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Introducing カルティエ パシャ ドゥ カルティエ 41mmと35mm 2020年新作

カルティエの最も有名なモデルの1つ、パシャがついにカムバックした。

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クイック解説

 カルティエ パシャは、確かな根拠はないが、1933年にモロッコにあるマラケシュのパシャ・エル・ジャヴィ公のために作られたとされている。公の記録の問題だが、こうした話はよくあるものだ。同社の歴史の中で、しっかりと文書化された内容によれば、パシャは、1985年に初登場し、同社により明確でインパクトのあるラグジュアリースポーツウォッチが欠けていたために、その部分を埋めることを意図されたという。ロイヤル オークやノーチラスと同じ顧客層に対し、十分に競争できるモデルである。

1985年に登場した初代カルティエ パシャ。 Marian Gérard, Collection Cartier © Cartier

 発売以来、パシャには様々な種類のバリエーションがあり(著名なカルティエ専門家ジョージ・クレイマー氏がそれら多くを詳細に説明している。中でも個人的なお気に入りは、ゴールド製で風防の上にグリッドを持ったトレンチウォッチスタイルのものだ)、今年、パシャは1985年のオリジナルに非常に近いモデルともう一つ別のモデルを備えて登場した。

© Cartier

 再登場したパシャは、2つのサイズに分かれている。日付ありの41mmモデルと日付なしの35mmで、どちらもステンレスとゴールドが用意される(ゴールドがなかったとしたら、パシャはパシャでないだろう)。41mmはイエローゴールドが、35mmには、ピンクゴールドがある。

Raymond Meyer © Cartier

Raymond Meyer © Cartier

 カルティエは、ラウンドとスクエアで構成された時計だ。ラウンドケースに、アラビア数字の入った四角形のチャプターリングをもつ文字盤、そしてパシャ特有のねじ込み式リューズプロテクターが特徴。リューズプロテクターは、1985年の初代機同様に、ミニチェーンでケースに固定されている。新作では、リューズプロテクターのネジを緩めるとリューズのすぐ下に小さなスペースが現れる。オーナーは、リクエストすればここにエングレーブを施してもらうことが可能だ。

ルイ・カルティエと思わしきLCのエングレーブ。 Cédric Vaucher ©Cartier

 新作のパシャはまた、ブレスレット/ストラップをクイックチェンジ可能な「クイックスイッチ」機構を搭載している。さらにブレスレットは、工具なしでコマ調整を行える「スマートリンク」機構も備えているのだ。

ステンレス製41mmの新作のカルティエ パシャ。 © Cartier

 新作パシャは初代と同じ豪奢なデザインであるだけでなく、技術面でもかなりアップデートがなされている。カジュアルな見た目からは分からないかもしれないが、内部に搭載しているのは、自社製Cal.1847MCだ。同ムーブメントは、ニッケル・リン合金、シリコン脱進機を採用しているため耐磁性も高くなっている(軟鉄のインナーケースと文字盤の場合と同様に磁力線を制御しているのだと想定される)。

© Cartier

 新作パシャのねじ込み式リューズは、時計を直接操作する時の楽しさや視覚的な魅力だけでなく、防水性能に貢献している。防水性能は10気圧だ。41mmのステンレスモデルは、ブレスレットとストラップか、35mmのステンレスモデル同様に2つのストラップを選択可能だ。41mmのゴールドモデルは、現時点ではストラップ仕様のみである。35mmのピンクゴールドモデル(今後の記事で取り上げる予定だが、ジェムセットの35mmも存在する)もストラップのみとなる。

ファースト・インプレッション

 パシャは(ちなみにこの言葉は、オスマン帝国の高官、高級軍人の称号だった)、意見の分かれる時計であることは確かだが、ロイヤル オークも同様だろう。実際には、ロレックスやノーチラスにも非常に独特なデザインがいくつもある。これは時計だけでなく、デザインの他の領域にも当てはまる。強く特徴的なデザインを選択することは、必然的に好みが分かれるものなのだ。

41mmのイエローゴールド、35mmのピンクゴールド。© Cartier

 これは完全に個人的な感想だが、このパシャはとても魅力的に見えるというのが私の意見だ。パシャは、時計愛好家たちの好みを惑わせる時計であり、最近の時流では、独自の好みというよりも、インスタグラム上で人気の時計が好まれる傾向がある。しかし、私はこの時計が好きだ。どうやら過去の自分からは逃れることができないようだ。私が真剣に時計に興味を持ち始めた頃、ハイエンドウォッチを探している時計愛好家コミュニティでは、金無垢のロレックスこそが絶対的なラグジュアリーだと思われていた。それは、私が感心した最初の時計の1つであり、今も欲しいと思っているものだ。

クイックチェンジの隠されたボタン。Cédric Vaucher © Cartier

 そしてパシャも同様だ。1985年に、私はそれまでで最も高価な時計を手に入れた。それはカシオのG-SHOCKで、大学卒業後、ニューヨークに来た最初の年でもあった。その当時、世界を飛び回る人々を取り上げた雑誌のページに、偉人やそういった人たちの手首にパシャが着けられているのを見たのは、今でも鮮明に覚えている。ねじ込み式のリューズプロテクターや、ちょっとやっかいなチェーンなど奇抜な点もたくさんあるが、それも含めて全てが好きなのだ。
 30年代にマラケシュのパシャのために作られたという話は馬鹿げている。しかし、パシャを見れば、王族の依頼で作られた時計だろうということが信じられるからこそ、この時計は長く愛されてきたのだと思うのだ。

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基本情報

ブランド: カルティエ(Cartier)
モデル名: パシャ ドゥ カルティエ(Pasha de Cartier)

直径: 41mm、35mm
厚さ: 9.55mm(41mmのSSモデル、ゴールドモデル)、9.37mm(35mmのSSモデル、ゴールドモデル)
ケース素材: ステンレススティール、ピンクゴールド(35mmモデル)、イエローゴールド(41mm)
文字盤色: シルバー
防水性能: 10気圧
ストラップ/ブレスレット:  ブレスレット、アリゲーターストラップ

カルティエの自動巻きCal.1847 MC。Cédric Vaucher © Cartier


ムーブメント情報

キャリバー: 1847 MC
機能: 時間のみ、または時間と日付表示
直径: 25.6mm
厚さ: 3.77mm
パワーリザーブ: 40時間
巻き上げ方式: 手巻き付き自動巻き
振動数: 2万8800振動/時(4 Hz )
石数: 23


価格&発売時期

価格: 35mmのSSモデルの60万5000円から、41mmのイエローゴールドの176万4000円まで(全て税抜予価)。
発売日: 2020年9月予定
限定: なし、通常生産モデル

詳細は、カルティエの公式サイトをご覧ください。カルティエの2020年新作は、カルティエ ウォッチメイキング エンカウンターズ 2020でも御覧いただける。