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Hands-On ミン 27.01 エクストラフラットを実機レビュー

新進気鋭のブランドによる話題の最新作を、実写を交えて紹介する。

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エクストラフラットやウルトラシンと呼ばれるような極薄時計は、時計デザイナーにとって興味深い挑戦だ。このイディオムの解釈は、かなり狭いデザイン言語に従う傾向がある。丸みを帯びたケースで、2針、貴金属を使用していることが多く、文字盤の構成要素は最小限に抑えられている。その理由は非常に簡単だ。文字盤上の要素が少なければ少ないほど、時計を薄くすることができるのだ。また、極薄時計を作ることは、従来の時計だけでなく、競合他社の時計よりもどれだけ薄いかを誇示できるという利点もある。近年、このルールの大きな例外となっているのが、ブルガリ オクト フィニッシモである。極薄時計の文脈では、言うは易し、行うは難しで、オクト フィニッシモはユニークなデザインボキャブラリーを持っている。

 これは全て、極薄時計は類似性がより強くなる傾向があるということを物語っている(よく採用されるETA2892は3.6mmのエクストラフラット・ムーブメントであることは間違いないが、そうしたものの数がそれほど多くないという事実もこの傾向を助長していると言える)。ミン 27.01 の開発にあたって同社は、極薄時計製造の基本的で伝統的な規範に忠実でありながら、独自のデザインビジョンの中で再解釈された時計の開発に着手した。

 もちろん、個性的で突飛なものが求められているわけではないが、同時に、通常の極薄時計の中でも際立つだけの独自性は歓迎されるだろう。

 ミン 27.01は、同社がこれまでに製作してきた他のモデルとは全く異なる。当初の発表は、ほとんど信じられないほどの価値を提供することで、ブランドを世界に知らしめることを目的としていた。それ以来、ミンの新しい時計は、新しいムーブメント(例えば、シュワルツ・エチエンヌ製の100時間ムーブメント)を導入したり、GMT機能やワールドタイムといった新しいコンプリケーションを発表するために最も頻繁に使用されてきた(受賞歴のある17.06コッパーは例外)。

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 27.01には、ミンが新たに採用したムーブメントが使用されている。これはETAのキャリバーだが、高度に改良されたETA/プゾー7001である。ムーブメントの厚さは薄型ムーブメントとして必須の3mm以下で、23.3mm × 2.5mmだ。ミンは、このムーブメントを大幅に改良して、非常に印象的な視覚効果を実現している。

 外観的には、これがすぐにミンの時計であることが分かるが、38mm × 6.9mm と従来のモデルに比べてかなり薄くなっていることもすぐに気がつく(17.06 コッパーは、38mm × 10mmと対照的で、ETA2824を搭載している)。また文字盤にも顕著な違いが見られる。ミンの時計は大抵いつもスーパールミノバを活用して装飾効果を狙うことが多い。しかし、27.01にはそれが一切ないのだ(同社によれば、これは超薄型時計の最も顕著で伝統的な特徴との関連性を維持するためだという)。文字盤は、極薄時計としては驚くほどの深みがあるが、これはおそらく数ミリの薄さを犠牲にすることを意味している。結局のところ、この時計の目的は、記録を更新することではなく、ミン独自のデザイン言語で極薄時計を作ることが、どのようなものかを示すものなのだ。

 ミンの特徴的なデザイン言語が、極薄時計に対してどの程度反映されているかという点で、適切に反映されているかよりも独自のスタイルで上手く反映されている。こうした極薄時計では、特徴的なラグ形状、リューズ、文字盤のデザインなど、全てのディテールが、非常に美しいプロポーションのハーモニーを奏でているように感じられる。これは極薄時計としては珍しい特徴でもある。一般的にこれらの時計は、鑑賞するために手に取られるもの(それが以下に薄いかを感じることなでい限り、抽象的な楽しみではあるが)であり、その逆を求めているようには思えないのだ。
 しかし同社は、少なくとも身に着けたときに、いかにまるで着けていないかのような感覚を与えられたかという部分について評価されたいと考えている。とはいえ、27.01は素晴らしい手触りの感覚も提供していることも事実である。

 繊細なデザインの各要素の一貫性は、細部までに貫かれている。特に素晴らしいのは、ケースサイドのスケルトン化がピンバックルにまで反映されている点だ。

 歴史的に見て、極薄時計は、ソリッドケースバックが採用されてきた。エンジニアリングの観点からは理解できるのだが(より剛性が高く、極薄ムーブメントを補助するのに適している)、常に少し残念な印象を私はもっていた。確かにシースルーバックが悪手になる可能性は十分にある(ケースバック越しに見えるムーブメントに高級ムーブメントに見合った仕上げが必要であるためだ)。適切な状況下では、時計メーカーが所有者にさらなる興味を喚起させる、良い機会にもなるだろう。
 27.01では、ベースキャリバーの再設計が実に上手く機能している。輪列やテンプを支える非常にスリムな個々の受けやブリッジは、オープンワークムーブメントから得られるものとほぼ同等の素晴らしい透明感を与えている。実際、オープンワークムーブメントは、時計の他の部分のデザインとは対照的に、乱雑に感じられやすい可能性があるのだ。

 ある点では、これはミンの中で最も成功した時計かもしれないと私は考える。また、この時計をステンレス製にした英断を賞賛したい。これを読んでいるほとんどの人は既にご存知だと思うが、27.01は、最初の発表から数分で完売してしまった。しかし見て、触って、そして考えてみると、非常に興味深い時計であることに変わりはない。

 本モデルのスペック等の詳細は、「ミン 27.01 バージョン2.0 GPHG 2019受賞の新進ブランドが放つ驚異の新作」をご覧ください。

さらなる詳細は、ミン公式サイトへ。