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Introducing ブランパン フィフティ ファゾムス ノー ラディエーション

もちろん放射性物質は使っていないが、なかなか尖っている。


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1959年のニューヨーク・タイムズ紙に掲載された一通の手紙に、「パンナムの大西洋横断便で放射能が検出されたが、アメリカ公衆衛生局の調査では、ラジウム塗料を塗った腕時計よりも放射線量が少ないことが判明した」という記事に対する読者の反応が書かれていた。この読者は、「もしこの記述が事実に基づいているなら、公衆衛生局はラジウム塗料の文字盤の腕時計についても調査すべきではないか」と疑問を抱いたのだ。

 ニューヨーク・タイムズ紙の読者がいち早く指摘したように、時計へのラジウムの使用は1960年代に安全性の問題で話題になった(ただし、当時からその危険性は知られていた)。この世紀半ばのラジウム問題によって、ブランパン史上最も象徴的なダイバーズウォッチのひとつが誕生することとなった。

 ブランパンがダイバーズウォッチの世界に参入したのは、最近公開された非常によくできたドキュメンタリーでも紹介されているが、とても興味深いストーリーだ。要は、ブランパンはアメリカ軍と早くから契約を結び(米軍にはトルネク-レイヴィルという名称で提供)、フランス軍、ドイツ軍とも同様で、それぞれの海軍に水中使用のフィフティ ファゾムスを供給していた。これらの時計は「Mil-Spec」と呼ばれ、軍の仕様に合わせて設計されていた。仕様書には、自動巻きムーブメントや使用する素材など、数多くの必要条件が記載されていた。

ブランパン フィフティ ファゾムス  Mil-Spec の広告。

 夜光塗料については実質上、ラジウムを使った仕様に縛られていた。しかし1960年代に入り、ラジウムの危険性(浴びた人の健康への悪影響)が明らかになると、ブランドは変化を遂げた。

 このとき、ブランパンはフィフティ ファゾムスの最も象徴的なバージョンのひとつである「ノー ラディエーション」ダイヤルのバリエーションを発表した。このモデルは、文字盤の夜光に放射性物質を使用していないことを明確に示すためにデザインされたものだが、どうやって示したか? 文字盤に、放射線の三つ葉マークを横切る線で "No Radiations "と書かれた、黄色と赤の大きくて鮮明なスタンプを載せたのだ。非常に分かりやすい。

1960/70年代のブランパン フィフティ ファゾムス "No Radiations" ダイヤル。写真提供:フィリップス

 さて、今回ブランパンは、この"ノー ラディエーション"モデルのリバイバルを発表した。トリビュートモデルである「フィフティ ファゾムス ノー ラド リミテッド エディション」だ。

 このモデルは、オリジナルモデルを「ほぼ」1:1で再現している。HODINKEE Mil-Spec LEのケースと同様に、非常に装着感の良い40.3mmのケースを採用し、オリジナルモデルのスピリットを忠実に再現してみせた。

 注目すべきことに2010年にも、オリジナルの“ノー ラディエーション”へのトリビュートモデルを発表している。同じ文字盤構成で45mm径の大型ケースを採用したモデルだ。これは500本の限定で発売され、コレクターの間で人気を博している。

 ある意味で、新しいトリビュートモデルの「 フィフティ ファゾムス ノー ラディエーション リミテッドエディション」は、ちょっとした楽しい皮肉が表現されている。古い"ラジウム"カラーのスーパールミノバを使用した夜光塗料の処理は、オリジナルの "ノー ラディエーション" モデルに見られた古びた外観を再現するためのものだ。フェイク・パティーナ(フォティーナ)については意見があるだろうが、過去への回帰を意図したこの時計では、その効果は発揮されている。

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 この時計は、新しいもので再構築することによって古いものを讃える、というエクササイズのようなものだ。ベゼルインサートにはサファイアが使用されているが、これはブランパンの最新ダイバーズモデルに共通する仕様だ。ベゼルには、マーカーと同様にパティーナ加工された蛍光が施されており、ドーム型の効果によってヴィンテージ感のあるボックス型サファイアクリスタルと調和している。このクリスタルは、文字盤の外周が湾曲して見える効果を与えている。ケース自体は300m防水性である。

 3時位置に配置された日付表示はオリジナルモデルと同じで、マットブラックの文字盤やペイントされたマーカーも同様だ。この時計にはトロピカルタイプのストラップが付属しており、ケースにはラグホールがある(これは奇妙なことに、ヴィンテージ時計の特徴でありながら、ストラップを取り外す際の実用性にも非常に優れている)。そして忘れてはならないのが、このモデルのアイコンである"No Radiations"のスタンプだ。

 注目すべき点は、ケースが全体的にポリッシュ仕上げになっていることだ。ブランパンのデザイン言語と一致しているが、このモデルにサテン仕上げでもよかったと思う。また、多くの人が指摘すると思われるのは、ケース側面にあるブランパンの刻印だ。これはオリジナルモデルにはなかったもので、このデザインがなければ、この時計は完璧に近いものになったことは言うまでもないだろう。

 今回の限定版には、ブランパンが長年採用してきた自動巻きムーブメント、Cal.1151が搭載されている(リューズに過度な負荷をかけないため、ダイバーズウォッチには最適)。このムーブメントは、2003年のフィフティ ファゾムス50周年記念モデルにも搭載されていたもので、シリコン製ヒゲゼンマイを使用し、4日間という驚異的なパワーリザーブを実現している。特徴的なダブルバレルは、カルトゥーシュ型と呼ばれる開口部を備えたローターによって巻き上げられる。ブランパンによると、これは「初代フィフティ ファゾムスを含む、コレクションの歴史的なタイムピースにちなんだものです」ということだ。「今では珍しいこのディテールは、衝撃を受けた際にムーブメントを保護する目的で、回転ローターの柔軟性を高めるために使用されていたものです」

 古いデザインは、古い素材を使用しなければならないことが多いため、再現するのは難しい。ブランパンは今回のモデルで、クラシックなコレクターズモデルのエッセンスに、現代の構造とムーブメントのクオリティを、バランスよく組み合わせてみせた。本作も先代モデルと同様にコレクション性の高い時計となると思う。2010年の限定モデルと同じく、この「 トリビュート トゥ  フィフティ ファゾムス ノー ラディエーション リミテッドエディション」は500本の限定生産となる。

 ブランパン トリビュート トゥ フィフティ ファゾムス ノー ラディエーション リミテッド エディション Ref.5008D-1130-B64A。直径40.3mmのSS製ケース、トロピカルスタイルのストラップ。ブラックセラミック製の夜光付きベゼル。ブランパン Cal.1151、4日間(100時間)のパワーリザーブ、28石。マットブラックの文字盤に 「オールドラジウム」カラーのスーパールミノバ®が塗布されたアワーマーカーと針 。300m防水。世界限定500本。価格:139万円(税抜)。