとした作りで、気づくと笑顔になってしまうような小さなディテールがいくつもあります。何本も時計を持っている人なら、まだまだ魅了されるだけの面白さがあるし、1本しか時計を持たない人にとって、これ以上に日常使いできる時計は、そうそうないでしょう。

現行デイトジャストは、時計愛好家のあいだで最も人気のあるロレックスではありませんが、なぜ同社が王冠を戴いているのかを思い起こさせる、抑えの効いた実直なデザインなのです。

ロレックス デイトジャスト 36mmの詳細については、ロレックス 公式サイトをご覧ください。