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カレンダーを見てみて欲しい。8月1日はスイスの建国記念日だった(私が持っているカレンダーには載っていないが、どこかのカレンダーには載っているはずだ)。そしてそれがどういうことかは……、わかるね? わかるだろう⁇
答えはもちろん、この地球上の7月の満月の下で考案されたオメガ×スウォッチのムーンスウォッチ、そのムーンシャインゴールドの新作だ。この時点で我々は1年以上もムーンスウォッチマニアに振り回されていることになる。2023年はこれまで散々書いてきたように、スウォッチのブティック限定品であるムーンシャインゴールドを過剰宣伝した年となった。3月以来、我々は月に1度、ムーンシャインゴールド ムーンスウォッチにまつわるちょっと風変わりなミッションを与えられている。
我々はプレーンなゴールドメッキに始まり、シークレットナンバー、華やかなピンク、花柄、そしてストロベリー柄までを見てきた。一体、スウォッチはスイスの建国記念日で何を表現したのだろうか? その答えは、赤地に白の十字架をあしらった、伝統的なスイスのランタンを想起させる模様だ。このデザインはクロノグラフの秒針全体に施されている。
7月のストロベリー同様、ムーンシャインデザインのムーンスウォッチは基本的にスウォッチを購入できる場所(正確には85都市、97のスウォッチストア)で販売された。しかし昨日(2023年8月1日)限りであった。その後は、ランタンの炎のように“パッと”消えてしまった。
これらの時計には、確かに7月の満月の下で作られたという事実を証明する証明書が付属している。これは3万9600円(税込)で販売されている時計にはまったく不必要な付属品のように思えるが、スウォッチのマーケティングと販売戦略全体に見られる得体の知れないあざとさのうちに収まっているようである。
熱心な買い手は相変わらず列をなし、スウォッチのムーンシャインモデルは瞬く間に売り切れた。この時計がスウォッチの核であるスイスの伝統を称えているという事実は、ストロベリームーンやピンクムーンよりもこの時計を特別なものにしていると、少なくとも私はそう思っている。
というのも、毎月発表されるこれらの時計は基本的にクロノ針というたったひとつのことがテーマになっている。それだけのことだ。ムーンシャインゴールドの針とそれに付随する証明書は、現時点では1日だけ入手可能なコレクターズアイテムを作るためだけに生産され、その後は消えてなくなっていくものである。
ムーンスウォッチのフルセットを持っていて、そのコレクションに加えるためにこれらのリリースを待ち続けている人々を私はたくさん知っている。クロノグラフ針を飾る新しいデザインが何か、という説明以上のことを書くのは難しいが、私はムーンウォッチが依然として時計界全体を掌握していることを感じずにはいられない。1日限りの新作が発表されては消え、発表されては消え……、を繰り返すたびに、通常生産モデルの存在を思い知らされる。それはまるで数々のスペシャルエディションやディレクターズカットにより、劇場公開された映画の続きを見ているようだ。
結局のところ、これは過去4カ月リリースのたびに見てきたのと変わらない直径42mmのムーンウォッチにインスパイアされた“ミッション・トゥ・ザ・ムーン”ベースのムーンスウォッチなのである。 このリリース形態に完全に傾倒している人々にとって昨日は特別な日であっただろう。ムーンスウォッチ疲れを感じている人もいるかもしれないが、我々はまだこれで終わらないと思う。今年の残りがさらにエキサイティングなものになるかどうかは、時が教えてくれるだろう。それではまた来月。
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